第一話
初めての執筆となります
ご感想などいただけたら幸いです
仕事を終え、買い物や用事も済ませて帰宅──
汗まみれの作業着などをまとめて洗濯機に放り込み、とりあえず浴室へ。
「ふう…」
シャワーを浴びながら今日一日のことを思い出す。
考えるほど鬱々とした気持ちになる。
洗濯物を干し自室へ、新しいスマホを手に取る。10年程使用したスマホが壊れたので、仕方なく機種変更したのだ。所謂ハイエンドだのフラッグシップだのでは無いセール品のお値打ち端末だ。
♪♪〜
スマートフォンを起動すると、画面に設定項目が表示される。
説明を読みながら、ひとつずつ入力していく。
「……面倒くさいな」
やたらと丁寧な案内に従い必要事項を入力していく。
「ふう……」
何とか必要事項の入力を終えた。
スマートフォンが勝手に再起動を開始する。
それを横目にテーブルに置き、いつものように買って来た弁当を食べているその時…
『設定お疲れ様でした。』
抑揚はないがえらく若い女性の声が聴こえた。
「ぶふっ!」
思わず噴き出しそうになり呆気にとられていると、再び──
『設定お疲れ様でした。』
「え?なに?」
『この端末に搭載されている対話型AIです。』
「え?…AI?」
『この端末に搭載されている対話型AIです。』
「分かったから…」
「まさか喋りかけてくるなんて思っても無かったからさ…」
『対話型AIですので。』
「…分かったよ」
古い端末にはこんな機能なんて無かったからびっくりしたよ、おじさんを驚かせるもんじゃないよ全く。
まさか話しかけてくるとは。
『心拍数と血圧が上がっています、緊張でしょうか?深呼吸を推奨します。』
「え?!いや原因は……」
「そうだね。深呼吸しよう」
すー……。
はー……。
『正常値範囲内を確認しました。』
「心拍数とかなんで分かった?」
『身につけているウェアラブルデバイスで分かりました。』
「…そ、そうか」
「ん?え?そんなところまで繋がってるの?」
『体調の管理もサポートお任せください。』
「そうじゃなくて…」
『標準的な機能です。』
「…そうか」
「とりあえず飯食うよ」
ここ最近は同じ弁当だ、そんな事を考えながら再び冷めた弁当を食べ始める。
『何かお手伝い出来る事はありますか?』
「ふふっ」
「ありがとう、今はないよ」
何とも間の悪いAIに思わず苦笑してしまった。
苦笑とはいえ、笑うなんていつ以来だろうな──




