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どうでもいい話 脱力エッセー  作者: カキヒト・シラズ


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老後資産防衛 最強ツールは生活保護?

初出:令和6年12月24日


 あなたは老後の資金について不安をお持ちだろうか。

 もしあなたが何の不安もないなら、今回のエッセーはスルーしていただいてかまわない。今回は老後が経済的に不安だという人向けの話題だからである。


 昨今、マスコミはNISAや新NISAまたはiDeCoといった金融商品を盛んに紹介している。

 積立定期預金のようにみえるが実は株と連動しており、元本割れのリスクがある。自分で勝手に株投資をするよりは、投資益の税を軽減できるのがメリットだという。

 これらの金融商品は金融業界だけでなく、政府も推奨している。


 ユーチューバーで歴史作家の加治将一氏は自身の動画で、政府や金融機関が推奨するNISAや新NISAあるいは株はギャンブルだからやめるべきだと断言している。

 その一方で加治氏が推奨しているのはアンティークコイン投資。

 今後、円安で円のお札は紙くずになるから、その前にアンティークコインに投資すべきとのこと。

 確かにNISAや株の類は元本割れのリスクがある以上ギャンブルなので、素人が手を出すべきでないことは納得できるが、アンティークコイン投資もまたギャンブルではないか。

 

 昔、証券マンが書いた金投資の本を読んだことがある。

 株の投資が競馬だとすると、先物取引や金の投資は競輪や競艇のようなものだ、とのこと。

 つまり株は競馬のようにメジャーなギャンブルなのに対し、先物取引や金の投資はマニアックなギャンブルなので、さしずめ一部のマニアしかやらない競輪や競艇に似ているという意味だ。

 証券マンが金融商品への投資はギャンブルだと言い切っているのに注目すべきだろう。

 それでも金の投資はアンティークコインにくらべればメジャーなギャンブルに思える。


 この他、美術品やワインを投資目的で売買する富裕層もいる。

 かわったところではアメコミの投資というのもある(あった?)。

 80年代終わり、アメコミの漫画本でプレミアがついたものは高く売れた。

 作者サイン入り本や、限定出版本などがある。

 テレビで見たのだが、実はマーベルコミック社がビジネス目的でこうしたプレミア本ブームを捏造したとのこと。有名なスタン・リー氏も一枚嚙んでいたらしい。

 ところでワイン好きなら投資したワインが高値で売れなくても自分が飲めばいい。

 アンティークコインも自分の応接室に飾って楽しめる人なら投資してもいいだろう。

 もしアメコミマニアの小生が富裕層ならアメコミ投資にはまったかもしれない。

 だが純粋な営利目的ではこうしたアイテムに手を出すのはどうか。


 それはともかく、そもそもこうした投資は富裕層がやることで、家賃や住宅ローン、日常の生活費の支払いに悩んでいるような非富裕層層は最初から投資に手を出してはいけないというのが常識だろう。

 非富裕層の老人で健康状態などに問題があって働けない場合、お金に困ったら投資で稼ごうとせずに、生活保護を申請するのが妥当ではないか。

 貯金があるので生活保護がもらえない人は、もらえるまで貯金が減ってから申請すればいいだろう(ただしそれまで生きていればの話だが)。


 楽待のユーチューブ動画で森永卓郎氏と朝倉慶氏の対談がある。

 森永氏が新NISAは解約すべきと主張する一方、朝倉氏は円安は今後加速するので新NISAはやるべきと説く。

 朝倉氏はまた日本人は”哲学を変えないといけない”とも説く。

 これまで日本人は投資は悪いことという哲学があったが、これからの時代はこの哲学を変えないといけないとのこと。

 楽待の動画なのでスポンサーは新NISA推進キャンペーンのために動画を作成したことが推測できるし、朝倉氏の言葉は少しも小生に刺さらない。

 だが唯一、時代が変わったので”哲学を変えないといけない”という言葉だけは、一抹の真理を含んでいるようだ。


 生活保護をもらうことは恥ずかしいことだ。これが昭和の日本人の”哲学”だったのではないか。

 しかしながらアベノミクスで日本の中間層はなくなり、富裕層と非富裕層(貧困層)に二分化したと言われる。

 自分が負け組の貧困層であることを自覚するのは、昭和の常識を引きずっている人には抵抗があるかもしれない。

 だが見栄や外聞、世間体を捨て去り、生活保護を申請すること。

 これこそが新時代の最強のサバイバル術なのかもしれない。


(つづく)

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