日本沈没 vs 復活の日 小松左京の予言と陰謀論
初出:令和7年8月14日
1.日本沈没
最近、光文社文庫で小松左京の「日本沈没」を読んだ。
小松左京のSF小説は若い頃かなり読んだと思うが、この作品はこれまで未読だった。
アマプラで70年代の映画と2022年版テレビドラマをすでに見ていたが、小説は70年代版映画のストーリーとほぼ同一で、2022年版は現代風にアレンジされている。
この他、70年代のテレビドラマもあるが、こちらの方は初回しか観ていない。
こんなストーリーだ。
太平洋側の日本の離島で地震や地盤沈下が多発するようになり、地球物理学者の田所博士が潜水艇で日本海溝を調べると日本列島が数年のうちに海底に沈没することが判明する。ところが田所博士は優秀な科学者だがクセのある人物で、いわゆるマッドサイエンティスト。当初、田所博士の言説は学界で相手にされない。
ところが日本各地で大地震が続くと政府は田所博士の説を受け入れ、極秘裏に対策本部を設置。
対策本部は地震予知、被災者救済の他、オーストラリアなど外国政府に日本国民の移民受け入れを嘆願する。
一方で政府はマスコミをシャットアウトして、国民には最後の最後まで日本列島が沈没することを教えない。
光文社文庫のはしがきに作者自身が書いた文章が載っており、オリジナルの「日本沈没」は70年代に執筆されたが、1995年の阪神淡路大震災後、文庫化したらしい。
その際、読者やマスコミから問い合わせが殺到したとのこと。「日本沈没」はこの震災を予知していたのではないか。そういう手紙が多数、作者に届いた。
小生に言わせれば、2011年東日本大震災以降、”100年に1度”、あるいは”50年に1度”の異常気象が頻繁に日本を襲うようになった震災大国日本の惨状が「日本沈没」の予言に合致していると思う。
そして異常気象はまだ完全におわったわけではない。
2.復活の日
小松左京の予言と言えば、もう一つ、「復活の日」を忘れてはならない。
こんなストーリーだ。
欧米の軍事研究所が生物兵器の細菌を開発するが、誤って細菌を研究所の外に放出してしまう。
細菌は世界中に広がり、人類の大半は死滅。わずかに南極観測隊員が生き残る。
「復活の日」はコロナ騒動を予言していると言える。
ただし実際はコロナ自体の被害より、コロナワクチンの薬害の方が世界的に大きな問題になっているようだ。
マスコミはアルベール・カミュの小説「ペスト」をよく引き合いに出し、コロナ騒動と比較したが、小生は「復活の日」の方が現状に近い小説だと思う。
「ペスト」は、アルジェリアのオラン市でペストが発生し、ロックダウンされるという話。市長がバイクでオラン市を脱出した後に、市のロックダウンを宣言する。つまり市長は市民を捨て、自分だけ助かるという話。
能登半島地震のとき、石川県知事は東京にいて、被災しなかったという話となんとなく符号する。
その後、オラン市内でペストがおさまり、ロックダウンが解かれる。ロックダウン中、市民同士がなかよくなって、めでたし、めでたしといったところか。
3.小松左京が予言したもの
それにしろ、「日本沈没」といい「復活の日」といい、21世紀に入ってからの日本の大災害を小松左京は60~70年代に予言していた感じがする。
小松左京の訃報が流れたとき、ネットでは彼はディープステートとつながっていたから未来を知っていたのではないか、といった書き込みを見た気がする。
真偽はともかく、今の日本は大変なことになってしまったと思うのは小生だけではあるまい。
プロパガンダ、気象兵器、人工地震、不正選挙、人口削減目的の毒性ワクチン接種......。
こうしたコテコテの陰謀に加え、高税率、物価高、経済低迷、少子化など、暗いニュースのてんこ盛りだ。
そういえば小松左京には「日本アパッチ族」という長編小説がある。
大阪のホームレスたちが鉄を焼いて食い、ホモサピエンスの次の新たな人種に進化する。
彼らはアパッチ族と名乗り、革命を起こして日本を乗っ取る。
これは予言にならないだろうが、アパッチ族にでも革命を起こしてもらわないかぎり、現状の日本政府では未来に夢が持てる日本は期待できないのではないか。
そんな妄想に苛まれる今日このごろではある。
(つづく)




