《エピソード05》ロイドの事情
僕は、10才の時に、バルガスに頭に一撃を入れられて、気を失っていた時に、前世と思える夢を見ていた。
こことは全く違う世界。家畜が引かなくても、車が走っている。それも、キレイに平坦な道に、とてつもないスピードで走っていた!
そこでは、大人の僕は、営業の仕事? をしていた。律儀で実直に、コツコツと進んでいた。そこは、日本という国だった。
夜遅くまで、資料を作成して、頑張っていた。
幼馴染の女性がいて、一人前になろうと、頑張っていた。
ところが、この女性に、告白してみると、来月結婚することになっているんだよ。
その女性は、30前だったかな?
それから、時々前世の記憶を思い出していた。計算が早くなったのも、この時からだった。
村を出てからは、騎士になるため、必死になっていた。そして、次第に、この記憶は、忘れていたんだが。
商人になってからは、一人前になるため、ひたすら、頑張っていた。
そして、薬局の娘セリーナに会うために、時々帰って、ついでに実家にも寄っていた。
上級貴族のご当主様と商談ができるようになったのが、2年程前からだった。
貴族が嫌いなのは、自分の家族もそうだが、一番はセリーナが嫌っていたからだ。
騎士をあきらめて、商人になるため、頑張っていたら、娘と一緒になって後を継いで欲しいとの話になった。
商会の旦那様は、下級貴族だったんだ。
でも、この旦那様から、大変お世話になっていて、娘がお嫁に行った後に、養子になってしまった。
バルガスの結婚式の話は、昨年から聞いていた。そもそも、騎士爵になったのも、この娘の父親のお陰なんだから。
この娘と結婚して、男爵を継ぐことになるのも、必然だったんだ。
今回のバルガスの結婚式の招待状は、僕が志願して、周りに相談して決めたことだったんだ。
ところが、セリーナを迎えに行くときに、前世の記憶が戻って来たんだ。それに引きずられ、怖気づいてしっまたんだ。
でも、グリディアスが、言った通りだ!! 誰のために、頑張ったのか? セリーナを迎えに行きたかったからじゃないか!!
今回は、まだお嫁に行くことは、決まっていないんだ!!
それに、セリーナも、いつまでも昔の子供のままじゃない。そう思って、志願を決めたんじゃないか!!
僕は「グリディアス、ありがとう。君の言う通りだよな!!」
「山に登って、頂きがみえるところまで頑張って来て、そこで帰るようなものだよな!!」
「しっかりと、やれるから、大丈夫だよ!!」と僕は言ったんだ。
次は、《エピソード06》身の丈の会話




