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悪逆非道で世界を平和に  作者: ストラテジスト
復活のH

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定期報告

⋇お久しぶりの登場

「――出会い頭にドーン!」

「ぶげぇっ!?」


 ふと気が付くと、僕は満面の笑みのデュアリィ様に頭を指で突き刺されてた。

 ちょっと衝撃的過ぎて反応に困るな? あのデュアリィ様が突然北斗●拳伝承者みたいな事かましてくるんだもん。せめてここが夢の中って事を認識する時間くらいは欲しかった。さしもの僕も混乱のあまり思考が上手く働かねぇぞ。いや、指で脳みそかき混ぜられてるからかもしれんが……。


「ちょっ、何っ、あっあっあっ――あーっ、思い出したからもうやめろぉ!?」


 しかし記憶を戻された事で、混乱はすぐに消え去った。デュアリィ様の本性は邪悪の一言だしね。あと脳クチュするのが大好きなド変態。毎回僕の脳みそ突き刺して掻き回すのやめてくれないかなぁ?

 

「うふふー、面白い展開になったねぇ? まさかあのハニエルがあんなに壊れちゃうなんて、本当にびっくりだよぉ。お腹抱えて笑っちゃったー」

「うん、そこは僕も驚いたよ。一体どうしてあんな風に壊れちゃったんだろうね?」

「あははー、どの口が言うのかなー? この口かなー?」

「ちょっとやめて。脳みそへばりついた指を擦りつけるの止めて。汚い」


 表情だけは可愛らしくニコニコ笑いながら、僕の口をツンツンしてくる。脳みその欠片くっついてるのにそんな事するとか正気とは思えないよね? 全く……。


「えー? 普段女の子のお口にもっと汚い物突っ込んでる癖にー」

「さすがに血肉よりは綺麗じゃないですかね? あと僕がやる方なのは良いんだよ」

「自分勝手だー。でもそういうの嫌いじゃないし好きだよー?」


 指をパッパッと払い、最後に口に咥えてしゃぶって綺麗にするデュアリィ様。今地味に食人的な事したな?

 普段ならドン引きする事間違い無しの行為だが、ちょっと興奮したからあえて何も突っ込まないようにしておこう。その前に頭の穴塞がないと脳みそが全部零れちゃうしね。


「それで、今日は何か用事? 久しぶりに出てきたような気がするけど」

「えー? 君がお願いして来たのに忘れたのー? ナーちゃんの様子を定期的に報告してくれって言ってたよねー?」

「えっ、そんな事言ったっけ?」


 ヤバい、覚えてないぞ? そもそも前回会ったのっていつだっけ? 結構前だからマジで忘れたわ。脳みそ零れたのも関係してるだろうけど。


「んー、この頭かなー? 物覚えが悪いのはこの脳みそかなー?」

「あひいっ!?」


 ちょっとお気に召さない答えだったみたいで、若干笑顔が固くなったデュアリィ様は更に頭に指を突き刺してきた。おかげで僕の頭は左右に穴が出来ちゃったよ。人の頭ってこんなに穴が開いて大丈夫だっけ?


「あっ、あっ、あっ! あー、分かった分かった思い出した! 思い出したからやめて頭バカになっちゃう!」

「もうおバカになっちゃえー」


 そしてグリグリクチュクチュしてくるんだから酷いよね? 人の脳みそを練って美味しいね●ね●ね●ねか何かと勘違いしてない?

 でもおかげで思い出した。前にデュアリィ様と会ったのは、駄女神様にあえて興味無さげな振りをするっていう駆け引きをした後。僕の真意が分からずその真意を尋ねに来たんだった。

 そんで駄女神様の様子を定期的に教えてってお願いしたんだが……初回報告が遅すぎん? ここまで遅かったら忘れても仕方ないだろ。やっぱ神様の時間感覚ってクソだわ。


「はあっ、酷い目にあった……」

「神様との約束を忘れてたお仕置きでーす。ぷんぷん」


 頬を膨らませてご機嫌斜めな感じのデュアリィ様を尻目に、僕は頭に開いた風穴を塞ぐ。

 何かだいぶ頭が軽くなった気がする。体感三割くらい脳みそが零れ出たんじゃない? 夢の中だから大丈夫とはいえ、本当に容赦ねぇなこのマジモンの邪神は……。


「それで? 僕がつれない態度を取った結果、女神様に何か変化はあった?」

「それがねー、ちょっと色気づいちゃった感じ? 私の世界を覗いたり、私に色々尋ねたりして、男の子が喜ぶ事を調べてるみたいなんだー。健気で可愛いよねー?」

「ほうほう、それはまた……」


 やっぱり駄女神様は単純っぽい。僕がちょっと駄女神様から興味を失った振りをしただけで、慌てて興味を引こうと頑張ってるみたいだ。一瞬前までむくれてたデュアリィ様が花がほころぶような笑みを浮かべた辺り、相当愉快で堪らない様子だったんだろう。

 ただ頑張ってる割にはやっぱり時間感覚はアレですね……。


「ちなみにデュアリィ様は何て答えたの?」

「エッチな恰好でのストリップダンスって答えたよー」

「それは……いや、何も間違ってないな?」


 とんでもねぇ答えに反射的に否定しそうになるが、冷静に考えれば何も間違ってない。美少女が目の前でストリップダンスして喜ばないのは同性愛者くらいだ。まともな男なら興奮するのが当然だよ。


「でしょー? ナーちゃんは顔真っ赤にしてたけどねー。可愛かったなー?」

「ふーむ……じゃあ次に女神様に会った時は、ストリップダンスを披露してくれる可能性が微レ存……?」

「その時は私も見学するねー。ナーちゃんのおっぱいにお金挟むんだぁ」

「いやいや、挟むほどの乳は無いでしょ?」

「あっ、そっかぁ。うふふー」


 二人で駄女神様のストリップショーを妄想し、下品にゲラゲラ笑い合う。まな板みたいなお胸の駄女神様の身体じゃあ、お捻りを挟むところは無いもんね? あれじゃあ脇を締めて胸肉を寄せても谷間すら出来ないもん。

 あっ、でも一時期ミニスの信仰のせいで巨乳になってた事があるな? あれなら挟めるが……駄目だな。それは貧乳キャラに胸を盛るような、人道に悖る行為だ。幾ら僕でもやっちゃいけない行為だし、戦争が始まってもおかしくないレベルの畜生の行いだ。

 だからお捻りを挟む事は出来ないね? デュアリィ様なら余裕で挟めるんだが……。


「……そうだ! デュアリィ様も一緒にストリップダンスすれば良いんじゃない!? そうして恥ずかしがる駄女神様を自分の手で脱がしていくってのはどうよ!?」

「わぁ。ナーちゃんだけじゃなくて、私のエッチな姿も堪能しようとしてるー。仮にも女神二人を同時に辱めようなんて、人間の欲深さって限りが無くて尊敬しちゃうよー。生きてて恥ずかしくないのー?」


 天啓を得た僕がそう提案すると、デュアリィ様はニコニコ笑顔で毒を吐く。

 でも所詮人の生きる意味なんて欲望を満たす事だもんね。欲に忠実とはつまり、真剣に生きているという事。恥ずかしくなんてあるわけがない。


「お褒め頂きどうも。それで、どうよ?」

「うーん……私は別にそれでも構わないよー? 特等席でナーちゃんの恥ずかしがる姿を楽しめるって事だし」

「その言葉を聞きたかった」


 あっさり受け入れて貰えて、喜びのあまりちょっと涙が滲んじゃう。

 羞恥心とか無いのかってちょっと疑問に思うけど、まあ異常者には稀にある事だ。キラとかが恥ずかしがる所は見た事無いしね? そこへ行くと羞恥心がある奴らはまだまともって事……?


「でも、あのナーちゃんがそこまでしてくれるかなー?」

「うーん、確かにそこがネックだね。もう何度か興味を失った振りをしてみるか……?」


 ちょっとそういう素振りを見せただけで、男の喜ぶ事を勉強し始めた駄女神様だ。もう何度か繰り返せばマジでやってくれる可能性もある。

 ただ完全に興味を失ったと判断されるのもそれはそれでマズい。元々僕は女神様を手に入れるっていう報酬が前提で、世界平和の実現に挑んでるんだ。女神様への興味を失ったなら世界平和への情熱が消え失せ、利用価値の無い存在になったって事だ。

 あのお人好しで甘ちゃんな女神様が早々に切り捨てるとは思えないけど、それは絶対に避けないといけないからやり過ぎは良くないな? うーん、どうすれば良いんだろ……。


「むしろ私に目移りしてきた感じの反応すれば良いんじゃないかなー? きっとナーちゃん焦るよー?」

「わぁお、デュアリィ様ったら鬼畜。でもそこが良いね!」


 しかしそこで素晴らしいアイデア。他の女に魅了されたっていう展開だ。これなら駄女神様も僕を振り向かせるために頑張ってくれるかもしれないね!

 あれ、でも一緒にストリップダンスするなら意味無くない? 女神二人の官能の舞は実現しないのか? そんなのやだ! 何としても二人に目の前で脱ぎながら踊って貰うんだいっ!

 そんなこんなで、僕らはしばし相談を続けた。いかにして駄女神様に危機感を覚えさせ、自らエッチな事をさせるかっていうゲスの極みみたいな事に関してね。お互いに見たいものはほぼ同じだから、お話は大変盛り上がったよ。何か最後の方はただの性癖談義になった気がするけど。


「……さーて、それじゃあそろそろ時間かなー?」


 やがて楽しい時間は終わりを告げ、別れの時がやってくる。それすなわち脳クチュの時。

 ゆらりと立ち上がったデュアリィ様は、実に良い笑顔で素振りを始めてたよ。人差し指を伸ばした状態で手をぶんぶんと振ってね。手には何も持ってないはずなのに、思わず剣か何かを幻視するくらい恐ろしかったぞ……。


「あの、もうちょっと優しくお願いできない? ほら、抵抗はしないからさ――うぐっ!?」

「だーめ♡」


 両手を広げ非暴力をアピールしたものの、一切聞き入れて貰えない。容赦なく人差し指をこめかみに、しかも左右両方に突き刺された。三秒くらいで死んじゃう秘孔突かれてない、これ!?


「本当に抵抗しないなら考えてあげても良かったよー? でも抵抗しないなんて言いながら、私との記憶をしっかり魂に刻みつけちゃってるんだもん。悪い子にはお仕置きしなきゃねー?」

「あっあっ、何で、バレたぁ……!?」


 そう、この僕が無抵抗主義なんてありえない。無抵抗を装いつつ、デュアリィ様との邂逅の記憶を持ち帰る策を講じてたんだよ。記憶を奪われるなら、魂の方に記憶を刻み付ければ良いんじゃねって思ったから。

 どっちからも奪われてたなら無意味な行為だけど、デュアリィ様の反応からすると奪ってたのは脳の中の記憶だけっぽいかな? となると元々魂には記憶が残ってて、引き出せなくなってるだけの可能性が微レ存……?


「ふふっ。私に隠し事するなんて数百億年早いよー?」

「ううっ、ちくしょう! 次こそは、次こそはあああぁぁぁあっあっあっ――」


 この失敗を活かして次なる手段を考えようとするけど、脳みそかき混ぜられてるせいで頭が働かない。しかも段々と意識が薄れて行く。

 やっぱり人は神には勝てないという事なのだろうか。だとしたらもう人間辞めるか神を引きずり下ろすくらいしかないじゃん。無理ゲーじゃん……。 


 20章終了。ハニエルが全てを持っていった気がする章でした。次章では残念イケメンキャラが定着しているアイツが、遂に全盛期並みの活躍をする……かもしれない。

 ただし次章は更新停止期間を挟み、9月1日からの投稿の予定です。何か異様に間が空くのは間に購入予定のゲームソフトがあるからです。しかも三本。なので執筆も遅れ気味になるのです。申し訳ない……。


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