第四話:アルス街
ノルマティア族の虐殺が起きてから数週間後。
カゲとホノカは次の拠点を見つけるべく旅立った。
ホノカは東方を指差しながらカゲにこう伝える。
「まずは東方へ情報収集に向かいましょう。東方は平地が広がっており、そこの街なら発展しているため色々なことを聞けると思います」
「わかった。まずは情報収集だな」
彼らは情報収集をすることにした。
そして、カゲは気になったことを質問した。
「でも、ソツア村の残されたサムなどの機械は大丈夫なのか?」
「大丈夫です。まだ、ソツア村には残っている人がまだいます。なので、その人たちに任せれば何とかなるでしょう」
カゲ達は険しい山を降り、森の草木を払いながら進む。道中、動物に襲われそうになりながらも持っていた刀と闇魔法を駆使して倒した。
そして、カゲ達はついに大きな街と思わしきところを見つけた。
「ついに見つかりましたね。カゲ」
「ああ、結構険しかったな」
カゲ達は街へ向かうことにした。
そこでカゲはあることを聞く。
「なあ、ホノカ。この街の人もノルマティア族のやつらのように俺たちソツア族を差別するんじゃないか」
ホノカは重く考え込む。
「・・・・・・そうかもしれませんね」
そして、街の入門の近くへ到着する。
街は和風の城門の雰囲気を醸し出しており、街の入門には建国100年記念と旗に書かれている。
すると、門番に通行を塞がれる。
「何者だ」
カゲは不安でいっぱいになりそうでありながらも、慎重に答えた。
「私はソツア族の者だ。長はノルマティア族によって殺され、私の大切な人さえも殺された。どうか、ここに拠点を探すまで一時的に居させて欲しい」
「・・・・・・気の毒に。我々の街ではそういうことは少ない。それゆえ、他の街では珍しく多様な芸術性に優れている街だ。どうぞ、お気を休めて・・・・・・」
門番はその言葉に同情し、門を開けた。
門の向こう側には、桜の木が真っ直ぐに並んでおり、まるで日本庭園を彷彿とさせるような光景が広がっていた。
街は人通りが多く、和服を着ている人が目立つ。
「うわぁ・・・・・・!」
カゲ達はその美しさに歓喜の笑みを浮かべる。
そして、真っ直ぐ進んでいくとそこには大きな桜の木が満開に咲いていた。
「す、すごい・・・・・・!」
「おっと、気を取られていた。それよりも情報収集ですよ、カゲ。」
「そ、そうだった。・・・・・・すまない」
すると、カゲは他の通行人にあることを訊いた。
「すみません。この街の名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
その人はこう答えた。
「この街ですか? ああ、ここは『アルス街』ですね」
そして、カゲは続けてこう質問した。
「『アルス街』・・・・・・アルス街では情報を収集できる場所はありますでしょうか?」
「それなら、街の中心部の書庫へ向かうといいですよ。あなた達はソツア族ですよね?」
カゲは自分がソツア族ということを知っていることに強い疑問感と不信感を感じた。
「どうして私たちがソツア族だとわかったのですか?」
「その蒸気機関のような刀や幾何学的な飾りですぐにわかりますよ」
カゲ達は強い不信感がありながらも、次の質問をしてみた。
「アルス街ということは、あなたはアルス族ということでしょうか?」
「その通りです」
「なるほど、ではあなた方アルス族はソツア族と同じように身体にすぐれていない人が多いのでしょうか?」
「そうですね。どちらかと言うと、そこまで身体に優れているわけではないですね」
「疑ってすみません。教えてくださりありがとうございました」
そうして、カゲ達は書庫へ向かった。
書庫へ到着したカゲ達は拠点探しの情報を探すべく、拠点に関する書物を漁ることにした。
「うーん・・・・・・これでもないな・・・・・・」
書物は芸術物の書物類ばかりで、何回も書物を本棚から取っては戻すを繰り返し、情報探しに苦戦するカゲ達。
「しょうがないですよ、カゲ。ソツア族はそもそも話すことや曖昧なことを表現するのが苦手な民族。ソツア族に関する情報が少ないのもしょうがないですよ。」
すると、本棚の傍から数少ないソツア族の情報が載った古い書物をカゲは見つける。
そこには衝撃的なことが書かれていた。
「『ソツア族は元々ノルマティア族と一緒であった。だが、ある事件をきっかけにノルマティア族はソツア族と分断することとなった』」
「ある事件? こ、これは・・・・・・どういうことなんだ!?」
カゲは驚きと怒りの感情に振り回される。
「俺たちソツア族を殺したノルマティア族がソツア族と同じだと・・・・・・? ふざけるな! あんな民族がソツア族と一緒な訳が無い!」
ホノカはカゲの怒りを抑えるため宥めようとする。
「カゲ、一旦落ち着いて。あくまで昔の情報です。今とは全く認識が違うかもしれません。それと今回は拠点探しというところを忘れずに・・・・・・」
「そ、そうだな・・・・・・」
しかし、次のページをめくるとページはビリビリに破かれており、読めない状態になっていた。
「く、くそ・・・・・・」
カゲはあともう少しで真相を知れそうというところで、取り逃がしてしまう。
―数分後―
ホノカは、ようやく拠点に関する情報を手に入れた。
「や、やっと手に入れることができましたよ、カゲ!」
「どうした、ホノカ?」
ホノカはその情報を読み上げる。
「『アルス街から北方へいくとそこには鉱山が広がっており、金属資源が豊富に存在している。そして、敵軍もなかなか攻め入りにくい地形となっている。しかし、多様な民族の山賊で溢れかえっているため交渉が不可欠である』」
「ですがカゲ、交渉をするには話が必要です。なので、難しいのでは・・・・・・」
だが、カゲはその機会を無駄にはしないとばかりに意気込む。
「いや、やってみる価値はある。もしダメだったら、他の手を考えよう」
書庫から出たカゲ達。そこでカゲ達はもっと生の情報を収集するべく、様々なところへ行くことにした。
まず、最初に行ったのが『ギルド』だった。
ギルドとは現実世界における市役所のハローワークのようなものであり、ギルドへいくことによって仕事の知識や助言を受けることが可能なのである。
ギルドに入ったカゲ達。
中に入ると看板には陶芸、園芸、挿画など芸術に特化した街ならではの職種が大きく並べられていた。
カゲはその受付の人にあることを聞くことにした。
「こんにちは。今回は職の更新でしょうか? それとも新しい役職に入りますか?」
「いえ、今回はそのような目的ではなく・・・・・・」
「見たところ、旅人のようですが何か他に用事があるのでしょうか?」
「はい、今回は拠点探しで情報収集に伺いたく、ここに参りました」
「申し訳ないのですが、ここは職探し専門となるためお教えすることはできません」
「わかりました。ホノカ、次へ当たろう」
受付の人は突然カゲの手を掴む
「待ってください!」
「ん? どうしたんですか?」
「北方へ向かうんですか?」
「はい」
「私の知っている人で話が上手い人がいるんです。その人に頼めば山賊と交渉できるかも知れません!」
カゲは質問をする。
「その人はどこで会えますか!?」
「この上の階で会えます」
カゲは2階へ上って行く。
すると、何か雑談をしている人が見つかる。
「でさー」
「へー」
「〇〇なんだよねー」
カゲ達はこう訊いた。
「あなたがその交渉が上手い人という人ですか?」
「ん? まあそうだね」
「君もお菓子食べるかい?」
そう言うと、その女はお菓子を出してきた。
「いえ、大丈夫です」
すると突然、ホノカはこう言った。
「私は食べたい」
「え?」
ホノカがお菓子を頬張っているところで、カゲはこう訊いた。
「その前にあなたの名前が聞きたくて・・・・・・」
「ああ、私か・・・・・・」
「私の名前は『フルーエント』」
「フルーエントさん、よろしく」
カゲはフルーエントと握手をする
ギルドから出た、カゲ達一向は鉱山がある北方へ向かうことにした。
つづく




