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プロローグ
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記録によれば、その部屋は最初から存在していた。
誰が造ったのかは残っていない。
誰が最初に使ったのかも残っていない。
残っているのは、使われ続けているという事実だけだった。
部屋に時計はない。
窓もない。
不便だと言った記録もない。
扉だけがある。
扉は静かに開き、静かに閉じる。
誰かが出ていく。
誰かが戻ってくる。
戻ってきた者は、少しだけ静かになっている。
理由は記録されていない。
扉が開く。
「おかえり。」
誰かがそう言った。
誰が言ったのかは、残っていない。




