第26話『完成した大書庫と、永遠に続く私たちの平穏』
それから数ヶ月後。
王都の一等地に、眩しいほどの白亜の建物が完成した。
天井高く伸びる吹き抜けの書架、世界中から集められた数十万冊の希少な本、そして中央に配置された最高級のフカフカの大型ソファ。
私のためだけに建てられた『私設大書庫』――私とヴィンセント様だけの秘密の城だ。
「ふはぁ……夢みたいですわ。まさか本当にこんな素晴らしい場所が完成するなんて……」
柔らかな木漏れ日が差し込むソファの上で、私は新刊の物語本を抱えながら、深々とため息を漏らした。
「気に入ってくれたか、エレノア?」
隣に腰掛けたヴィンセント様が、嬉しそうに私の髪を指ですくい上げ、そっと口づけを落とす。
「はい! 100点満点……いいえ、計算不可能なほど完璧ですわ! 旦那様、本当にありがとうございます」
「ふ……君のその笑顔が見られただけで、私の投資は大成功だ」
ヴィンセント様は満足そうに目を細めると、私の身体をそっと引き寄せ、自分の膝の上に座らせた。
「きゃっ……旦那様? これでは本が読みにくいのですが……」
「ここで本を読む時は、私の膝の上と決まっている。……それとも嫌か?」
「……嫌なわけ、ありませんでしょう?」
私が少し照れながら胸元に顔をうずめると、ヴィンセント様は愛おしそうに私を強く抱きしめてくれた。
思えば、倒産寸前の公爵家に嫁いできたあの頃。
ただ「過労死を避けてニート生活を送りたい」という一心で、数字とロジックを武器に突き進んできた。
悪徳商会を叩き潰し、王立財務院を返り討ちにし、帝国の脅威や暗黒街のヤミ金まで爆速で論破してきたけれど……。
(一番の計算外(うれしい誤算)は……この『氷結公爵』様が、世界一甘くて優しい最高の夫になってくれたことですわね)
「エレノア。これからも君の平穏と幸せは、私が一生をかけて守り続ける。……愛しているよ」
「私もですわ、ヴィンセント様。……ずっと、ずっと愛しております」
静かな書庫の中に、優しく重なる二人のリップ音。
数字とロジックで奇跡を起こした「数字の魔女」と、彼女を永遠に愛し続ける「溺愛公爵」の物語は、どこまでも温かな幸せに包まれながら、これからもずっと続いていくのだった――。
(【完結】『破産寸前の公爵家を数字で救ったら、氷結公爵の溺愛が止まりません!』)
【後書き(完結のご挨拶)】
ここまでお読みいただき、本当に、本当にありがとうございました!
元・公認会計士のエレノアと、溺愛全開のヴィンセント公爵の物語、無事にハッピーエンドを迎えることができました!
毎日のPVや皆様からの温かい応援、そして**【ブックマーク】や【評価(☆☆☆☆☆)】**が、執筆の最大の原動力でした。心から感謝申し上げます!
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