セ・リーグDH制是非論の是非論
初出:令和7年8月5日
日本野球機構(NPB)のセ・リーグで2027年からDH制が導入される。
DH制とはなにか。ご存じの方も多いだろうが、一応説明しておく。
野球は本来、9人でプレーする。従来の9人制ルールではピッチャーも打席に立たなくてはならない。
ところがDH制ルールではピッチャーは打席に立たず、投球のみに専念でき、ピッチャーのかわりに1名の指名打者(DH)が打席に立つことができる。DHの選手は守備はやらず、バッティングのみプレーする。つまりDH制ではスターティングメンバーが全部で10名になる。
DH制はパ・リーグでは大昔から導入され、アマチュア野球界でもここ最近、次々に採用されている。
セ・リーグのDH制導入は10年くらい前から議論されていたとのことだが、なぜここへきて突然、導入が決まったのか。
推測するに米国MLBのナ・リーグで2022年からDH制が導入されたためだろう。
MLBではこれまでア・リーグがDH制、ナ・リーグが9人制だったが、現在では両リーグともDH制を採用している。
リクエスト制導入のときも、MLBが採用したからNPBも猿まねした。
もしナ・リーグが再び9人制に戻すことがあったらセ・リーグもすぐ9人制に戻すと思われる。
1.興行成績はどちらが人気?
パ・リーグとセ・リーグをくらべるとパ・リーグの方が圧倒的に強い。この強さはDH制によるものなので、両者を公平にすべく、セ・リーグもDH制にすべきではないか。
こうした議論が以前からあった。ピッチャーがピッチングに専念できるため、ピッチャーを育てやすく、DH制の方が有利だとのこと。
ところがもともとMLBのア・リーグでDH制が導入されたのは興行的理由からだ。DH制にすると観客動員数が増加した。
NPBも同様、パ・リーグでもDH制を導入後、観客動員数は増加した。
ユーチューブ動画で往年のプロ野球の名選手たちの意見が出ているが、9人制を推している人が多い。
素人の野球ファンはDH制の方が面白いが、玄人の野球ファンは9人制の方が面白いとのこと。
しかしながら彼らは玄人中の玄人で一般の野球ファンとは言い難い。
小生の個人的意見ではおそらくDH制の方が面白いし、人気が出ると思う。というのはDHの選手がそのチームで一番人気のスター選手であることも多いからだ。
2.守備、打撃で選手を分けたら?
NFLのアメフトでは、オフェンス11名、ディフェンス11名がそれぞれ専任で、別の選手がプレーする。この他、スペシャルチームも専任の選手がいる。
野球でも同様に、守備だけ行う選手9名と攻撃だけ行う選手9名でプレーしてはどうか。
守備専任選手は日頃から守備だけ練習し、攻撃専任選手はバッティングと走塁だけ練習する。
もちろんピッチャーとキャッチャーは専任の選手がいる。
このような分業体制では今より強いチームを作ることができるのではないか。
ただし、こうした守備、攻撃の分業制は野球がつまらなくなるという意見もある。
3.守備をローテーションさせたら
バレーボールのローテーションでは選手の守備位置が変わる。
同様に野球でも1イニングごとにポジションを交替していくのはどうか。
選手交代がない場合、9回までに全員がすべてのポジションを担当する。
このルールでは特にピッチャーの平均的なプレーのレベルが下がることが予想されるが、オールラウンドに活躍できる選手ほどスターになる。
もし守備、攻撃の分業制が面白くない人は、こうしたローテーション制の方が従来の野球より楽しめるのでは。
インドではクリケットというスポーツのプロリーグがある。クリケットは野球に似たスポーツだがピッチャーに相当するボウラーという投手は、試合中に交替していくことがある。
4.まとめとして
以上、どうでもいい話だが、DH制を導入するかどうかを決めるのは、人気選手OBでなく、球団のオーナーたちなのだろう。
むしろオーナーたちにインタヴューして、この件について意見を取材したユーチューブ動画を作成した方が面白かったと思う。
いずれにせよ、米国の猿まねを愚直に繰り返すのは、この国の政治や経済、産業のトップたちの習性かもしれない。
(つづく)




