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彼女をNTRされ絶望して全てを終わらせようとした屋上で幼馴染に拾われた  作者: 夜空 叶ト


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第35話 噂の原因特定と新生徒会発足

「……やっぱりほのかが噂を流していたのか」


 会長の権限を使って調べたところ、噂を流している張本人。いわば発生源は彼女だ。

 何の目的があってこんなことをしたのかはわからない。


 だけど、これ以上日向を傷つけさせないためにも。僕が解決しないといけないんだ。


「ありゃ? 望月さんはまだ来てないのか?」


「ああ、君が一番だよ。隆介」


 僕が生徒会室で考え事をしていると、隆介が部屋に入ってきた。

 いつもみたいに陽気な笑顔を浮かべている姿を見て、少し安心してしまった。


「そっか。そんで、俺にはどんな役職が与えられるんだよ」


「書記だね。隆介は記憶力とか凄く良いから向いてると思うし」


「俺はそれで構わねぇよ。秋奈さんはどうすんだ?」


「広報かな。そのほうが彼女に付きまとう悪いイメージを払拭できる気がするし」


 秋奈さんがいじめられている原因は佐山要が僕のことを嘘の噂で陥れたからだ。

 その二次被害で秋奈さんが虐められる結果になった。


 でも、そこで僕と秋奈さんが仲いい姿を見せておけば虐める理由はなくなるんだ。

 そのために、僕は彼女を生徒会に招き入れたんだから。


「本当にお前はお人よしだな。そういう所が俺は結構好きなんだけどよ」


「変な事言うなよ。照れるだろ?」


「ははっ。でも、だからこそ心配なんだ。お前はお人よしだから、どんな人間でも許しちまいそうでよ」


「……どうだろうな?」


「お前はもう少し、自分のことを考えたほうが良いと思うけどな」


 隆介は困ったみたいに苦笑しながら頬を搔いていた。

 その仕草は昔から見慣れたものではあったけど、今回は本当に困っていそうな雰囲気を感じる。


「考えてるさ。僕はこれから自分のやりたいことをするさ」


「ならいいんだ。それよりも、なんか書かないといけない書類あるんだろ?」


「ああ。これに名前書いて望月先生に渡して。それで正式に生徒会加入だ」


「あいよ。そんじゃ、いって来る」


 書類を持って生徒会室を出て行った隆介を見送りながら、僕は再び椅子にもたれかかる。適度な反発が椅子から帰ってきて座っていて気持ちが良い。


「これから忙しくなるな。でも、やっとスタートラインに立てたんんだ。ちゃんと頑張って行かないとな」


「当選おめでとうございます! 夜霧先輩」


「ありがとう秋奈さん。というわけで、この前話した生徒会加入の件。まだ入ってくれる気があるんなら入ってくれないかな?」


「勿論です。そのためにここに来たんですから」


 胸を張って彼女はそう言ってのける。その顔からは屋上で見た時のような絶望は感じられなかった。


「そっか。じゃあ、この紙に名前書いて望月先生に渡してくれ。それで正式に生徒会に加入決定だ」


「わかりました。じゃあ、行ってきます」


「ん。行ってらっしゃい」


 風のように現れて風のように去っていく秋奈さんを見送りながら、ふと思う。

 あの時屋上にいてよかったと。


 あの時屋上に居なかったら、本当に公開をしていただろうから。


「なんで満足そうに眼を瞑ってるの? その椅子の座り心地そんなにいいの?」


「日向、ごめん。ちょっとうとうとしてた」


「いいよ。最近頑張ってるのは私が一番知ってるし。休みたいなら全然そのままでもいいよ」


 目を開けると目の前に日向の顔があった。心配そうに僕のことを見つめているという事はなく、少しだけ面白そうにしていた。


 なんでだろ?


「いや、大丈夫。それと、これ書いて小雪さんに持って行ってもらっても良いかな」


「うん。わかった。それと、遅くなったけど会長当選おめでとう! 凄いね湊くん」


「ありがとう。これも協力してくれたみんなのおかげだよ」


「謙遜ばっかりしてると皆に嫌われちゃうよ? 湊くんの力なんだからもっと誇ってもいいんだよ」


 日向は綺麗な笑みを浮かべながら、そう語りかけてくれる。

 やっぱり僕の彼女は可愛い。


「そうだね。ごめん」


「謝らなくてもいいって。えへへ。でも、久しぶりに湊くんの寝顔なんて見たかも」


「そうかもね。最近はあんまり寝てなかったから」


「寝不足はダメだよ? 体にも悪いし。ほら、こっち来て。まだ時間があるから膝枕してあげる」


 言いながら日向は室内にあるソファーに座って、膝をポンポンと叩く。

 普段なら断っていたかもしれないけど、今日は体が疲れていることもあって素直に日向に膝枕をして貰う。


「ありがとう。じゃあ、少し寝させてもらうよ」


「うん。少ししたら起こしてあげるから寝ていいよ」


「おやすみ、日向」


「おやすみなさい。湊くん」


 そうして僕は日向に膝枕をして貰いながら、眠りに落ちた。


【日向視点】


「寝ちゃった。ふふっ、凄く可愛い」


 私は膝で眠っている湊くんの頭を撫でる。

 最近はいつも難しそうな顔をしていて、心配だったけど寝ている時は私が知っているいつもの湊くんだった。


「日向? 何してるのって……生徒会室であんまりイチャイチャしないでよ」


「お姉ちゃん。ごめん。湊くんが眠そうだったから。つい」


「学校ではお姉ちゃんって呼ばないの。にしても、湊はやっぱり無理をしてたんだね」


「多分ね。何をしてたのかはわからないけど、疲れてるみたいだったから」


 お姉ちゃんもやっぱり気づいてたんだ。でも、お姉ちゃんでも何をしてるのか知らないって。本当に何をしてたんだろ?


「ま、いっか。会長になったんだから少しくらいのご褒美はあっていいと思うし。書類だけ書いてもらっていい?」


「うん。これでいい?」


 ソファーの向かいにある机で生徒会加入届の書類を書く。

 そして、対面側にあるソファーに座ってくつろいでいるお姉ちゃんに渡す。


「うん。不備はないし。これで良し。でも、湊がそんな風に無防備なのは本当に珍しいね」


「安心してるんじゃない? 会長になれたし」


「かもな。これから忙しくなりそうだし。湊には生徒会長としてよりよい学校を作って欲しいね」


「だね。きっと湊くんならできるよ。誰よりも優しくて、誰よりも真面目なんだからさ」


「あんまり心配はしていないさ。まあ、無理をし過ぎないかは心配だが」


「そこら辺は私が見ておくから心配しなくても大丈夫だよ」


 確かに湊くんは昔から無理をし過ぎる所がある。

 そこら辺は私がちゃんとしないと!


 恋人として。


【日向視点終了】


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