幻の踊りを受け継ぐ者
あなた達は自由ですか?
それとも操られてますか?
鑑賞用BGM(√64階から):https://www.youtube.com/watch?v=Qy9gkL1OMMs&list=PLi-6XpVmSv0Y5huB1aC66mdPmD_cUEy6x&index=4
鑑賞用BGM(テルアビブ近海から):https://www.youtube.com/watch?v=Z-gYvtO3fig&list=RDGMEMXdNDEg4wQ96My0DhjI-cIg&start_radio=1&rv=7LCyslzt3UU
鑑賞用BGM(ブルックリン大学構内から):https://www.youtube.com/watch?v=GLowH7TwDR0
~√64階~
~エレベーターの近く~
「レ、レイカ達はまだ!?」
「メチャクチャ撃って来てんだけどぉ!」
葵はテーブルの下に伏せながら、同じく伏せているミレイアを揺さぶった。
「……もしレイカさん達勝っているとしても、あの場所から2㎞は離れています……!」
「それまではなんとか凌ぐしかありません……!」
「葵さん!何か攻撃技とか無いんですか!?」
「私は修行をサボっていたから……回復やフィールドサポートは出来るけど、攻撃技はありましぇぇぇ〜ん!!」
「えぇ……」
「なので助けてちゃんミレ!」
現代日本プレッパーズにおいて、このレベルのダメなアラサー女は標準ラインです。
では10代のちゃんミレお願いします。
『(……私がやるしか無い!)』
『(無いんだ!)』
ミレイアは地を這うように、ゆっくりと腕を立て始める。
『ハボジ・ア・ハイア!』
側転するかのような彼女の足の動きは、大隊兵の意識を即座に刈り取った。
兵士の一人がミレイアに組み付こうとする。
『カベサーダ!!』
彼女の強烈な頭突きが兵士の胸部アーマーに直撃し、砕け散った。
葵は頭を抱えながらつぶやく。
「すっごぉ~~……」
「なんて石頭……!」
「……あっ!ちゃんミレ!後ろ!!」
ミレイアの背後から別の隊員が銃床で襲い掛かる。
『アルマーダ!』
彼女は独特のリズムを身体を揺らしながら回転させ、後ろ回し蹴りで敵を吹き飛ばした。
『(あの時と同じ状況……!)』
『(ファヴェーラで……叔父さんが【肉挽き器】の部下達に殺された時と……!)』
『(でも!!)』
彼女の身体が躍動し、宙に舞う。
風車の様な蹴りが、隊員達を別々の方向へ吹き飛ばした。
『──!』
彼女を銃撃が襲う。
だが、左右に低く揺れる彼女の身体には弾が当たらなかった。
『エングレナージン』
彼女は隊員達へ襲い掛かり、歯車が回転するかの様に次々と蹴り倒して行った。
「すっ、すっげ~……ちゃんミレ……」
「私があんなのやろうとしたら、股関節壊れちゃうでしょ……」
葵の後頭部に銃口が突き付けられる。
「あっ……」
彼女は隊員に襟首を掴まれ、ミレイアへ見せつけるように立たされた。
『このニガーめ!!』
『今すぐ投降しなかれば、このジャップの脳みそを吹っ飛ばすぞ!!』
「あっ、葵さん……!!」
しかし、閃光と共に隊員の首から上は吹き飛んだ。
葵は少し漏らした。
『やれやれ……』
『世話の焼ける連中だな』
『エスティアさん!』
『しかし、凄いなお前……』
『これを全部素手で倒したのか?』
『はい!』
『強めにやったので、暫く起き上がってこれないと思います!』
『(コイツは敵に回さない様にしよう)』
続いて銃を持ったクエイドが、レイカと高っちゃんが走ってやって来る。
『皆さん!!ご無事だったんですね!!』
『当たり前や、こないな場所で死んで溜まるかいな!』
レイカはミレイアの背中を軽く叩いた。
高っちゃんはモストマスキュラーのポーズと笑顔で答えた。
「はひぃ~……た、助かった……!」
「おー葵ちゃん」
「ショーツの方は大丈夫か?」
「残念ながらダメでした」
「私もう28なのに」
「40過ぎたら別の理由で漏らし始めるから」
「それまでの辛抱や」
「慰めになってないってぇ!」
レイカは大笑いし、ミレイア達も笑った。
その時【機甲降下猟兵大隊】の一部隊が、ドアを開けて乱入して来た。
『!』
『良くもやってくれ……』
「遅いわ」
小隊長格の女にレイカは刀を突きつけ、クエイドが足を掛けて転ばせた。
『スシの上のネタになりたいか?あ??』
『……動くな!動いたらコイツの首トぶで』
他の隊員達は動きを止め、レイカ達と対峙する。
しかし、ミレイアはレイカの横に立って言う。
「?」
「何する積りや、ミレイア」
「……交渉して、この人達に撤退して貰おうかと」
「──オモロそうやんけ」
「やってみぃや」
「通訳したる」
「はい!ありがとうございます!」
ミレイアは隊長格の女に向かって言う。
『私達は貴方達を殺しに、このダンジョンへ来たワケじゃありません』
『おカネを稼ぐ為に潜っているんです』
『……信じられん!』
『お前達は俺達から利権を奪い、皆殺しにする様……ユダヤ人の女に言われて来たんだろうが……!』
『それは一体誰が……?』
『……大幹部のジェルジンスキ様だ』
エスティアの眉がピクリと動く。
『(……厄介な名前が出て来たな)』
『(連中の洗脳を解くのは難しいぞ、ミレイア)』
だが、ミレイアは彼女の方を振り向いて、笑顔のまま言う。
『エスティアさん!』
『そろそろ変装を解いて、私達の正体を明らかにしましょう!』
『──!!』
『ふ、ふ、ふ……お前はホントに強くて賢いな!』
エスティアが手を振ると、レイカ達は光の粒子に包まれ、姿を変えて行く。
隊員達は驚き、マスクを外して目を丸くする。
そこには多国籍パーティーではなく、純粋な西欧人のパーティーが現れていた。
『私達はワケあって、大統領府の命令でダンジョンに潜っているんです』
『ここで起きてしまった事故は、必ず然るべき場所を通して賠償致しますので』
『……お前達、全員白人だったのか……!?』
『どう言う事だ、ジェルジンスキ様は情報を間違えたのか……?』
『実は……ワザと情報を流していまして……』
『クソっ、そういう事だったのか……』
『ムダな犠牲を出す所だった、感謝する!』
『これも刀じゃなくて、剣だしな……』
隊長格の女は、光学迷彩で姿を変えたレイカを見上げて言う。
『さぞかし名のある女騎士とお見受けする』
『お名前を聞かせて頂いても?』
レイカは目線をミレイアに送る。
『(コレ、演技せんとダメか??)』
『(戦闘回避の為にも、お願いします!!)』
『(圧強いわぁ……)』
レイカは咳払いし、立ち上がりながら下の女に向かって言う。
『カレン・ソードヘッドランド6世や(適当)』
エスティアは天井を向いて笑いを堪えた。
『カレンさん……』
『私はその強さに惚れてしまった』
『アッハイ』
隊長格の女はメットとマスクを脱ぐ。
すげぇ美女顔と長い金髪が現れた。
『私の顔を覚えておいて下さい』
『まだ弱輩の身ですが、必ず成り上がって魅せます』
『そしていつかまた、戦場でお会いしましょう……』
彼女はレイカの手を取って口づけする。
『(騙して惚れられるのは、何か気が引けるわ……)』
そして、彼女は部下達に撤収の合図を出した。
ミレイアはその場を去ろうとする彼女達へ、呼び掛ける様に言う。
『あなた達は自由ですか?』
『それとも操られてますか?』
『……別に操られていても良い』
『アーデルハイド様にはそれだけの魅力がある』
『命を賭ける理由もな』
『……そうですか』
『良い上司を持ったな』
『大切にするんだぞ、少女』
彼女達は勘違いしたまま、倒れた仲間達を回収して何処かへと撤退して行った。
~地中海東岸~
~テルアビブ近海~
《全機に告ぐ》
《【フォーメーションD】》
ファルネーゼが率いる水色の戦闘ロボット部隊は、迫り来るミサイルと戦闘機の群れを前にして、三角錐の陣形を取る。
三角錐の頂点には、肩部に中世貴族の紋章が施された機体が頭を出す。
澄み渡る様な、それでいて可愛げのある声が部隊に響き渡る。
《全機、一斉射撃開始》
ビームライフルからレーザーが円錐状に放たれ、ミサイルが消し飛ばされて行く。
爆発の後ろから、IDFの戦闘機隊が戦闘ロボット部隊へ攻撃を仕掛けて来る。
《全機、近接射撃装備展開》
《【フォーメーションB】》
部隊は二つの輪形陣を取ると、それぞれ逆に回転しながら実弾を放って行く。
それは正に統制された芸術だった。
『一体何なんだ連中は!』
『トウキョウを襲撃した奴等の一派か!?』
IDFの戦闘機隊が射撃の壁を避けてターンした、その瞬間だった。
戦闘ロボット部隊は、雁行の陣形を即座に取り始める。
《全機【加速ブースター】起動》
《【フォーメーションH】》
《敵戦闘機隊を海へ追い落とすので》
戦闘ロボット部隊の雁行陣は鉈を振るう様に、IDFの戦闘機を次々と撃墜して行く。
その時大震動が発生し、海面から巨大な防壁がせり上がり始める。
白く分厚い防壁は水平線や地平線まで続き、高層ビルより高く、何処までも伸び始めていた。
《アレが噂に聞く、中東最強の防衛アイテム【イェリコ・ウォール】ですか……》
《余程自分達のテリトリーに我々を入れたくない、と見えますので》
《ですが……ので》
青と黄色のツートンカラーでペイントされた機体は、せり上がる壁に沿って急速に上昇した。
《【ファルシオン】第二段階起動》
《《ファイブ・アクセル》》
直後、機体の姿が消える。
機体は壁の上に飛び石の様に出現し、更に壁を越えて市街地へ侵入した。
すかさず、IDFの対空レーザー網が再起動する。
《遅い。そして甘いですので》
《その程度、予測出来ていますので》
【ファルシオン】はテルアビブ上空の空間を連続ジャンプして、レーザーの包囲をすり抜ける。
《【【ファルシオン】第三段階起動】》
《【《エアエレメンツ》】》
機体が通り過ぎた場所が、巨大な風の刃で切り刻まれまくる。
《【【テンペスタカノン】起動】》
《【《デコンポジション》】》
黄緑色のエネルギー弾が防壁へ直撃する。
直後真空の刃が防壁をランダムに切り刻み、分子レベルで吹き飛ばして行く。
《全機、私に続いてエネルギー施設と港湾設備……》
《そして高層ビルやホテル、艦船の破壊を》
《作戦時間は当初の計画通り15分ですので》
《《《了解致しました。ファルネーゼ様》》》
水色の機体達が神話の大防壁に空いた穴から整然と突入し、周到に計画された破壊行動が始まった。
~10分後~
~ニューヨーク市内~
~ブルックリンカレッジ構内~
一組の男女がベンチに座っていた。
優男は笑顔を崩さず動画を楽しみ、眼鏡の女は苦しそうな表情で俯いていた。
『ファルネーゼ、進捗はどうですか?』
《極めて順調ですので。デーフェンテルCEO》
《港湾施設の8割、市街地の6割の破壊に成功していますので》
《IDFの防空網も沈黙させましたので》
『流石はファルネーゼです』
『常に期待した以上の手際を示してくれますね』
《お褒めに預かり光栄でございますので》
眼鏡の女は優男へ言う。
『……名門ファルネーゼ家まで掌握しているとは……』
『もう何もかもお前の掌の上、か……ラロシェル……』
『ハハ……失礼ですが、ご発言を改めて頂けますか?ミス・カウフマン』
呼び方のランクが【女史】から【ミス】へ下がった。
もう要注意ですぜ。
『彼女は【エグレゴール】のイタリア支社において、入社試験をトップで通過して来ました』
『更にはエアロバティックス(※1)の世界選手権王者です』
『そんな彼女が私の元で働く事を望み、そして私も彼女が我が社で働く事を望んでいる……』
『つまり、極めて健全なビジネス関係と契約関係にあるのです』
そう、問題なのはその業務だけだ。
『……!』
『私に詫びる必要はありません』
『ですが、彼女には詫びて頂きたい』
人の祖国を破壊している最中に、この言い草である。
『……っ』
『何故、何故この最中にも……同胞を殺されている私が……』
『それはそれ、これはこれです』
『戦争と個人の名誉は別の話です』
エリシェバは二の句が次げず、拳を握り締めた。
ファルネーゼの澄み切り、愛嬌のある声が響く。
《デーフェンテルCEO》
《私は自分がどう思われようと、私は全く気にしてませんので》
被害者を気にしては下さいので。
『そうですか』
『当事者である貴女がそう言うのなら、それで良しとしましょうか』
さり気なく他人事ムーヴだ。
全くスゲェぜ、こいつ等。
『で』
『答えは決まりましたか?』
『……我々は【エグレゴール】に対し、税制の優遇措置と法適用の緩和を……』
【話になりませんね、ミス・カウフマン】
【先程から私は【降伏するのか?】、と聞いているのです】
『……っ……!』
【あのケンザキ氏なら……迷う事など無く、そして気持ち良くその場で即答したでしょう】
【答えが何であるにせよ……】
【そこが彼女と貴女の最大の差です】
エリシェバの瞳孔が震え、唇は噛み締められ、掌からは血が出ていた。
ラロシェルの顔は優し気かつ涼し気だったが、紫色の瞳は横の女を完全に見切っていた。
『私の権限と立場……そしてコネクションで出来る限界はここまでなんだ……!!』
『私の発言には、一千万の民の生命・財産が掛かっている……!』
『国家組織に属していない、ケンザキの様に自由な発言や行動が出来るワケが無い!!』
【貴女には失望しましたよ、カウフマン】
『……!?』
遂に呼び捨てだ。
今日はヒデェ一日になるぜ……まだ始まったばかりだが。
【背負うのは常に他者では無く、自分の人生と生き様です】
【これはあのアーデルハイドですら分かっている事ですよ】
【貴女の眼鏡は安泰さの内に、曇ってしまった様ですね】
『……っ……』
【元々大組織や集団から、強力な個人への流れはありましたが……】
【アイテムとダンジョンの出現で、それが決定的になりました】
【ケンザキ氏達の様な才能も、それらが無ければ片田舎や裏社会に埋もれていたでしょう……】
【アーデルハイド達についても、その流れが汚泥を掘り起こしてしまったからです】
『わ、私が【流れ】に抗うのは……無駄だと言いたいのか……』
エリシェバの唇が震える。
【無駄どころか愚かの極みです】
【この流れを仕掛けているのは、人類文明そのものと【創造神】……】
【貴女はこのままだと奔流と濁流に呑まれ、溺れ死ぬ運命にある】
【私は寧ろ、救いの手を貴女に差し伸べている……】
紫色の瞳が妖しい煌めきを放ち始めていた。
様子を見ていたモサド諜報員の一人が銃を構え、ラロシェルへ向ける。
『そこまでだ!!』
『それ以上コイツの話を聞くなカウフマン!!』
『コイツの言いなりになれば、また俺達は土地を失い……世界を流浪する羽目になる!!』
それは半ば正しく……
そして半ば間違っていた。
【おやおやおやおや……】
【今、私はカウフマンと話をしているのですよ】
【ペナルティです】
【【セムヤザの仮面】第二段階起動】
【《自由なき操り人形》】
諜報員の手足は糸人形にされた様に、あべこべな方向へ動き始める。
そして、エリシェバの身体も硬直した様に動かなくなる。
【歴史において、土地・領土を失った民族など無数に居ます】
【それでも同化・婚姻を繰り返し、または交渉や取引でその血を繋いで来た……】
【更に言うと……貴方達ユダヤ人は既に多くのモノを与えられているでは無いですか】
【西側の一般市民達が多くを奪われているのとは対照的です】
操られた諜報員はエリシェバに銃を渡してしまった。
【私は文明の急速な進歩を望んではいますが……】
【同時に利益や資源の再分配も望んでいます】
【そして、それには非常に精密かつ正確な作業を要する……】
『ま、まさか……』
彼女は糸に引っ張られた様に立ち上がってしまい、諜報員の額に銃を突きつけた。
ラロシェルは立ち上がり、彼女の横で両手を広げて見せる。
【はい】
【それが出来るのは私しかいないのです】
【この《ラロシェル・ファン・デーフェンテル》しか】
なんという傲慢さ。なんという自信。なんという強欲。
しかし、それらは全て彼の持つ巨大な力と、極めて高い能力に裏打ちされていた。
【さて……もう一度聞きましょう】
【私に降伏しますか?カウフマン】
諜報員の男は目で語っていた。
【決して屈服するな】と。
『私は……私は降伏しない……!』
『私自身の為に……!!』
【宜しい】
【『私自身の為』、その言葉を待っていました】
ラロシェルは指を動かす。
同時にエリシェバの指が引き金を引き、諜報員の男は撃ち殺された。
【ようやく貴女は交渉のスタートラインに立てました】
【次の攻撃は47時間後。それまでに良く回答を考えておいて下さい】
エリシェバに体の自由が戻る。
彼女はその場で崩れ落ちた。
『ごめんなさい……!私の……私のせいで……!』
彼女は諜報員の死体を抱きかかえ、号泣しながら泣きついた。
そして、ラロシェルは元から居なかったかのように、何時の間にか姿を消していた。
※1 こんなの。https://www.youtube.com/watch?v=OFjsCdJhr58
ヘリでもやってます。https://www.redbull.com/jp-ja/videos/inverted-heli
はい。
レイやんはまた女の子のハートをキャッチしたな。
女騎士に変装した女サムライとか、もう犯罪なんだよなぁ。
女の目にはレイやんは腕の立つ、超美形茶髪モデル系女騎士に映っています。
そら、そんなの出世の誓いを立ててキスしちゃうよ。
ちゃんミレ、最高に爽やかだな……
レイやん達との探索を心から楽しんでるのが分かる。
そして彼女の隊員達に対する問いかけが本当に深い。
コレはアメリカ人どころか、現代人全体に対する問いかけにも取れる。
戦い方も凄くスタイリッシュ&アクロバティックでカッコイイ。
躍動って言葉が彼女にはピッタリだと思う。
因みに彼女の身長は171なので、想像以上に動きの迫力がある。
足はかなり長く、日本人標準体型からはかけ離れています。
そして遂にラロシェルがエリちを泣かしました。
もうさ、ホントにお前……
あの四十万が虐められたくらいなので、感情を抑えがちなエリちは格好の餌食ですね。
イチカとは絶対会わせたくねぇな、コイツ……
多分、自分から会いに来るんだろうけども。
レイやんが知ったらもう無事じゃ済まねぇな、この仮面。
知らなくても大体予想付いてるっぽいけど。
ダンジョンから帰還したら、やる事はエリちを元気づける事だと思います。
でも存分にレイカ達へ甘えて良い。それが仲間やし。
ただ、こんなんで泣いちゃうエリちも少し諜報員として問題がある。
でも背負ってる重荷がハンパないからな、エリち……
自分の無力さやそれで犠牲が出るのを突き付けられるのは、一番堪えると思う。
某四十万みたいに、風俗やメタルで発散出来るワケでも無いから可哀想だ。
四十万はメンタルコントロールに関して超一流なんですよねぇ。
ただ、イチカが絡むと完全におかしくなる。いや普段から大分おかしいな……
話が脱線した。
ラロシェルの言っている事自体は間違っていない所か、理屈や道理としては完全に正しい。
ただ、エリちを気遣う積りが全くないというか、ワザと追い詰めている。
何処までも計算高いヤツだ。
彼の当面の目的を集約すると、【国民国家という概念の破壊】です。
彼は企業国家という新しい概念を創り出し、世界トップクラスの経済力と最先端の技術力、そしてアイテムを持って世界経済を支配して文明を進化させる、というビジョンがあります。
その為、中東に強力な国民国家があると目的のジャマなんですよね。
《パーティー》の目的は国家を屈服させた、その象徴としてエリちを見せしめにする為です。
だから別の人間を仮の主催者に仕立て、彼女が食いつくようなお題目で誘き寄せた。
あのイスラエルが屈服した事が広まれば、強度の弱い国は何もしなくてもラロシェルに降伏して行く。
ただ、日本やロシアは国としての強度が極めて高いので、最強の軍事力で破壊しようと考えて実行されたのが、クレイエルを使った襲撃イベントです。
そしてこの後始末やフォローという、クソ難易度が高い仕事を任されたのがクライヴです。
ファルネーゼは別ラインの人間ですが、それはまた。
ラロシェルは基本的に若くてかつ、図抜けて有能な人間を使う傾向にある。
部隊指揮官としてなら、ファルネーゼはクレイエルに匹敵する人材ですので。
彼女は個の力よりも組織力や連携を重視するので、安定した作戦能力を発揮出来るので。
無論、ファルネーゼ自体の技量も一流ではありますので。
存在自体が博打みたいな某戦友とはスタンスが真逆ですので。つーかこっちが正統派だので。
のでので。
ラロシェルの使える駒は各地に居るので、お楽しみに。
クレイエル、クライヴ、ヴィナ、ファルネーゼ……全員基本的な能力が高過ぎる。
レナ、クリチカ、ルヴィアンカも間接的に使われている事を考えると、ラロシェルの人材収集欲凄いな……
この上レイやん達やイチカが欲しいなんて、強欲にも程があるぞ。
いや、世界を獲りに行くのなら、それぐらいの欲はあって当然かもしれない。
ラロシェルは特定の範囲なら、何処にでも存在出来ます。
その範囲とメカニズム、及び仕組みは今の所個々で想像して頂ければ。
確定申告やってる時に医療費控除の欄を見て、こんなコーナー思い付きました。
アインというダンジョン医者は、支払い能力やその人物の行動・性格・来歴・素行・能力を鑑みて、治療費を決めるのですが……
どんな人物にどれだけ請求するのか、それをおまけコーナー化したら面白いだろうな、と。
【個人別:アインが請求する治療費の額①】
イチカ:3500万円
(コメント)
日本基準なら高いけど……重症度によってはアメリカ基準なら、寧ろ安い気もする。
特に悪さをしているワケではないけれども、特に医者に対するリスペクトも無い。
素の能力の高さとスキルの多さを見られて、この額かな……
医者になれる頭と手先の器用さはあるけどコミュ力は無い。
共同課題とか普通にあるからな、医学部……
課題グループのメンバーとケンカしたら、そのまま学校辞めると思う。
アイカ:2億
(コメント)
殺しを生業にして来た人物を治療するだけ、医者としてはかなり温情かもしれない。
アイカは看護師の服装が似合う気もする。
ハルカ:7500万円
(コメント)
向こう見ずでムチャしたり、感情が昂ったら人を殺す気質なのは見抜かれてる。
斬られた自分の腕の肉を齧るようなヤバい狂気あるからな、このタヌキ。アインが嫌いなタイプだ。
例え一生掛かっても返済させると思う。
レイやん:120億円以上
(コメント)
例え恩人の仲間でも公平負担の信念は変わらない。カネどんだけ貯め込んでんだレイやん。
あと経済犯罪の常習犯なのも見抜かれてるし、血と酒とタバコの臭いが隠せてない。
健康的な生活をすれば医療費が減って、もっと金持ちになれるぞ。
高っちゃん:1000円
(コメント)
まず怪我もしないし、病気にも罹らない。あと恩人というのもある。
文香:15万円
(コメント)
腕が上がれば治療費も上がって行く。しかし、職人としての生活を破壊しない程度の請求金額にするとは思う。
しかし、アインに食って掛かりそうな性格してるから、教訓として高めに取られる。
医者の言う事は聞いておけって感じで。
レナ:200万円
(コメント)
危険な事に関わるのを止めなければ、治療費は上昇し続ける。
あと強力な保護者が居る事も何となく察して、値を吊り上げると思う。
クリチカ:180万円
(コメント)
『そのコレクションを売れば良い』『ムダ使いを止めれば良い』とアインに言われると思う。
本当にギリギリのラインを探るのが上手い医者だ。
ゲオルグ:治療しない
(コメント)
お前はここに来る必要がないだろう、と言う気がするし、ゲオルグも決してアインを頼らないと思う。
フェルゼン:1億6000万
(コメント)
彼女の本質と懐具合が見えている。流石に値切らせて頂きますわ。
ヨハン:10億円以上
(コメント)
高貴かつ裕福な人間にはそれなりの義務と負担があって然るべき、とアインは考えています。
ブラコンは治りません。
平良:5000万円
(コメント)
外国人の医者が嫌なら自衛隊病院にでも行け。って普通に言うと思う。
ブラックジャックモードが一番発動しやすい。
キリエ:50万
(コメント)
出産なら無料で請け負うと思う。小言は付くけど。
四十万:250万円
(コメント)
警察病院行け。ただ、彼女は多くの生命を図らずも救って来たのでこの額。
しかし、ベッドでにゃんにゃんしたりシコったら、治療代は20倍以上に跳ね上がります。
イチカが使ったベッドがある、と知らされるかどうかが分かれ目。
リン:2000円
(コメント)
実家の弟や妹達の為に命を賭けて仕送りしている、と分かればもう優しい医者モードです。
大道:4万5000円
(コメント)
真面目に働く妻子持ちには割と優しい。
ついでに高身長特有の問題にも向き合ってくれると思う。
上杉ちゃん:帰れ
(コメント)
残念でも無いし当然。
彼女を治療する事だけは、彼の人生を掛けても抗う気がする。
おかりん:1000万円
(コメント)
+説教付きです。
張本:改造手術
(コメント)
ライダーと言えばもうコレよ。
ユンユン:2800万円
(コメント)
薬草栽培と常連客の健診に協力すれば、額はかなり下がると思う。
ヘイリー:2万円
(コメント)
カネが無くても働いているならその程度は払え、と言われる。
腫瘍を取った時の治療代はユンユンが建て替えました。
リヴァ:無償
(コメント)
こういう人達を救う為、彼は医者をやっている。
クエイド:400万円
(コメント)
一番難しい顔すると思う。
互いに喋れない事が多過ぎて、気まずい時間が流れる気もする。
エスティア:5億以上
(コメント)
ダンジョンを1個焼いているので、当然と言えば当然の額。
ついでに健康診断が始まる。
ラロシェル:100兆円以上
(コメント)
お前がどんな人間か、私はあの難民キャンプを見て知っている。
アーデルハイド:治療出来ない
(コメント)
専門外だ。
フリスちゃん様:本日の診療は終了
(コメント)
毎回オチ担当になりつつあるぜ。
というワケで、今回の後書きは終わりですので。
読んで頂きありがとうございましたので。
「面白かった」「次も期待している」「のでので」
「10代に救けを求めるアラサー……」「助けてちゃんミレ!」「ミレイアの戦闘爽やかでカッコイイ」
「強いな、ちゃんミレ」「また漏らしたのか……」「ミレイアの発想良いな」「死者を出さないように他戦ってるの好き」「皆息が合い始めて、良いパーティーになって来たな」
「光学迷彩便利過ぎるだろ」「圧強いわぁ……」「コレが本体の美女顔だ」「殺さなくて良かった」
「まーた現地妻作ってるな、レイやん」「モテモテすぎるだろ、この女サムライ」
「ファルネーゼが有能過ぎるので」「部隊の練度が高すぎるので」「凄い統率力ので」
「のでのでうるせぇ!」「直ぐに進捗確認するのは良い上司かもしれない」
「ラロシェルのロジハラ始まった」「ホントこいつはさぁ……」「もうヒデェ1日だよ」
「正体どんどん現して来てるな……」「遂にエリち泣かしやがったこの野郎」「四十万もビックリのイジメっぷりだ……」「一周回ってもう好きかもしれない」
と、どれか1つでも思って頂けたら、ブクマ・評価・感想頂けると励みになります。
宜しくお願い致します。




