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準備は大変だし荷物は重い

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さもないとセット麻雀組んだ時に一人面子がドタキャンする呪いをかけます


 理音はじめ人見高校麻雀部一行は、合宿の準備をしていた。

 それぞれ荷物を抱えて、始業前の時間を使って部室にそれを運び込む。

 別に待ち合わせは決めていないものの、自然と四人は校門前で集合し、予定を話しながら部室のある建物へと向かう。

 予定といっても。ただひたすらに打つだけではあるが。

 さすがにずっと同じ卓を囲むわけにも行かないので、余興の工程も話し合っておくことに。

 何しよう。結構時間はある。

 四人いる。ビデオゲームをする? いや、さすがにそれは持ち込めない。テレビもモニターも部室にないし。

 テーブルゲームならどうか。一応理音は将棋・囲碁を知っている。

 けれど、その他三人は知らないといった。

 あっ、そういえば、この三人の趣味って麻雀以外に何かあるのか。

 以前と変わっていなければ、と理音は思い返す。

 階段を皆で登りながら。荷物の中身を話しあいながら。

 ことねの趣味は、ジャズを聞くことのはず。妙に渋いんよな、と理音はことねの顔を見る。

「どした?」

 ことねは聞く。いや別に、と理音は返す。

 女のこっぽいものをさすがに聞くようになっているのだろうか。あとでスマホのプレイリストでも見せてもらおう。


 ことね以外は?

「……何か、顔についてた?」

 ああごめんなさい、と理音は返す。

「遼子さんって何か趣味あるんです? これ以外に」

「……ん、趣味っていう趣味はないかな。部活以外はこ……」

「こ?」

「……これ、くらい」

 少し慌てた様子で、遼子は言葉をつづけた。

 さて、もう一人・部室である紗耶香は言うまでもない。麻雀、麻雀だろう。

 この間、少し理音は部活動に励むがてら、紗耶香の言動を観察してみた。

 荷物もすこし見てみたし、あの人って何してるんですか? とか遼子にも聞いてみる。

 むろん、本人とも色々話す。雑談がてら。

 まあ、麻雀・麻雀だ。三度の飯より牌を握る、暇があれば卓を麻雀する。麻雀が合ったら麻雀という具合。

 何を言っているのか分からないと思うが理音もよく分からない。

 少しして、四人は部室についた。持ってきたあれやこれやを放り込んで、鍵をかけて、解散。理音は皆にではまた、と挨拶して階段を下りた。 

 不思議だな、と理音は思う。三人の先輩。みな美少女で、楽しそうに日々を送っている。

 もうすこし、女子高生らしいことをしてもいいんじゃないの? と。

 麻雀に女性が携わるななんて炎上確定の言葉を吐くつもりは相当ないが。そもそも思ってすらいないが。

 いや、自分の知らないところで、それらしいことをしているのだろうか。

 女子高生らしいことってなんだろう。カフェでバイトしてみたり? アイドルの音楽を聴いてみたり。

 放課後はプリクラとかなんやら。


 あとは……恋バナ? あの人たち、彼氏いるのかな。

 ……いるの、か、な、あ?

「……」

 理音は手持無沙汰になった。意味もなく、階段横の壁を拳でついてみる。

 ちょっと聞いてみるか。

 まあ、合宿が始まれば聞く機会はあるだろうか。うん、夜は長いし。麻雀をやるなら、やっぱり夜が本番だし。それは違うか?

 ちなみに理音の家・雀荘『宝石』は絶賛深夜営業を行っている。あっ、そういえば夜番のバイト辞めちゃったんだっけ? どうするんだろ。

 ま、自分が気にすることでもないか。夜を……夜?

「えっ!?」

 おもわず理音は叫んだ。叫び声が階段にこだまし、五回六回と残響が。

 えっ? なんで自分気付かなかったの?

 男子一人に女子高生複数名が夜を一緒に過ごすだと?

 どうなってんの? 風紀? 大丈夫? えっ、なんでこれ通ってるの?


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