表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
みにくい顔だと思い込んでいるお姫様のおはなし  作者: 星野 満


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/2

1. わたしはみにくいと思い込むお姫様

☆「冬の童話祭2026」テーマは「きらきら」参加作品です。

※自分のことを醜いと思い込んでいるお姫様のお話です。


✧ ✧ ✧ ✧



 むかしある王国に、自分が誰よりも、みにくいと思いこんでいるお姫様がおりました。


 お姫様の名前はデイジー姫と申します。


 

 デイジー姫は末のお姫様で、すぐ上にそれは美しい姉君が、二人いらっしゃいました。


 

 長女は赤薔薇(あかばら)のように、華やかなお顔立ちのローズ姫。

 

 次女は白百合(しらゆり)のように、たおやかなお顔立ちのリリアン姫です。


 

 デイジー姫も幼い頃は、自分がみにくいなどと、これっぽっちも思わず、きらきらと光り輝く笑顔がまぶしい、それは愛らしい姫君でした。


 よく姫君は、乳母の目を盗んでは城内をちょこまかと動きまわり、誰にでも分けへだてなく、にこにことかわいい笑顔をお見せになったので、従者たちからとても慕われておりました。


 いつしか城の従者たちは、デイジー姫を“可愛いおちびちゃん”と、密かに愛称をつけたほどでした。



✧ ✧



 それがどうしたことでしょう。

 

 デイジー姫はすくすくと育ち、大人が主催する舞踏会に初めて参加した晩、乳母たちの前で、大きな声で嘆きました。


「自分は二人の姉君たちと、ぜんぜん似てないし美しくもない!それどころか、誰よりもみにくい(むすめ)だわ!」


 と、着ていた檸檬(れもん)色のドレスを叩きつけて、わあっと泣きだしたのです。

 


✧ ✧


 

 その日からデイジー姫はガラリと変わりました。

 毎日毎日、「私はみにくい娘だ」と愚痴って、しくしくと泣いてばかりいます。

 

 そのせいで彼女の目は真っ赤に腫れあがり、食事もあまり食べなくなり、どんどんやせ細っていきます。


 困り果てた乳母たちは「わたしはみにくい」というデイジー姫に、対抗するオウムのようにくり返していいました。


「いいえ、姫様はちっともみにくいなど、ございませんよ。姫様も姉君たちに劣らず、それはそれはお綺麗ですよ」


 といくら乳母やメイドたちが、励ましてもデイジー姫はうなずきません。


 逆に乳母たちに、もっと怒鳴りちらすのです。  


「お前たちは、わたしがかわいそうと思うから、そんな見え透いたウソをつくのね」と。

 

 こうしてデイジー姫は、乳母たちの言葉をびしゃりとはねつけました。


  

 その内、デイジー姫は気分が(すぐ)れないからと、王族の公式晩餐も、国のお祝い行事からお(とむら)い行事まで、一切のイベントに参列しなくなりました。


 いつも気分が悪いといって断り、自分の部屋に引きこもるようになりました。



✧ ✧


 

「なぜデイジーはそんなに変ってしまったのか?」


 と母親の王妃様も、乳母たちからの報告をきいて驚きを隠せません。



「そうね、お母様、あんなに天真爛漫(てんしんらんまん)だった子なのに」


「本当ですわ、ローズお姉さま。私たちの可愛いおちびちゃんが、なぜ突然、ひねくれてしまったのかしら?」


 王妃様も二人の姉君たちも、デイジー姫がなぜ自分がみにくいと、思い込んでいるのか、さっぱり見当がつきません。


 二人の姉たちはデイジーが、自分たちの美しさにひがんで、引きこもっているなどとは、とうてい信じられませんでした。


 なぜならデイジーの顔立ちは、二人が見ても、誰が見ても、みにくくないからです。



 確かにデイジー姫は姉君たちのように、王族特有の黄金色(こがねいろ)の波打つ髪と、宝石のようにきらきらしい(あお)(ひとみ)ではありませんが、彼女の小麦色の肌は、ハリがあってとてもみずみずしいし、はしばみ色のつぶらな瞳は、デイジー姫のマロンクリーム色の豊かな髪に、とてもよく似合っていました。

 


 妹はどこからどう見ても可愛らしいのに、どうしちゃったの?


 

 ローズ姫とリリアン姫は、お互い首を傾けて、妹をただ心配するばかりでした。






※ 連載投稿チャレンジ参加作品です。なので申し訳ありませんが、連載は週1回とゆっくり投稿です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
タイトルは異世界恋愛かと思ってしまいましたが、可愛い始まりだなぁと読んでおりまして…………童話なんだと気づきました。Σʕ•ᴥ•ʔ童話の連載チャレンジ頑張って下さい! デイジーの思い込みは何か理由がある…
お姉さんが美し過ぎて、それと比較してしまって、落ち込んでしまっているんですね、デイジーちゃん。なんとか元気になってくれる方法はないのかな〜?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ