理音だって秘密はないーーーなんてことはない
理音は、少し黙った。
「どうした少年? ははん、さてはとうとう惚れたか。イヤー美少女なのも罪だねえ」
理音は答えなかった。追及するのは、やめることにした。
なにはともあれ、こうして無事に学校に通っている。警察の世話にもなっていない。
生還したから、それがすべて。
そして理音は、遼子に言うことにした。
「遼子さん、元気になりました?」
「……そうだね」
それだけ、遼子は言った。遼子はほほえんだ。
ことねはその様子を見て、言う。
「うん? 何かあった……まあいいや。そういえば聞いた? バスケ部、活動再開だって」
「あっそうなんだ」
「……へえ」
そういえば、そんな事情があったなと理音は思い出す。アレがなければ、理音はそっちで声だしとボール拾いの生活をしていたかもしれなかったのだが。
「リネくん、あっちと兼部するとか言わないでね」
理音は苦笑する。
「いや、しねえよ。あんな顧問もカジノに巻き込んで処分食らった集団」
「まあそうだよねーあんなおおごと……うんまって、顧問を巻き込んで? 初耳だよ?」
「あれ?」
しまった、と理音は思った。
「顧問の先生……たしかに、授業に来てないし、なんか病気療養にしては長いなと思ってたけど……えっ?」
理音は、苦笑する。ごまかし方を考えつつ。そういえばそうだった。なぜ、バスケ部が顧問生徒皆カジノに入って処分を食らったことを、理音が知っているのか。
敢えて理音は言わないことにする。
「……ふっ」
その様子を見て、遼子はいたずらっぽく笑った。




