理音は部室にまた行きたい……?
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さもないと行きつけの店が閉店する呪いをかけます
次の日。通学途中の電車と教室で、理音はずっと部室のことを考えていた。
あくまでも、麻雀はそんなに好きじゃない。どちらかといえば運動部に入って青春したい。
中学では、がっつり部活で競技する、ということができなかったから。それでも、理音の頭には、ことねの声が引っかかっていた。
助けて、と。それを言われると気にせざるを得ないな、と理音は思った。
理音自身、人助けをすることはやぶさかでない。というより、人を助けざるを得ない環境であった。
母は、物心ついたころにはこの世を去っていた。麻雀店の手伝いなんて、本来子供がやってはいけないことをやっていたのも、父の負担を少しでも減らすためだ。
だからこそ、父のために麻雀を覚えて……。
と思ったところで、ふと理音の脳内に疑問が浮かぶ。
何のため?
自分は何のために麻雀を打つのかと理音は思った。正確には、昨日の麻雀部部室で。断ることだってできたはず。適当に打って、場を流すことだってできたはず。
なにより、家に帰ってから調整のためにネット麻雀をする理由だってなかった……。
だけど、自然と自分は卓についていた。真剣に考えて、それぞれの状況に応じて最適解を探していた。
なんで?
今、教室では帰宅時のホームルームが開かれている。学生生活の心得やらなんやら。校則とか、そんなことを教師が話している。
あまりそれが耳に入っていない理音であった。麻雀のことを、気付けば考えていた。
部室で、今日もことねたちは待っているのだろうか。あの紗耶香という先輩は、何を思っているのだろうか。
昨日、自分が麻雀部に入るつもりがないといったことを、どう反芻しているのだろう。
遼子という先輩は、飲み物を用意していたりするのだろうか。
そして、もう一度考える。
自分は何で麻雀を打った? もっと正確になろう。今、何で麻雀のことを考えている?
まさか……打ちたい? もう一度?
いや……いずれにせよ、自分はもう一度部室に行かなきゃならないと思った。
そうだ。そっちには売店もある。売店にどんな飲み物があるか知りたい。そのために行ってもいいだろう。
部室棟を見学するのだって、悪くない。どんな部活があるか調べるのだって、いいはずだ。
だから。
今週の戦果
ピン東80本ほど
J店+25000
S店-11000
P店+92000