1. わたしはみにくいと思い込むお姫様
☆「冬の童話祭2026」テーマは「きらきら」参加作品です。
※自分のことを醜いと思い込んでいるお姫様のお話です。
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むかしある王国に、自分が誰よりも、みにくいと思いこんでいるお姫様がおりました。
お姫様の名前はデイジー姫と申します。
デイジー姫は末のお姫様で、すぐ上にそれは美しい姉君が、二人いらっしゃいました。
長女は赤薔薇のように、華やかなお顔立ちのローズ姫。
次女は白百合のように、たおやかなお顔立ちのリリアン姫です。
デイジー姫も幼い頃は、自分がみにくいなどと、これっぽっちも思わず、きらきらと光り輝く笑顔がまぶしい、それは愛らしい姫君でした。
よく姫君は、乳母の目を盗んでは城内をちょこまかと動きまわり、誰にでも分けへだてなく、にこにことかわいい笑顔をお見せになったので、従者たちからとても慕われておりました。
いつしか城の従者たちは、デイジー姫を“可愛いおちびちゃん”と、密かに愛称をつけたほどでした。
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それがどうしたことでしょう。
デイジー姫はすくすくと育ち、大人が主催する舞踏会に初めて参加した晩、乳母たちの前で、大きな声で嘆きました。
「自分は二人の姉君たちと、ぜんぜん似てないし美しくもない!それどころか、誰よりもみにくい娘だわ!」
と、着ていた檸檬色のドレスを叩きつけて、わあっと泣きだしたのです。
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その日からデイジー姫はガラリと変わりました。
毎日毎日、「私はみにくい娘だ」と愚痴って、しくしくと泣いてばかりいます。
そのせいで彼女の目は真っ赤に腫れあがり、食事もあまり食べなくなり、どんどんやせ細っていきます。
困り果てた乳母たちは「わたしはみにくい」というデイジー姫に、対抗するオウムのようにくり返していいました。
「いいえ、姫様はちっともみにくいなど、ございませんよ。姫様も姉君たちに劣らず、それはそれはお綺麗ですよ」
といくら乳母やメイドたちが、励ましてもデイジー姫はうなずきません。
逆に乳母たちに、もっと怒鳴りちらすのです。
「お前たちは、わたしがかわいそうと思うから、そんな見え透いたウソをつくのね」と。
こうしてデイジー姫は、乳母たちの言葉をびしゃりとはねつけました。
その内、デイジー姫は気分が優れないからと、王族の公式晩餐も、国のお祝い行事からお弔い行事まで、一切のイベントに参列しなくなりました。
いつも気分が悪いといって断り、自分の部屋に引きこもるようになりました。
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「なぜデイジーはそんなに変ってしまったのか?」
と母親の王妃様も、乳母たちからの報告をきいて驚きを隠せません。
「そうね、お母様、あんなに天真爛漫だった子なのに」
「本当ですわ、ローズお姉さま。私たちの可愛いおちびちゃんが、なぜ突然、ひねくれてしまったのかしら?」
王妃様も二人の姉君たちも、デイジー姫がなぜ自分がみにくいと、思い込んでいるのか、さっぱり見当がつきません。
二人の姉たちはデイジーが、自分たちの美しさにひがんで、引きこもっているなどとは、とうてい信じられませんでした。
なぜならデイジーの顔立ちは、二人が見ても、誰が見ても、みにくくないからです。
確かにデイジー姫は姉君たちのように、王族特有の黄金色の波打つ髪と、宝石のようにきらきらしい蒼き瞳ではありませんが、彼女の小麦色の肌は、ハリがあってとてもみずみずしいし、はしばみ色のつぶらな瞳は、デイジー姫のマロンクリーム色の豊かな髪に、とてもよく似合っていました。
妹はどこからどう見ても可愛らしいのに、どうしちゃったの?
ローズ姫とリリアン姫は、お互い首を傾けて、妹をただ心配するばかりでした。
※ 連載投稿チャレンジ参加作品です。なので申し訳ありませんが、連載は週1回とゆっくり投稿です。




