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現代日本プレッパーズ~北海道各地に現れたダンジョンを利用して終末に備えろ~  作者: 256進法
第三部:駆け抜けろ 燃え尽きたろか シンデレラ
117/117

私達は司令官に買われた(前編)

【猫耳にゃんにゃんパラダイス】……

フフ……!

遂に大人の階段を登ってしまいますねぇ……!!


鑑賞用:https://www.youtube.com/watch?v=UXkeXVhDbAQ


~【シュヴァルツ・シュトルヒ】~

~艦橋~


リンとルヴィアンカ、二人のサブマシンガンが火を吹く。

リンは人間離れした反射神経と身軽さで、高く宙返りして銃撃を躱す。


『……!』

『なんて身体能力……!』


彼女は壁を蹴ると、そのままルヴィアンカへ向かって跳びながら引き金を引く。

ルヴィアンカはとっさに台座の後ろへ転がり込む。


「──そこにゃ!!」


リンはルヴィアンカの居る場所へ手榴弾を投げ込んだ。


『──!』


ルヴィアンカは転がって来た手榴弾を蹴りつつ、後転で爆発を回避した。

そこへナイフを持ったリンが彼女へ飛び掛かって来る。


(──!?(はや)い!)


ルヴィアンカもコンバットナイフを咄嗟に抜き、斬り掛かりを防いだ。

二人はナイフで押し合い、床を転げ回る。

リンは常人離れした反射神経で、ルヴィアンカの腹部へ膝を入れて吹き飛ばした。


『かはっ……!』


ルヴィアンカはナイフを離してしまった上、機器に叩きつけられる。


『悪いけど……トドメにゃ!』


飛び掛かって来たリンは彼女を押し倒し、首元へナイフを押し込もうとした。

だが、ルヴィアンカも彼女の手首と腕を掴み、押し返そうとする。


『早く……諦めてくれにゃ……!』


『……!』

『諦めのタイミングを決めるのは、貴女じゃない……!!』


リンは歯を食い縛りながら言う。


『……!』

『やっと……やっとここまで来たの』

『来たの……!』


リンとルヴィアンカへ落ちて来た天井と機器が降りかかり、二人は下敷きになった。



~5年前~

~東京・新宿歌舞伎町~


「フフフフ……」

「とうとう来ちゃいましたねぇ!この時が!」


ガーリーファッションに身を包んだ、身長180cmのメスゴリラ人形がニタリと微笑む。

その異様な雰囲気に、思わず巡回中の警官も顔を伏せてスルーした。

メスゴリラ人形はスマホをスワイプし、あるサイトを表示させる。


「【猫耳にゃんにゃんパラダイス】……」

「フフ……!」

「遂に大人の階段を登ってしまいますねぇ……!!」


女としての階段は転げ落ちていた。


「この私が……」

「嬢のブログを見ただけで、緊張で手が震えて来るとは……!」

「侮れませんねぇ、風俗街……!!」


彼女はコンビニに入り、《亜鉛&マカ絶倫グミ》を手に取る。

グミのパッケージ片手にニヤニヤする身長180cmのメスゴリラ人形に対し、品出し中の店員は店長の方へ視線を送った。


(て、店長……)


(見て……見ぬフリをするんだ)

(関わったら何をされるか分からん……)

(出来るだけ、セルフレジの方へ行ってくれる事を願おう……)


機嫌を良くした四十万は、更に《リボ美談D》と《即攻須藤元気》を手に取る。


「元気百倍!活力百倍!」

「下半身百倍!って感じですねぇ……フフフ……!」


((頼むから早く会計を済ませて欲しい……))


その時、牛刀を持った緑づくめの男が店内へ入って来る。


「イェーイ!オラァ~ッ!!」

「金出せ金出せ~~ェ!」


男はコーヒーマシンやプリペイドカードの棚を破壊し、チキンが入ってる棚のガラスを叩き割る。

店長は一瞬立ちすくんだが、落ち着きが戻ると屈んで通報ボタンを押そうとした。


「ホイ!!」

「なにやっちゃってんの!?」


店長は走って来た赤い帽子の男に、バールで頭を殴られた。

ニット帽の男はカウンターへ入り込み、レジをバールで殴りつつ、店長も蹴り上げる。

そして男は強引にレジをこじ開けた。


「オイオイ!万札あるじゃねぇか!」

「ハロー諭吉!スマイル諭吉!ウェルカム諭吉!!」


牛刀を持った男はクリスピーチキンと串カワ(塩)を食べつつ、リュックへありったけの食料品を詰めて行く。


「俺達スーパーなんちゃらブラザーズって感じだ!」

「今日は俺のキノコすげぇぜ!?暴れちゃうぜ!?」

「スター発動しちゃうかもだぜ!?」


そして、牛刀男の視界にウェーブヘアーの女性が映る。


「お!」

「ちょうど良いマンコ発見伝!!」

「おーい!」


牛刀男が棚の商品を刃で落としながら、女性の方へ向かって行く。

女性は突然の出来事に気が動転し、足が竦んでしまった。


「ぁ……!」


女性は腕を掴まれてしまい、牛刀男に引きずられる。


「オマンコゲットだぜ!!」

「化粧と香水の匂いからして、多分コイツ風俗嬢だ!!」

「ハハー!」


「良く知ってるな~お前~~!」

「股間のピ○チュウ元気でちゅうってか!?」

「お!第二のオマンコ発見!イヤッフー!!」


ニット帽の男は万札と小銭を回収し終えると、隠れていた店員の腕を掴み引きずり出す。


「よっしゃ!俺もオマンコゲットだぜぇ~?」

「バトルしようぜ!」


「オマンコバトル!」

「ギャハハハハハ!!」

「ヒアウィーゴー!!」


二人は嫌がる女性達を引きずり、店外へ出ようとする。

しかし、赤い帽子の男は自動ドアの前にあった何か(・・)にぶつかってしまった。


「おわっ!?」

「なっ、なんだぁっ!?」


その何かは喋り出す。

《即攻須藤元気》と《リボ美談D》を同時に一気飲みしながら。


「是非私も捕まえてくれませんかねぇ」

「四十万妖子。23歳独身。趣味はクリスティナを虐める事と、可愛がる事」

「そして好きなモノはクリスティナです」


「なっ、なんだぁお前!?」


「休暇中の警察官キャリアですよ」

「クズにお仕置きし、ゴミの様に牢屋へ放り込むのがお仕事です」

「クリスティナに変わってお仕置きですよ❤️(キラッ)」


四十万は片足を上げ、ポーズを決めた。

店内が凍り付く。


「……行こうぜ兄者」

「多分キノコのやりすぎかもしれねぇ」


「……かもな弟者」


そして緑づくめの男が一歩踏み出した、その時だった。

男の視界は回転し、冷たいコンクリートの床に頭から叩きつけられた。


「ヴォゥオ”ッ!」


緑づくめの男は口から泡を吹き、痙攣する。

赤い帽子の男は激高し、四十万へバールで殴り掛かる。


「良くも弟を!」

「ダッフン!」


男はとんでもない跳躍力で跳び上がり、四十万の顔面を蹴り飛ばそうとする。

しかしあっさり躱され、空中でカニばさみを極められた。


「マンマミーア!」


男の膝は破壊され、これまたコンクリートの床に叩きつけられた。


「ゲットしたコインも没収ですよ」

「出所したら、デカい亀とでも戦ってて下さい」


そして四十万はスマホで警察を呼びながら、カウンターへ千円札を置いた。


「釣りは要りませんよ、店長」

「(キマりましたねぇ!)」


店員は恐る恐る四十万へ言う。


「あのー……足りないんですけども……」

「先程飲まれた《リボ美談D》と《即攻須藤元気》の分も合わせると、1000円超えます……」


「え」


「《亜鉛&マカ絶倫グミ》を戻して頂ければ、大丈夫なんですけども……」


四十万は天井を見上げながら、無言で千円札を出す。


「ちょ、ちょっと待って下さい」

「レジが壊れているので……」


そこへブルネットの女性がツッコミを入れる。


「皆さん!まず救急車ですよね!?」


「「あっ」」


数分後──


「……というワケです」

「防犯カメラの映像を確認すれば、この【キノコブラザーズ】の犯行は明らかでしょう」

「他には?」


「え、えっと……四十万……警部補で宜しいんですよね?」

「失礼ですが、警察手帳を……」


四十万はニタッとした笑顔で、駆け付けた警官へ手帳を見せる。


「私はこれからガンガン出世します」

「ここで最大限媚を売ってくれれば、高値で買い取りますよ」


「は、ははは……」

「これはどうも……!」


警官は笑顔になり、対応が格段に丁寧になり始めた。

四十万はグミを食べながら言う。


「今日は休暇中で私用があるんで、応援が来たら私は消えますよ」

「しかし……コイツ等はシャバに野放しにしておいて良いレベルじゃないですねぇ」


「はい……!」

「スマホで調べた所、この二人は指名手配犯でした」

「余罪も盛り沢山なので、捕まったらまず15年は出て来られないでしょう」


「そんなのと休暇中に巡り会うなんて……」

「運が良いのか悪いのか分かりませんねぇ」

「事情聴取は後日、そちらの署へ向かいます」

「その時は宜しくお願いしますよ」


「了解しました!」

「こちらこそ宜しくお願い致します!」


彼女は出された椅子に座り込む、ウェーブヘアーの女性へ声を掛ける。


「大丈夫ですか?」

「怪我をしていたら遠慮なく言って下さいねぇ……(ニコリ)」


「ひっ……」


「犯人に襲われた時より、怖がってません??」


四十万は女性の乱れた前髪を整えてやる。

そして、彼女は例の気持ち悪い笑顔を向ける。


「アナタ……カワイイんですから、笑顔です笑顔(ニタ~)」


女性は思わずクスリと笑う。


「ふふっ……!」


「これからどうされます?事情聴取へ向かいますか?」


明るくなった女性の顔が、僅かに暗くなる。


「い、いえ……」

「これから仕事があるので……」


「……そうですか」

「本官も私用(・・)があるので、これにて失礼しますよ」


四十万は女性の煽情的な匂いに下半身を疼かせながら、その場を後にして行く。


(もう……我慢効きませんよ!)

(待合室で思わず致しそうなぐらい溜まり切ってますねぇ……!)


その時、後ろから彼女へ声が掛かる。


「ありがとうございました!」

「警察のお姉さん!カッコ良かったです!」


四十万は後ろ向きに手を振る。

昂った性欲を抑える為、彼女は思わず首を掻き毟った。

彼女は歌舞伎町の狭い猥雑な空を見上げる。


(ほぼイキかけました)


四十万は早足で目的地へ向かって行く。

歓楽街の看板が、飲み屋の看板から妖しげな色の看板に変わって行く。


(予約40分前だと言うのに来てしまいましたよ)

(最高の娘を頼む、と言っておきましたからねぇ~~)

(楽しみですよ!)


本番アリのレズ風俗(高級店)、【猫耳にゃんにゃんパラダイス】の前に彼女は立っていた。

彼女はビルの階段を登って行き、桃色のにゃんにゃんな入口の前に辿り着く。


「フフフフ……!」


自動ドアが開き、彼女は足を踏み入れる。

そこには既に甘く爽やかな香水の匂いが漂っていた。


「いらっしゃいませ」

「本日ご予約の方ですか?」


「ええ」

「【リン】ちゃん、お願いしますよ」


「かしこまりました」

「お履き物はこちらでお預かりします」


四十万は靴をスタッフに預け、クレカを取り出す。


「コレで」


「畏まりました」


スタッフはカードを受け取り、四十万は暗証番号を入力した。

そして四十万へカードを返し、彼女を待合室へ案内する。


(ドキドキしますねぇ~~……!)

(いや、これはクリスティナに抱く感情とは別物ですよ!)

(私は愛と性欲の区別を付けられる女ですから!)


本当か???

四十万はソファーに座り、ウーロン茶を飲む。


「ふぅ……」

「この時間が一番辛い時間ですねぇ……」


そして20分後。

スタッフがやって来る。


「お待たせ致しました四十万様」

「準備が終わりましたので、404号室へお向かい下さい」


四十万はスッと立ち上がり、頭を下げる店員を尻目にして鼻息荒く待合室を出て行く。

彼女は圧倒的な身体能力を活かして階段を駆け上がり、あっという間に404号室へ辿り着いた。


「ふぅ~~……」


彼女は深呼吸した。

そしてカッと目を見開き、ドアノブを勢い良く開ける。


「こんにちはマイにゃんにゃん【リンちゃん】!」

「今日はよろしくお願いしますよぉーー!!」


声がデケェって……!

そしてウェーブの掛かったブルネットの髪をアップサイドに纏めた、可愛らしい女性が笑顔でにゃんにゃんポーズを取った。


「今日はご来店頂きありがとうございますにゃ!」

「一緒に【リン】と一緒ににゃんにゃ……」


【リン】は四十万と目が合った。


「「あっ」」


場が凍り付く。


「さ、さっきの……」


「べ、別人じゃないですかねぇ……」


「い、いやその身長に、そのフワフワなガーリファッションからはみ出た筋肉質な太もも……」

「その癖、お人形さんみたいに可愛いお顔……間違いなく……」


「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"(悶絶)」


四十万はその場で転げ回った。



~4年前~

~チェコ共和国・首都プラハ~


『……払えない』

『どう見積もっても、このままじゃ家賃すら……』


ソファーにもたれ掛かりつつ、金髪の女性は請求書を床に放り投げた。

そして彼女はパソコンの画面に映る、借金の残額へ目を向ける。


『どうして……』

『お母様とお父様が生きて居たら……』

『あの事故が無ければ……!』


その時、スマホにメッセージが届き、鳴動する。


『……ああ』

『そう言えばもうその時間ね……』


彼女はふらつきながら立ち上がる。

そして髪を搔き上げ、化粧台に向かった。


(借金の利子を払うだけで精一杯)

(このままじゃ生活費も賄えない……)

(もう街頭に立つしか……)


街娼。

それは追い詰められた女の、最期に辿り着く場所。


(やるとすれば……金持ちが集まり、かつ人目に付かない場所でやるしかない)

(場所代をマフィアに納めてない以上、見つかったらタダじゃ済まない……)


化粧を終えた彼女は露出の多い安物のドレスに身を包み、コートを羽織った。

彼女はバスに乗り、カレル橋を渡りながら市内の夜景を眺める。

ガラスには疲れ切った若い娼婦の姿が映っていた。


「……」

「……落ちぶれたのは私だけ、か」


彼女はバスを降り、ゴシック様式の屋敷へ向かって行く。

赤いバックから口紅を取り、彼女は塗り直す。


「よぉ、ルヴィ」

「偶には遅刻するかと思っていたが、相変わらず真面目だな」

「流石は元軍人だ」


革ジャンを着た一際大柄な男が、笑顔でタバコを捨てながら彼女へ言う。

男の身体は巌のように大きく、彼女の二倍程も背があるように見えた。


「……バルターク」

「まだ格闘技なんかやってるの?」

「娼館の用心棒以外にも、貴方ならきっと良い仕事に就けるハズよ」


「ローカル団体で闘っているとは言っても、俺はプロだ」

「プロには練習時間が必要だし、不要な作業で身体を痛める訳にも行かない」

「時間の都合が付きやすく、チンピラを摘まみ出すだけのこの仕事はうってつけ、って訳だ」

「アメリカに渡り、UFCに行ってベルトを取るまで、俺は夢を諦める積りは無いぜ」


「……それは仕事をクビになった事のある、私への皮肉?」


「いやいや違う!違うぜ!ルヴィ!」

「俺は本気で言ってるんだ」

「俺はヘビー級のMMAチャンピオンになって、大金を稼ぎたいんだよ」

「俺みたいな無学で前科のある男が成功し、成り上がるにはそれしかないんだ」


ルヴィアンカはタバコを取り出し、火を点ける。


「……今のヘビー級チャンピオンはあのロルフ・モントヴァンよ」

「彼からベルトを奪うなんて、今の人類に可能なのかしら」


「可能だろ」

「だが、引退はするかもしれねぇ」


「ふふ。好都合じゃない」

「……それまで待てば?」


「いや、あの男からベルトを奪う事にこそ意味がある」

「皆、モントヴァンになりたいんだ」

「格闘技をやっている男なら、そう思って当然だ」


モントヴァンは拳を握って突き上げた。

ルヴィアンカは誰も居ない夜空に向かって、僅かに微笑みながら煙を吐き出した。



※買ったのは四十万だけです。


マジでヒッデェ……

邂逅がレズ風俗とか、どうなってんだよこの閻魔見習い……

警官だって風俗行きますよ。行くだろうけど、これはヒデェ……


性欲と愛は別物ですねぇ。

こういう人間臭さが四十万の好きな所なんだけども。

イチカを愛しに愛してるけど、それはそれとして溜まるモノは溜まるんだ。


にしても、ガーリーファッションに身を包んだ四十万を想像したら、笑いが止まらなかった……

しかもその恰好で風俗行くんだぜ?

もう最高だよ。

店長の判断はある意味で正しい。


しかし、こんな狂った過去編はそうそうないと思う。

重いのが続いていたから、丁度良かったかもしれない。

あとキノコブラザーズは刑務所を脱走して、かなり手強いダンジョン犯罪者になっています。

元ネタ?言えるわけねーだろ!


それで……はい。

『リン』は源氏名です。

リンちゃんは自分をどん底から救い出してくれた四十万に心から感謝しているので、この呼び方を許しています。


上杉ちゃんはそんな経緯なんか無視で呼び捨てにしてます。

そういうトコやぞ。

リンちゃんが優しいから許してくれているだけや……


因みに、国家Ⅱ種公務員試験には四十万の卓越した指導とアドバイスにより、合格出来ました。

四十万は物事を教えるのがメッチャ上手です。


警官辞めても資格学校の講師やれる。

多分そのスキルは柔道をやってて培われたと思ってる。

場所によっては先輩が後輩の指導を熱心にするので。


イチカはメッチャ早口になって情報を流し込んで、相手がパンクするから話がヘタな部類に入ります。

実際、アイカやレイやん、マルファお姉さんに話す時もクソ早口です。

相手のCPU性能が高いから話が成立しているだけです。


多分、こういう所も学校や職場で嫌われてしまった一因だと思う。

ただ、ハルカやエレナ、ゲオルグの相手をしている内にある程度学んだようですが。

三人共イチカと使ってる回路が違うだけで、常人より遥かに卓越した能力がある。

彼女は自分の価値観や思考が自分で言う程柔軟ではない、という事にも気づきました。


彼女は一度、ヤストレブと話してみた方が良い。

世界が凄い変わると思う。

多分、話してる途中で何処かへ飛んでいく気もするけど。


イチカは学歴とか気にしてない素振りをしていましたが、一番それに囚われていたのは彼女ですね。

ラロシェルはその地点を10歳で通過しています。

14の時には、ヤツは既に大人に混じって高度な仕事をこなしていました。

ヤツはやはりヤバい。アンサートーカー持ってるとしか思えん。北極で爆殺しておくべきだった。


こう考えると……イチカや四十万は問題はあれど、まだ既存のライン上で教育を受けれたんだな、と。

ほぼ虐待同然の監禁スパルタ教育を受けて来た上杉ちゃんや、そもそも学校すら行けずに闇社会で殺し屋をやっていたアイカ、飛び級を重ねて10代前半で研究者になり、ビジネスを起こしたラロシェルはやはり異常な域の人間達です。

ラロシェルは人間かな……

彼の妹であるヴィナも飛び級して、キャリアを積みました。この兄妹は正直おかしい。


ベルナルドは更に異色の幼少期を送っています。

彼は方程式を覚える前に、戦争のやり方を覚えさせられました。

一番環境が闇深いのはアーデルハイドだけど。

彼女が生まれ落ちた場所はアメリカ社会の汚泥そのものなので……


クレイエルはレナを彼等の様にしない為に、高校へ行かせたのかもしれない。

反対に、ティエラちゃんはもう人生のコースを自分で決め込んでいます。

学校に行ってないのは彼女の覚悟ですが、怪物になるコースと常に隣り合わせです。

だからこそ、初対面でそれを察したアイカは複雑な反応を見せた訳ですが……


アイカとティエラが逢うのは、まだ先の話になります。

夢や目標を断念したのに、自分のファンガールと遭うのは正直キツかったと思う。

その元凶である山県家はこの3部で出て来る予定です。

4部はアイカの話になるので、その時ガッツリ描写する……予定。


今回は久々にチンピラ書けて楽しかった。

洋の東西問わず、チンピラの行動原理は金とSEXと酒、そして暴力です。

真面目な人達ばかり描写してると、偶にネジが飛んだ連中を入れたくなる。

イヤッフー!


でもよく考えたら、ハルカやレイやんが居た時のイチカ一行も、かなりネジの外れたチームだったような気がした。

あの4人組はやっぱり黄金律だったな。

個人的にもそれが続けば良かったんだけど、それはある意味停滞も意味していたので、今はレイやんとハルカと別れてしまった。

そうならざるを得なかった。


四十万達にもいずれ同じ運命が降りかかると思います。

起点は間違いなく上杉ちゃんです。

もう裏主人公的な存在になってるからね、彼女達。

イチカ達を裏側から描くにはこの構成が一番良かった。


ルヴィアンカさんはキリッとして、落ち着いた感じの美人。

けど、運は無いし深い部分で諦め癖がある。

レナを見て、心の何処かがズキズキしていて欲しい。


チェコでは本番風俗は合法です。

金も稼げます。

ただ、それでも手に負えない負債をルヴィアンカは背負ってしまった。

彼女の唯一の癒しはこのバルタークという、用心棒との会話だけでした。


モントヴァンは結構な有名人です。この世界の欧米の若い男なら、知らない人は居ないレベル。

地下試合絡みで追放された時のインパクトと反響は、凄まじい物がありました。

彼が教皇騎士へなれたのは聖少女ユクセルの決断と、騎士団長ラインバウトの強力な推薦があったからです。

とんでもない男と戦ってました、イチカ。

彼もこの3部でまた出て来ます。


登場人物シート更新しました。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/18yCj9B-CZEpJGIDICTLBSG4K3ASfzvPI7MeKN9sNjkY/edit?usp=sharing


「面白かった」「次回が楽しみ」「リンちゃん強い」「ルヴィアンカも意地を見せてて良い」

「猫耳にゃんにゃんパラダイス……」「四十万の下半身事情が面白すぎる」

「こんな女が歩いていたらビビる」「コンビニでニタ付く四十万……」「店長は全面的に正しい」

「チンピラ超えてるだろこれは」「色々全開だな、イヤッフー!」「GEHINすぎる……」

「この兄弟の存在自体がヤバい」「カッコいい……やだ、カッコ良い……」

「……やだ、カッコ悪い……」「ルヴィアンカさんの過去が頽廃的で好き」「金が無い事情が気になる」「軍人から娼婦ってとんでもない経歴だな」「この大男強そう」「モントヴァンとやり合って良く生きてたなイチカ…」「タバコを吸う大人の女性好き」


と、どれか1つでも思って頂けたら、ブクマ・評価・感想頂けると励みになります。

宜しくお願い致します。


※諸事情により、Xの更新は後でやります。

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