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ゴブリンのアジトを殲滅する

 よくよく考えたら、ゴブリンの死体があちこち転がっているところで寝てたんだなぁ……と、気持ち悪さと気味の悪さで朝起きたときからテンションが低い。

 

 そして、さっさと人のいるところに行きたかった。

 

 ノーザンバーグの連中に追われることがなくなったのはいいことだが、とはいえやはり人間と触れ合いたい……と思うのは人間の嵯峨だと思う。

 

 というわけで、さっさとあのゴブリンが徘徊する森を抜けて人のいる場所まで行きたい。

 

 で、とりあえず朝起きて周囲を探索した。一体、どれくらいのゴブリン達を倒したのだろうか? と。

 

 だが、結論から言うと、探索などしなければよかったと思うのだった。

 

 

 もう、あちこち中スプラッターな光景のオンパレード……

 

 「バレット」の魔弾はかなりの威力のようだ。そういえば生き物に対して撃ったのは今回が初めてだった。腹に食らって上半身と下半身がお別れになったゴブリン。頭が吹っ飛んで首から下しかないゴブリン。弾が頭をかすめて脳味噌と思われるものが露出しているゴブリン。

 

 そして、それら死んだゴブリンたちが流す血だまり。ああ、ゴブリンの血って緑なのね……

 

「おうぇぇぇぇぇぇぇっ」

 

 いてもたってもいられず盛大に吐いた。

 

 この世界に来て、人の死にざまを見るのは結構なれたかな、と思ったのだが、甘かった。

 あ、ゴブリンは人じゃないか…… いや、似たようなものだろう。

 

「ふぅ……ふぅ……ふぅ…… ごきゅごきゅ」

 

 とりあえず、水を飲んで気分を落ち着かせた俺は、さっさとこんな場所はおさらばしようと思ったのだが、ちょっと思うところが一つだけあった。

 

 それはアルバ達との会話の中で話があった魔物の体内にあるという魔石の話。

 

 たしか、魔法を使う魔物には魔石があるという話だったか。ゴブリンたちが魔法を使ったところは見たことが無かったが、もしかしたらもしかするかもしれない。

 

 ただ、流石にゴブリンの体をさばいて魔石を取り出すなんてことは憚られたので、燃やしてみて魔石が残るかどうかを確認してみることにした。

 

 早速、デヴァスト達にゴブリンの死体を一か所に集めさせる。それを見るだけでも結構胸糞悪いのだが、仕方ない。我慢して我慢して火魔法を発動。異空間に収納していた燃料とセットでゴブリンの死体を焼くこと3時間。

 

 ゴブリンの骨を漁り、魔石? っぽいものをいくつか見つけた。

 

 紫色に輝く宝石のような石。

 

「これが魔石なのか知らないが、とりあえず戦利品として持っておくか。」

 

 ふと、「魔石って燃やしても大丈夫なのか? 価値が失われないか?」なんて考えたが、流石に死体をさばくのだけはなぁ…… とあきらめる。

 

 そのうち、死体解体用のゴーレムも作るべきかもしれない。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 改めて、トリスターにまたがり森の入口まで来た俺は、そのまま歩いて森の中を進むことにした。

 

「暗仁 、黒影は俺の警護。デヴァストとサーチャーは散開して探索だ。」

 

 木々がうっそうと茂る森だが、ほぼ背丈の高い木ばかりなので歩くのはさほど苦労しなかった。所々の背丈の低い草木は暗仁と絶影が剣で薙ぎ払っていく。

 

 そして、昨日矢を射かけられた場所と思われる場所に行きつく。

 

「あの櫓から射かけてきたのか。そして、ずいぶんと立派な門と塀だな」

 

 丸太をふんだんに使った門と塀が姿を現す。高さは5メートルはあるだろうか、とても飛び越えたりよじ登ったりして行けるたかさじゃあない。

 

 ちなみに、ここからゴブリンたちが草原までやってきたのだとしたら、草原の死体の数が200匹ほどはいたので、かなりの戦力ダウンじゃないだろうか? とは思ったのだが、油断はできない。

 

 かといって、ここを素通りするのも危険だ。

 

「敵になりうる存在はさっさと芽を摘む。行くか。」

 

 腹をくくって城門を真正面から攻略することにした。

 

 

 ◇◆◇

 

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

 

 殲鬼のガトリングガンが火を噴く。丸太でできた城門も何のその。たちどころに木っ端微塵にした。

 

 すると、ワイワイガヤガヤとゴブリンたちが集まってくる。櫓に上り矢を射かけてくる者、塀の上から矢を放つ者、開いた城門から突撃してくる者、様々だが、殲鬼とデヴァストの火力の前にはただの的に過ぎない。

 

 ドォン

 

 デヴァストの放つ魔弾が1発で櫓を粉砕し、櫓にいたゴブリンたちを無力化する。

 

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

 

 塀にいたゴブリン達も殲鬼の掃射でバタバタとなぎ倒されていく。いや、細切れにされていく、と言ったほうがいいか。

 

 入り口から突っ込んできたゴブリン達も殲鬼の餌食だ。

 

 殲鬼…… ぱねぇ。

 

 そして、手持無沙汰な暗仁と黒影が寂しそうに突っ立っている。残念ながら二体にまで獲物がたどり着くことはなかった。

 

 ここから見える櫓と塀、それに城門からのゴブリンたちの動きがなくなったところで俺たちはゆっくりと警戒しながら城門の内側に入っていった。

 

 しかし、臭い。

 

 なんというか、獣臭いのと、糞尿のにおいが入り混じった、何とも不快な匂いが充満している。

 こいつらには体を洗う習慣や糞尿の始末をつける習慣がないのかもしれない。

 

 そういえば、俺もここ数日風呂に入ってないな…… 今夜は入ろう。

 

 さて、門を抜けると、そこにはゴブリンたちの集落があった。木と葉で作った簡素なつくりの家が20棟はあるだろうか。もはやちょっとした村だな。

 

 散発的にゴブリンが襲い掛かってくるが、それではデヴァストの相手にならない。たちどころに駆逐される。

 

「デヴァストとサーチャーは散開。敵を見つけて殲滅せよ。」

 

 まさにサーチ・アンド・デストロイ

 

 昨日、無理にこの集落に突撃せず、デヴァストとサーチャーを作っておいてよかったと心から思った。やはり何事も準備が大事である。

 

 

 その後も散発的な戦闘はあったが、ゴブリンたちはほぼ殲滅しつくしたようだ。

 

 そんなときにサーチャーが思わぬものを見つけ出した。

 

 人間の女性だ。

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