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レベル255の魔法少女  作者: パラドックス
第二章 第一版世界
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資本家の志穂


「一体何があったんだい?」


 マキャファートは志穂に問うた。


「そうね、新たな敵。新たな道具。新たな能力かしらね」


 志穂はマキャファートの問いにしっかりと答えずわざと再び問い質すような答え方をした。

「……。まず、新たな敵から訊こう。誰だい?新たな敵は」

「名前はヴィルと言ったわ。」

「……?それだけ?」

「何か手が剣に変形したわ」

「変化とは?」

「何かこうぐにゃぐにゃと、手首から先が剣に変わって」

「……ぐにゃぐにゃね。もしかしてだけど、電磁フィールドを相手は使った?」

「そう言えば、そうね。ええ使ったわ。マキャファートのよりかは範囲は小さいけど」

「……そうか。……ヤツラもそこまできたか。

 で、新たな道具って?」

「さっき言った劣化電磁フィールドのことよ」

「そう。じゃ、新たな能力は?」

「私のことよ。何か群青の光がこう、私を包んで。まぁ、ピンチの時に新たな能力が開花したってことよ」

「……なるほどね。志穂の新たな能力か。

 志穂、それはね『特性』だよ」

「特性?」

「そう、特性。特性『適応化』つまり適応力がついたんだよ。

 水中だろうと、宇宙空間だろうと、息が出来るというか、活動できる」

「だから、大丈夫だったのね」

 マキャファートは志穂の呟きに問いかけはしなかった。

「それと、マキャファート。電磁フィールドって誰にでもできるの?そういうアプリとかないの」

「ないよ。それに誰にでも出来る訳ではない。

 おそらくヤツラがその技術に追い付いたってことかな」

「追い付けるほどの簡単な技術なの?」

「いや、そうではない。そうではないんだけど、ヤツラが追い付いたとしか言えないかな」

「そう、残念ね。いつでもどこでも電磁フィールドが展開できたら、いつでもどこでも魔法少女になれるのに」

「君はいつでもどこでも魔法少女になって何をする気だい?」

「まぁ、経験値稼ぎとか。そうそあ私の経験値どうなってる?かけら手に入れられた?」

「……いや、まったく変わりはないよ。そもそも経験値のかけらを手に入れるなら目の前に経験値のかけらがあるはずだ。それを手に入れてないのなら経験値も変わらん」

「……そう。そっか、変わってないのか」

「……何も君が焦る必要はないよ」


「……焦るわよ」


「しかし、ヤツラまさか各個撃破を狙いに来るとは。なんとか対策を考えなくては」

「別にいいんじゃない。私以外、皆強いんだから」

「……志穂?」

「莉音とすみれは言わずもがな。美春は麻痺とか相手にとったら厄介でしょうし、千代子も一人で戦えるほど強いし。

 私くらいなのもんよ。弱いのわ」

「……君が何を感じてるのか知らないが、君はチームにとって必要だ。」

「別に私の代わりはなんとかなるでしょ。千代子とか」

「千代子のロールは遊撃だ。近接じゃない。それに君みたいに青天井のダメージを与える者はいない。」

「それは連撃という条件下ででしょ。すみれみたいに最初から大ダメージを与えるわけではない」


「贅沢だよそれは」


「悪いわね。資本家の志穂で」


「……」

「……」

「志穂、君は君の役割をはたしてくれ」

「何よ、最初私を魔法少女に勧誘したとき、莉音のついでにって誘ったくせに」

「まさか、ついでなんかじゃないさ。役割が」

「はいはい、わかったわよ」

 そうマキャファートをあしらって志穂はその場を立ち去ろうとした。

「志穂、君は強い娘だと思ってたよ」

 志穂はそれには答えずマキャファートを背にして自宅に帰った。


(マキャファート、あなたにはもう信用というものがなくなった。

 あなたの言うことはなんだか信用できない。

 おそらくだけど、すみれを利用した。

 あれからもう信用できない。

 私達はマキャファートにとって駒なのでしょ)






 ヴィルはとある場所に帰った。

 誰にも知られない場所に。

「…………まずいな。各個撃破に失敗してしまった。あいつらは対策をとるだろう。緊密な連携というか連絡をとってしまっては再び各個撃破を狙うのは難しいだろう」

 ヴィルはふと、思い出す。

 マキャファートから突き付けられた交渉を。

「…………あれには屈してはいけない。ならば」

 ヴィルはひとつ案を浮かべる。


「…………チームの崩壊」







 マキャファートは志穂が行ったあとの広場に佇まってた。

「まったく、交渉の余地をあげたのに。バカだね。

 だけど、ヤツラもその段階にきたか。うーん、こっちもなんとかできたらいいんだけど」


「こちらも交渉を待たず、やるか」





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