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ある日唐突に、一人の転校生がやって来ました。

五和純という女の子です。

私もそうですが、他のクラスメイトも衝撃を受けました。

極めつけの美少女。

とにかく元気でとにかく明るい。

そして西洋人の血が混じっているのではないかと思えるほどの美形なのに、かなり独特で耳触りのいいアニメ声。

その子がクラス中、いや学校中の人気者になるまでに、そう時間はかかりませんでした。

男子はもちろんのこと、それ以上に女子からの人気がありました。

驚くほどに話が上手で面白く、個性的な声とも相まって、純ちゃんの話には誰もが引き込まれまたものでした。

休み時間になる度に純ちゃんの下に多くの女子が集まり、そのまわりを男子が取り囲むという風景が見られるようになりました。

その上廊下から彼女を眺める他クラスの生徒が何人もいました。

世の中ではカリスマと言う言葉が、まるで閉店投売りのように数多く使われていますが、私は十七歳にして本物のカリスマに出会ったのです。

当然のことながら、多くの生徒が純ちゃんと仲良くなりたがりました。

その中でこの私がいつのまにか、純ちゃんと一番の仲良しになっていたのです。

その理由は私にはさっぱりわかりませんでした。

私は特に目立つタイプでもなく、人より個性的というわけでもない、極めて平凡な女子高生でしたから。

ですからいまいち純ちゃんと仲良くなりきれていない人から「どうやったら純ちゃんとそんなに仲良しになれるの？」と聞かれたことが幾度となくありましたが、そんなのは私が聞きたいくらいです。