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生命の天秤・5

村役場のロビーに行くと黄泉下り人の姿は無く、そこには28人分の服が残されていた。


帰庭村は村人が全員居なくなり廃村となった。



************



ミステリーツアー流行って居るそうね。

帰庭村の死者のよみがえり。そして全員の神隠し。

よみがえったパートナーと共に天国に旅立ったのだ!など毎日のようにワイドショー、雑誌で特集をやっていた。


世界的にも注目を集めた。

生命の天秤の山は監視の為、国の所有地とし立ち入り禁止とした。


帰庭村は県が観光化した。

毎年世界から何十万人も訪れる名所となった。

世界一のパワースポットと評判だ。

会いたい人の遺影を持ってこの村に泊まれは、必ず夢で逢いに来てくれる。っという話しが更に客を呼んだ。

やがてここは“天国に一番近い村”と呼ばれるようになった。


************


「今回はなんかやり切れない思いなのよ」

「そうだね、後味が悪いね」

「でも亡くなった人達は、会いたい人に逢えたから良かったと思うよ」


「お母さんはお父さんに逢いたい?」

「ちゃんとさよならしたし、心の整理は付いてるから無いわね」

「ドライね」

「そんなもんよ」

「そうかなぁ・・・」

(そこで俺を見るのはやめて欲しい)


「あそこはもう大丈夫なのかしら?」

「要監視ね。無理矢理思いエネルギーをかけて天秤を固定しているだけでだからね」

「バランス良く釣り合っていれば良いのにね」

「だから封印していた石祠がいいのよ。その祠の中で循環するから、天秤もバランス良く吊り合うのよ」

「なるほどねぇ」


5日ほどこっちで過ごして俺と結は沖縄に戻った。


************


数年に一度、帰庭村の山の方で裸の人の目撃される。

その度、我々がこっそり確認しに行っている。

廃村になった途端に、何十万人も訪れる地になったとは何とも皮肉な話しだ。


最近は観光客相手に商売をやる人も増え、その人達の希望で村の復活運動が盛んになって来た。

裏の情報によると、来年からまた村にしようか検討して居るそうだ。

それを聞いて、モヤモヤしたものを感じた。

何とも後味の悪い事件だった。







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