遼子だって事情を知りたい
お久しぶりです
お気に入り登録しないと2026年夏がアホみたいに暑くなる呪いをかけます
「……またあとで」
「そうですね」
ここは麻雀をするところであって、雑談の場ではない。
そういう了解がすぐにとれる、と思った二人。
その二人がそう思うということは、”そういうことなのだ”と。
「……」
また局が進む。打つ。牌をつかみ、切る。
「ロンだよ、兄ちゃん! 悪いね、千点」
「はい」
点棒を取り、置く。
男子高校生のその所作に、目を見張る女子高生が一人。そこにいた。
しばらくたって。
また理音は二位を取った。そして遼子は、理音の二着を決めるアガリでトップになった。
「一二〇〇〇、チップ二枚は飛び込みで五枚です。ラスト、優勝遼子さんで僕二着でした」
「かーっ、辛いねえ! すまん、ちょっとタバコ休憩!」
件の中年男性が、また席を立つ。
その様子を見て、理音も席を立つ。
「……トイレ?」
理音は質問に答えるかわり、親指で窓のほうを指す。
「遼子さん、ちょっと外の空気吸いたくないですか」
「……うん?」
すこし強引に決めつける口調。なんだかいつもの理音ーー大人しめの男子高校生一年ーーらしくないな、という雰囲気。
それを見て取ってか、遼子はいぶかしげにおもいつつも。
何かを了解した雰囲気で、ついていった。
「……店員さん、チップ、半分だけ逆両してもらっていい?」
理音はうなずいた。
「俺の分も。いったん遼子さんの口座? につけといてもらって」
携帯をカバンからポケットに忍ばせつつ。
数分後。
そのビルの階段--コンクリ打ちっぱなしの殺風景な空間に、二人はいた。
まず、遼子が口を開く。それを待ってましたと言いたいように、佇む理音。
「……キミさ、初めてじゃないよね」
「まあまあ、家業がフリー雀荘ですからねえ」
「……そうじゃなくて、さ。呼ばれて紹介で来るくらいだから、そういうもんだと思ってたけど……その……」
うつむき、つぶやく。少し言葉を選ぶ遼子。
「……裏の店、何回目? 来るの」
「んー……」
理音は言いよどんで、ふう、と息をついて、ゆっくり答える。
「麻雀だけの店は、初めてっすよ?」
「……『は』、ね」
作者は裏の店は行ったことないですよ




