個性的な龍達
ドラゴンが居座っていた場所、ここはかなりの熱があったはずなのだが俺はなにも感じなくなっていた。
心地いいぐらいだ。
まあ、だからと言ってここに長居するつもりはない。
ここからさらに先を進むことに決めたのだ。
道中は特になにもなかった。熔岩が流れていたり、噴き出したり、木が燃えていたりしているのは最早慣れるのにそう時間はかからなかった。
こんなにも長く続く代わり映えしない景色なのだ。さすがに慣れるだろう。
しかし、そんな場所を長時間進み続けるとやがて景色も変わってくる。もっとも俺がゴキブリだから長時間進むのは仕方ないにしてもそれを考慮しての話だ。
さて、この先に広がる景色は今までの光景が嘘のようだ。
さっきの場所の真逆、吹き荒ぶ吹雪と言うよりも人の身を蜂の巣にするかの様な勢いの氷針。
辺り一面が白銀の世界で埋め尽くされていた。
木なども芯まで凍り付いているだろう。触れれば直ぐに崩れ去る程のものだ。
俺はそんな場所を歩いている。
いや、いきなりこんな状況に陥ったわけではなくて徐々に進むにつれてこうなったのだ。
そして、どうやら俺はこんな環境にも適応したらしい。さっきの場所も思ったけど、俺の体が環境に慣れるのが速すぎてちょっとビビる。さすがにいきなり切り替わっていたら無事ではいられなかっただろうけどね。
さすがにこんな風に景色がガラリと変わると少し笑ってしまうが、恐らくこのまま進めばまた、ドラゴンがいるんだろうなぁ〜、と思ってしまうのは仕方がないと思うんだ。
炎に対して氷。
そういうのは嫌いじゃないけど自分に降りかかってくるのはさすがにちょっとショックだ。
そんな事を考えながらの移動だった訳だが。
俺の、予想はなかなかに的を射ていた様だ。いや、的中していた。
『ここに、生物が紛れ込むなんて初めてのことだ』
そこにいたのは、ビジュアルがすっごいカッコイイ炎龍と違って、綺麗さが目立つ。ただ、炎龍は、攻撃に特化していたのだろう。だけど、こいつは防御に特化していそうだ。
どうやって倒そうかと、考えを巡らせるけど、そんなに警戒しなくてもいい気がする。
多分、炎龍より弱い。確実な証拠とかはないけど、そんな風に感じることができる。
それに、今回は魔法もだいぶ使い慣れてきた。
前回同様、俺の存在に気づくのはもう、割り切ろうと思う。
しかし、このドラゴン、なんか……。
『とても興味深い。生物なんて見たことがないよ。君のような矮小なものでも生物だけどもっとマシなものはいなかったのだろうか? 僕が初めて見る生物がこんな珍妙な生物だなんて僕はガッカリだよ』
酷い言われようだよな……。
まあ、いいや。
こいつはちょっと関わりたくないタイプだからたったと潰す。
『しかも対話もできない相手。もう、どうしよもないね。仕方がない。一応、そういう決まりだからここからは、排除するこぶべらっ!?』
ドラゴンはその大きな巨体を大きく仰け反らせてたたらを踏む。
俺がしたことといえば簡単だ。
地面から鋭く尖った大地を突き刺したのだ。アースニードルといったところだろう。
しかし、本当に硬いな。
『人が話している途中で攻撃を仕掛けるとはどうい』
ドサッ。
話の途中で話し声が聞こえなくなった。
いや、まさか魔力を大量に注いだ灼熱の空気で作った刃こんなにも効くとは……。
やってしまったものはしょうがないか。
それより、話ぐらい聞いてやれとか思われたらそれはちょっと心外だよ。
まず、炎龍は問答無用でこっちを排除しにかかってきたし、今回はなんか悦に浸ってたぞ? 自分で語るのがさそがし気持ちがいいのだろう。
虫に口無し、価値なし。
そんな態度をされたのなら死人に口無し状態にするのが上等だ。
まあ、そんなこんなであっさりと殺されてくれたドラゴンの事は良いのだよ。
途中までしっかりと食べて残りを無限収納に入れる。
さて、余り疲れてないしさっさと移動しようかね。ちなみにレベルは百になっていた。
ということで、生き生きとしていた森を抜けて、暑過ぎて死んでいた大地の先の寒過ぎて死んでいた大地の更に向こうにはなにもなかったということになりました。
いや、本当になにもないんだよ。
地面はなんか真っ白だし、上には真っ暗な空。
まあ、なにもないっていったのは流石に言い過ぎではあるけどさ。
こんな、怪しげな宮殿を見つければねぇ……。
明らかに何かが封印されてる感じがするんだよなぁ。
触らぬ神に祟りなしとはよくいったものだけど、俺はそんな非情なことはできそうにないよ! 神様を無視するなんてそんな酷いことをするなんて酷い考え方だよね!
ちなみにだからって女神にあんな言い方は良いのかとか余計な事は言わないでね?
さもないと君の足元まで忍び寄るぞ? これでも神出鬼没な俺だぜ?
まあ、とりあえずこの宮殿の中に入ってみようかと思っていたんだけど……。
『ヒャッホーウ!!!!』
凄まじい突風と落雷と共にズドーンと目の前にいきなり現れたドラゴン。
見た感じ風と雷を扱うドラゴンのようだ。
それにしても、とんでもないスピードとテンションだな……。
『いやいや、初めての客が変な奴でちょっと戸惑いながらも俺っちが即座にお出迎えしちゃいましタ!』
な、なんか凄い残念な感じするんだけど……。
炎龍より凄いカッコいい風貌なのに。
『お? そんなカッコイイなんて照れるじゃないかぁ! 俺っちは楽しいことが好きなだけだゼ!』
思考読まれた!
てか、初めて会話が成り立ったぞ。こんな奴なのに、他の2匹は直ぐに突っかかってきたのにこんなのが初めてとかショックだわ。
俺がそう考えてると、なにやら雷龍? の雰囲気が変わった。
『なんか、落ち込んでるところ悪いけど他の2匹ってのはレングとホックかい? あいつら今どうしてるんだ?』
恐らくあの2匹の名前だろう。
……半分腹の中だとはとてもではないが言えない。あっ……。
『喰ったのか……。ハア……挑戦者は挑戦者ってところか。こんなちびっこいのが初めての客ってのが癪だがしょうがねぇ。捻り潰してやる!』
そう言って地面から飛び立ち、こちらに向かって来る。
とてつもない早さだけど俺はただ普通長い道程歩いて来たわけじゃない。
『な、どこにいきやがった! ぶべぇっ!』
俺は魔力の使い方を練習していたのだ。
だから今までにない速さと硬さをも手に入れることができた。
しかし、こいつ他の奴より強いな。
『やるじゃねえか。雷纏!』
雷龍かそう唱えると放電現象が龍の全身を覆う。
これは少し面倒なことになったかもな……。
さて、どうするか。
『クソ小せえのになかなか強いみたいだが、俺はレングとホックと違って油断はしねえ。こっから第二ラウンドだ!』
恐らく今までで1番のピンチが俺に襲いかかった。
何も考えずに書き始めたものなので続きとかどうしようと悩んでます。
まあ、ゆっくり更新していこうと思います。
短かったり長かったりするかもしれませんが……。




