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(コジロー談②
風船畑の丘の上。
「本当に良かったの?」
ツバメはコジローに訊ねた。
「仕方ないよ、僕らにも何が起きているのかわからない」
コジローは両脇に2本ずつ差した短刀の一つを抜いて振った。
「僕は、コレじゃないはずだ」
「そうね」
「お2人が存在していることは変わらないはずだ、現に僕は殺せなかった」
「そうね」
「風船畑を歩いているね、まっすぐに」
「そうね」
ティアラとカンムリが歩く道、触れた側から風船が飛んでゆく。
コジローは風船に触れた。
「飛んでいきもしないね」
「そうね」
「何と言っていいか、不思議な気分だ、風船が飛ぶたびに、胸が苦しいよ」
「そうね」
「でも飛ばない風船もある」
「そうね」
「どうなってるんだろうね」
「ここはそういうところかしら」
「お2人に幸運が待っていますように祈ろう」
ツバメはコジローの刀を見た。
「そうね」
コジローの両脇には長刀が1本ずつ差してあった。




