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逃げる③

どうしよう。怖い。本当に怖いと涙が出るのを通り越して小刻みに震えて固まって動けなくなるものなのね。


馬の足音がする。

馬車じゃない!


息を潜めてじっと草が生い茂っている木の陰に隠れていたら、馬に乗った騎士が2名通り過ぎて行った…


追っ手⁈更に小刻みに震える。


完全に通り過ぎてからフレッドが私に小声で囁いた。

「ハミル兵ではないと思います」


え?ハミル兵ではない?

「ちらと見えたが…あれはドーソン兵だではないかと。ただ自信がないので黙っていました」


ドーソン兵?

じゃあ味方⁈


「あと少しです。頑張りましょう!」

「フレッド、腰が抜けちゃったから立てない!どうしよう」


でもさすがフレッド。

何度か深呼吸させられて、水を飲むように言われて、更に座ったまま手足をぷらぷら〜とゆすって動かすように言われたら…あら不思議。立てるようになった!


「最初は小幅で」

おー、さすが。よちよち歩きで歩いていたら普通に歩けるようになったわ!


「凄い!よくこんなの知ってるわね!」と私が感嘆したら、「複数での任務中にまだ若い仲間がこうなることがありますから…」と。なるほどー!


相変わらず内股は擦れて痛いし、足も多分豆が潰れていると思う。辛くて辛くて惰性で歩いているのは否めないけど、あともう少しでドーソン公爵領に着くと思うと頑張りようがある。


「見えて来ましたよ、関所です」


ああ!見えて来た!

近そうだけどあと2kmはあると思う。あと2km…今の私だと30分かかる距離。


「菜那様、急いで!」


あと1kmを切った時にフレッドが私に声をかけて手を引っ張る。


「後ろから騎馬が来ます!急いで!」


怖い!足がもつれそうだけど、とにかく走った。勿論今の私は走っているつもりでも走るというには程遠くて、元気な人が歩いているより遅いかもしれない。


1kmなんて走れば5分もかからない距離なのに。


フレッドが私を引っ張る。私は必死でフルスロットルで走る。


関所の兵が見える!

あと少し!

あと少し!


馬の駆ける音がどんどん近付いてくる!

「菜那様、このまま走り続けて!」

フレッドが手を離し剣を抜く。

「早く!」


はいという返事すら出来ず、ひたすら走る。足がもつれそうだけど転ける訳にはいかない!


関所の兵がこちらへ向かって来た!

「助けて」

もう限界過ぎてそれしか声が出ない。


後ろでは剣の音が聞こえる。

フレッド!生きて!お願い!


関所にはハミル兵とドーソン兵両方詰めていると馬上でフレッドに聞いていた。来た兵は鎧から見るに両方みたい。


「お前は誰だ⁈」

私に声をかけてきたのはドーソン兵!ハミル兵じゃなかったのは幸運以上の何物でもない!


「助けてください!ドーソン公爵家の者です!攫われましたが逃げて来ました」

「え」

「私は女神の化身です」


自分で言うのは嫌だったけど、そうも言っていられない。


ドーソン兵が笛を鳴らすと、ドーソン兵が大量に関所から出て来た!

「あれは誰ですか?」

「私を助けてくれた人です!」


出て来たドーソン兵はフレッドを応援してくれ、追っ手は一旦引いたけれど…まだ向こうの方で待機してる…。


フレッドは何箇所か切られて怪我をしてる!死んだりしない?どうしよう!

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