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【Burning Fighter Online】拳・華・成・闘!! 〜格闘ゲーマーはグルメな奴、現実とVRMMOでメシ喰って最強!〜  作者: Kazu―慶―
初陣〜ビーストハーツ・誕生〜

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《ROUND2−1》赤ワインと鍛錬と黒い猛者

――TIPS――

【拳華成闘の掟②】

『拳華成闘』は、常に鍛錬を怠らない者に勝利を齎す。

鍛錬とは、技を極める事。心を磨く事。そして体をより強固にする事など、やり方に正解は無い。


己が極めし道に揺るぎない信念を持って進むとき、自分だけの強さが見つけられるだろう。

 

 ―――その日の夜は大雨だった。


 しかも色を失う程の常闇の夜で、鬱蒼たる森に覆われ、暗雲から振り注いだ雨は真っ黒く視えた。


 雨は勢いを増し、次第に雷も鳴り続ける程に天気は最悪。まるで何かの怒りに触れたかのように、天は泣き叫んでいた。


 真っ暗な森林を稲光が照らす時、一瞬幾つかの人影も照らされていた。

 誰かの親と思われる成人の男性と女性、そして4〜5人程のティーンエイジャー達が死屍累々と転がっていた。もう既に生命の鼓動も無く、骸が土に還るのを待つだけ。


 そんな屍の群にただ一人、大雨に打たれながら顔は俯き、佇立している青年。次第に彼の手から握り拳が作られ、握力は強くなっていく。



 ―――彼が、この者達の生命を奪ったのか……?


 …………否。俯いていた顔を上げれば、彼の眼前に巨大な黒い影の気配あり。


 青年に導かれた道は憎悪か、復讐か。彼の眼が殺意に満ちた野獣と変わる時、彼の心の奥底から、いつかは王と成る獅子の咆哮が聴こえてくる。



 この日を境に青年は、“力こそ全てを制す”事を信念に拳士の道を選んだ―――!!



 〚SETTING...〛


 ―――それから、10年程の月日が経った。


 青年は大人になり、筋骨隆々の身体に黒曜石の鎧を纏い、黒い髪は鬣のように雄々しく靡いていた。

 今はただ座禅を組み、瞑想の時を過ごす……。


 暫くして、彼は瞑想から覚めて眼を開く。

 橙色の眼から差す先には、三人の鬼神がトライアングルの中に囲まれて、力の矜持を表す紋章が飾られていた。


 これこそが、悪のゲーム拳士の流派・奈落道流の紋章であり。その下で瞑想していた青年こそが、この奈落道の大将にまで成り上がった者。


 彼の名は―――黒嵜皇牙(くろさきおうが)。黒獅子のオーガ】と同胞は呼ぶ。

 そんな皇牙に、黒い鉤爪が背後から……、


(あま)いぞ」


 ―――クンッッ


「キャアアッ!?」


 皇牙は背後から彼を引き裂こうとした輩の手首を片手で握り、赤子の手をひねるかのように身体ごと振り払った。


 その者はなんと、黒のレオタードで美脚を纏い、両手には鉤爪付きのグローブを装備したショートヘアの美女拳士であった!


「何の障壁も、高揚も無い。不意討ちなど尚満たされぬ。俺の飢えを満たすなら殺す気で来いと言った筈だぞ? ―――芽郁(メイ)よ」


「あぁ〜んっ、愛しの皇牙様ァ! 私の鉤爪は皇牙様への愛の証。いつかこの一撃で、貴方の飢餓を満たして差し上げたいですわぁ〜♡」


 この女、皇牙にゾッコン! 妖艶な振る舞いで強気な性格はまさしく女豹か! 愛の為に戦い、愛の為に奈落道に忠誠を誓うラブファイター。

 黒嵜皇牙の側近にして、片腕となるべく鍛錬を磨くゲーム拳士。名は美墨芽郁(みすみめい)、通り名は【レオパルドのメイ】。


「……はっ! そうよ、惚れてる場合じゃ無かったわ!」

 皇牙に惚の字の芽郁は、一旦気持ちを切り替えて皇牙に報告する。


「御報告します。――カマキリ拳使いのマンテラーが、天翔道流の奴等にやられました。既に拳士として再起不能とのこと」


「……やはりか。さっきから俺の【黒獅子】のPASが疼いていた。この奈落殿がある地底深くからも響く、()()()の鼓動が……!!」


 赤獅子の鼓動。それはまさしく、ゲーム拳士になったばかりの赤城玲王のPASであった。


 そして皇牙と芽郁が本拠地としている『奈落道』という和の神殿。そこは、地底約1kmも地下にある『地底空間(アンダーグラウンド・エリア)』と呼ばれる“敗北者の地”と呼ばれる空間の最深部に位置していた。

 薄い空気と過酷な地底の環境から、奈落道ゲーム拳士の鍛錬には、過酷という意味で適している。


 そんな地底まで、遥か地上の赤獅子のPASが伝わった凄まじさ。

 奇遇にもほぼ同じPASの形を持つ者に対する興味か、或いは同族嫌悪か。皇牙の右手には拳がわなわなと震え上がり、手首には既に拳華成闘に使われる『拳華印輪』が着けられていた。


「面白い……! 難敵何するものぞ、天翔道流如きに我が王への道は阻ませぬ!!」

 右腕を天に掲げ、士気を高める皇牙。彼の背後には加護を受けるかのように、奈落道のトライアングルのエンブレム。その三角の縁には小さくこう書かれていた。


 “弱者には悲鳴をあげよ!”


 “弱者に絶望を与えよ!”


 “強者は常に力のみを欲せよ!”


 天翔道流とは真逆の相対性理論、天と地の矜持がぶつかり合い、更に激化した闘いが待ち受ける事だろう。

 だが皇牙はそれを求めている。力の頂点に達する事で、黒嵜皇牙の時代が訪れる事を彼は望んでいる。


 高揚する彼の魂には、黒い鬣の黒獅子の波動あり。


 皇牙は徐に祭壇から酒瓶を取り出し、血のように赤いワインをグラスに注ぐ。当たり年と言われている2020年の高級ボルドーだ。葡萄から出る果実感としっかりとした渋みが、皇牙の渇きを潤していく。



「―――強者には力を、弱者には奈落を! 勝利の道は我にあり!!」



 皇牙の号令に奈落道の同胞は歓喜に吠える。奈落道流の地上侵攻が、再び脅威に迫ろうとした丁度同じ頃……!!



 〚SETTING...〛


「痛てててててぇぇぇーーーー!!!!」

「ほら、もっと腰を曲げる! 身体バキバキじゃないの貴方!!」


 天翔道流のゲーム拳士・赤城玲王が、同じ仲間の舞と龍青にしごかれまくってました! 玲王、只今鍛錬実施中!!


 ――この続きは次回のお楽しみに、本日の試合はここまで! マッチブレイクッッ!!




 〚Coming Soon…〛

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