↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
みにくい顔だと思い込んでいるお姫様のおはなし  作者: 星野 満


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/14

9. 王女付侍女の振りをするお姫様

※随分長い期間、更新せずに申し訳ありませんでした。

ようやく更新できました。ここからは急ピッチで10月までに完結を目指します。

<(_ _)>

 ✧ ✧ ✧ ✧



 突然、デイジー姫の前に現れて自分を助けてくれた美青年ダルタニアン。


 デイジー姫は少し胸が高鳴りました。

 だけど、一つだけ彼の行動に不信な点があった事も見逃せませんでした。


「──ダルタニアン殿、先ほどは恥ずべき輩(やから)から、私を助けていただいた礼をいうが……ええっと、ひとつだけ質問してもよろしいか?」


 とデイジー姫は、自分では侍女らしい言葉を選んだつもりでしたが、なぜか妙に威張って堅苦しくなってしまいました。


「え、はい、どうぞ!」

 とダルタニアンは一瞬ギョッとしました。


 なぜって、ダルタニアンはデイジー姫を王女付の侍女とはいえ、この若い侍女が不遜(ふそん)な態度で、自分に話しかけるのが意外だったからです。


 なおかつ、さきほど自分が助けた時の、可憐な乙女らしい印象(イメージ)とは違うチグハグさも感じました。


 同時にダルタニアンはニヤニヤと顔がほころびます。


 なぜってダルタニアンはこうも思ったんです。


 ふむ、この侍女様はとんと面白い娘(むすめ)だ。

 まだ少女とみまごうほど若いのに、随分と王女みたいな言い回しをするもんだ。


 もちろんダルタニアンは、この幼い侍女が、まさか本物の王女だと知る由もありません。


 王女が城から追い出されたなんて、夢にも思わないでしょうから。


 王女様お付きの侍女だし、得てして城内で働く侍女なんて、気位が高い高慢チキばかりだろうと。


 そんなダルタニアンの思案などおかまいなしに、デイジー姫はツンとすまして言いました。


「さきほどそなたは『俺が目を離したすきに……』と申したが、もしかして城からずっと私を付けてたの?」


「ああ、はいはいそうですよ。実は依頼されたのはアンヌ様の護衛と、夕食まで間に合うように屋敷にお連れしろ、と兄からの命だったので……」



 ──やっぱり!


 デイジー姫の勘は当たりました。


 多分これは、王様(お父様)が密かに私に護衛を付けていたのだと理解しました。


 ──でも、この者は私がアンヌ(侍女)だと思っているわ。


 もしかして王様は、私が王女という事を隠して護衛をつけたのかも。



 デイジー姫は必死で頭を廻(めぐ)らせます。


 だけど──それもそうよね。

 このまま身分を隠して護衛騎士の家に身を寄せて、侍女のアンヌの振りをしろ! という王様の命だろう。


 だけど、果たしてこの私が侍女の仕事などできるかしら?


 デイジー姫は首をプンと横に振りました。



 ──いやいや、私は追い出されたとはいえ王女なのだ。


 侍女の振りくらい、なんとかなるだろう。

 王様の意図は読めないが、とりあえず今は侍女の振りをしよう。


 とデイジー姫は決心しました。



 一方、ダルタニアンはデイジー姫が思案している姿を黙って見守っていましたが、彼女の決意ならぬ顔が余りにも必死過ぎて、なんだか気の毒に見えたのです。


 ──よし、それなら侍女の不安を取り除いてあげよう。


 と、すっとデイジー姫に近づき囁(ささや)きました。


「恐れ入りますがアンヌ様。あまり心配なさらずとも大丈夫ですよ」


「ヒッ?」と驚くデイジー姫。


 いつのまにかダルタニアンが横にいるのでビクッとしました。


「あ、失礼しました。まあ突然、俺みたいな若い護衛がひとり来たら不安でしょうけど」


「あ、いえ……そんな事はないわ」

 デイジー姫は、どぎまぎしながら首を振りました。


「それなら良いのですが──。これからお連れする俺の実家ですけど。一応、代々王宮を警護する騎士の家系です。当主も国王から子爵の位を承っておりますし、近衛騎士団に所属しているれっきとした武人です」


「まあまあ、騎士団も貴族の家系だったのね。失礼だけど騎士って剣技の才がある平(・)民(・)出身ばかりと思ってたわ。それにしても親はともかく、子息である貴方もその若さで、近衛騎士団なんてたいしたものだわ!」


「あ、申し訳ありませんが、俺はまだ騎士見習いなんです」

「え、見習い?」

「ええ中等貴族学院を卒業して、そのまま騎士団の見習い生になったばかりでして……」


「え、中等……って、貴方そんなに若いの?」

「はい、十六になりました」

「あらまあ……」

 デイジー姫は呆気にとられました。


 確かにダルタニアンの風貌は若いが、背丈もあるし落ち着いた雰囲気だったので、まさか自分より三つしか離れていないとは思いませんでした。


 ──驚いた、てっきり成人しているのかと思ったわ。


 デイジー姫の胸の鼓動は、またしてもドキドキとはやります。


 それでも、敢えてその鼓動を意識したくないデイジー姫は、彼の普段着の身なりに目を向けます。


「ああ、だから貴方の姿は王宮では見慣れない恰好なのね」


「え、あ……」とダルタニアンも自分の服装に気付きます。


 ダルタニアンの姿は、城にいる近衛騎士団のキッチリした制服ではなく、白いシャツに紺色のベスト、下は黒いキュロットで皮の茶ブーツを履いていました。


 多分、貴公子の普段着はダルタニアンのような出で立ちなのだろうと、デイジー姫は察しました。



 なにせデイジー姫はこれまで殆どお城から出た事がなく、公共の場でも正装姿の貴公子か衛兵、市井(しせい)の民との対面でも、身なりのきちっとした者しか見たことが有りませんでした。


 パッと見てダルタニアンの姿は、城の庭園で働く従者とたいして変りません。


 そう、エプロンをしているかいないかの違いでした。



「あ、これは失礼、実は平民服でと、これまた兄から指示されまして。多分あまり人目につかぬようにと察しました」


「──そうでしょうね」デイジー姫も同意します。


「あの~アンヌ様、申し訳ありませんが、ご質問は道中でお答え致します。多分、実家の主(あるじ)が心配しています。そろそろ参りましょう」


 ダルタニアンは時計台の針が3時半を示してるのを見て慌てていった。


「そうだったわね、屋敷は近いの?」


「はい、ここからだと徒歩で半刻(はんとき)はかかります。すぐ先に馬を繋(つな)いでるのでお乗りください」


「分かりました」とデイジー姫は腰かけていたベンチから立ち上がろうとしたが、ガクッと下半身に力が入らずバランスを崩しました。


「キャッ!」

「危ない!」


 とっさにダルタニアンは、デイジー姫を抱きとめます。


「痛っ……足が……」


「え? どうされました」


 どうやらデイジー姫は足をケガしてたようです。




※ 申し訳ありません。ダルタニアンの言葉遣いを少々荒っぽく変えました。

※ 半年たつとキャラクターのイメージが変化してしまったので、言葉遣いも「僕」→「俺」に変えました。

(≧Д≦)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
連載開始待ってました♪ ダルタニアンの性格や、言葉の感じ。合っていると思います(*^^*) デイジーちゃんは、ダルタニアンが侍女と勘違いしてることを、そのまま乗ることにしたんですね♪ これからどう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。