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バスケがしたいです(できない)

 だから、受験前、自分の進路を考えるにあたり、その道から『宝石』マスターという選択肢を外した。それを伝えたのが、今日の食卓でのこと。


 しばらく寿人は黙った。それから、そうかと一言だけつぶやいた。

「まあ……お前の自由だ。ほかに、したいことはあるのか?」

「バスケ部に入るつもりだったじゃん。何かスポーツ系の仕事できたらな、って思ってたんだけど……あ」

 思い出した。理音は、それも言うつもりだったのだ。

 どうせ父には知られているのかも、しれないけれど。

「そうだ、そのこともおリオンに聞きたかったんだ。お前、部活はどうするんだ? そのバスケ、できなくなったんだろ」

「ああ……あれか」

 もう理音は食事もデザートも食べつくした。残っていたコーヒーを飲み干し、席を立って理音は言った。

「これから考えるよ」

 何も考えてないし、考えたくもない、という気持ちを暗に込めた。


 

 酒井理音は、自他ともに認める不運な男子だ。もとより信号ではよく捕まるし、傘がないまま雨に降られることも日常茶飯事。

 麻雀をやれば、大抵ひどいことになる。配牌――ゲームはじめ、運任せに配られる手――がよかったと思ったこともない。父に教えられて、ルールは知っているし大抵の戦術もわかる――でも、それを楽しいと思ったことはあまりない。

 その極みが今日だ。本来、高校の授業が始まる素晴らしい一日。先日の入学式をすませ、弾む気分そのままに高校生活を始めるはずだった日。

 地域でそこそこ強豪な、バスケ部への入部も決めていた。先輩たちへの挨拶も考えていたところだった。だが、運命はその清々しさを消し飛ばす。

 顧問、および部長の逮捕。それを知らされたのが、まさかの入学式直後。

 つまり昨日。父の耳にもしっかり届いていた。

 ついてない、と理音はつぶやいた。


 理由は、よりにもよって理音が嫌う賭博だった。なんでも顧問が野球賭博やバカラに入れ込んでいて、あろうことか部長まで誘って闇の店に出入りしていたのがバレたらしい。証拠の残らない身内だけのやりとりならともかく、バッチリ証拠写真までついて学校に通報済み。あえなくバスケ部は活動停止となった。


 自室に戻り、理音はベッドに体を放り投げた。またため息。転がって、体を起こし、なんとなしに携帯をいじってまた転がる。

 通知に気付いた。

 授業はじめの日、学校のとある部屋に来てほしいとの内容。

 送信者、我孫子ことね。その名前に、理音は見覚えがあった。


資料として:今の新宿雀荘レートがどれくらいやばいかというと

鳴き祝一発裏2000Pの店ができちゃいました

赤3金3青3黒1の店があります(金=2赤 青=3赤 黒=5赤)

特殊牌を組み合わせて20枚オール~40枚オールが「普通に」出る店があります


まあ地域によっては点500一局清算の店とか2.0秋刀魚とか打てるけどそれは置いといて

(そういう店って大抵「裏ルール」とか「一見は打てない」だったりするから)

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