【衝撃】アンドゥオール、「回せ」って言われて回してる奴、全員間違ってる
「先生、アンドゥオール、もっと回せって言われます!」
若い奴がよく言う。
で、見せてもらうと、足首だけグリグリ回してる。
俺、その時何て言うと思う?
「その足首、いつ壊すの?」
また空気凍った。
でもな、これが現実なんだよ。
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ある日、病院で見た「悲劇」
今からもう10年くらい前になる。
ある病院で、バレエダンサーの治療を見学した時の話だ。
大学生の女の子。
アンドゥオールを頑張りすぎて、足首を壊したらしい。
医者が言った。
「無理に回しすぎですね。靭帯がもうボロボロですよ。」
その子、泣きながら言った。
「でも先生が『もっと回せ』って…」
俺、その時、腹が立ったよ。
教える側が「もっと回せ」だけ言って、
「どうやって回すか」を教えてない。
それ、ただの虐待だ。
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アンドゥオールを日本語に訳してみろ
まずは基本から行くぞ。
アンドゥオール(en dehors)
フランス語で「外へ」。
バレエ用語で「ターンアウト(開脚)」のこと。
多くの人は「足を外に回すこと」だと思ってる。
でもな、それ、間違いなんだよ。
アンドゥオールは「結果」であって「原因」じゃない。
何が原因か?
それはな…
股関節から始まる「連鎖」だ。
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ワガノワ式アンドゥオール、5段階の順番
よし、じゃあ教える。
ワガノワで何年もかけて叩き込まれる、
アンドゥオールの「本当の順番」だ。
これを間違えると、怪我するぞ。
第1段階:「骨盤」を立てる
最初にやることは、足を回すことじゃない。
骨盤を「ニュートラル」にすることだ。
骨盤が前に傾いてる(反り腰)と、
股関節の可動域が狭くなる。
骨盤が後ろに傾いてる(猫背)と、
これもダメ。
まずは骨盤を立てろ。
おへそを背骨に近づけるイメージだ。
ここがズレてる奴は、その後の全てがズレる。
第2段階:「大転子」を意識する
骨盤が立ったら、次は「大転子」だ。
大転子ってわかるか?
太ももの付け根の、外側に飛び出てる骨だ。
ここを後ろから前に回すイメージ。
「外に開く」んじゃない。
「後ろから前に持ってくる」んだ。
この感覚、最初は難しい。
でもここができない奴は、
ずっと「無理やり回す」ことになる。
第3段階:「膝」を整える
大転子が前に来たら、
次は膝の向きを確認する。
膝が内側に入ってないか?
つま先の方向と膝の方向、合ってるか?
アンドゥオールで一番多い間違いは、
「膝を犠牲にすること」だ。
股関節が開いてなくても、膝さえ無理やり向ければ、
なんとなく「開いてる風」に見える。
でもな、それ、膝を殺してるだけだ。
数年後、笑えなくなるぞ。
第4段階:「足首」は最後
ここでやっと足首の登場だ。
でもな、ここが一番大事。
足首は「回す」んじゃない。
「置く」んだ。
股関節が開いて、
膝の向きが決まったら、
足首は自然にその方向を向く。
「もっと回せ」って無理に足首を捻るな。
それは「アンドゥオール」じゃない。
「足首破壊運動」だ。
第5段階:「床をとらえる」
最後の仕上げ。
足の裏で床をとらえる感覚。
土踏まずはつぶれてないか?
小指側に体重が乗ってないか?
親指の付け根は床に着いてるか?
ここまで来て初めて、
「アンドゥオールができた」と言える。
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ある日のレッスン、伝説の一言
俺がキーロフで若手だった頃、
ある老師にアンドゥオールを教わった。
俺、当時は「もっと開きたい!」って必死で、
無理やり膝を開こうとしてた。
老師、それを見て、こう言った。
「お前、木を引っ張ってるぞ。」
意味がわからなくて、聞き返した。
「木を引っ張ると、どうなる?」
「根っこが切れる。」
そう言われて、ハッとした。
無理に外から引っ張る(膝や足首を回す)と、
根っこ(股関節)が切れる。
逆に、根っこから育てれば、
自然に外側はついてくる。
アンドゥオールは「引っ張る」ものじゃない。
「育つ」ものなんだ。
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よくある間違い、3つ
ここでよくある間違いを教えてやる。
自分に当てはまるか、チェックしろ。
間違い1:「足首から回す」
アンドゥオール=足首を捻ること、と思ってる奴。
結果、足首が痛くなる。靭帯を傷める。
直すには、足首より先に「股関節」を意識しろ。
間違い2:「膝を無理やり開く」
股関節が開いてないのに、膝だけ開こうとする奴。
結果、膝を壊す。半月板を痛める。
直すには、膝を「結果」にしろ。原因は股関節だ。
間違い3:「おしりを締める」
アンドゥオール=おしりをギュッと締める、と思ってる奴。
結果、股関節が逆に動かなくなる。
直すには、おしりを「締める」んじゃなくて「下ろせ」。
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子どもに教える時、どうするか
ここで実践的な話をしよう。
子どもにアンドゥオールを教える時、どうするか。
まず、「回せ」って言うな。
子どもは「回す=捻る」って理解するから、
足首をグリグリし始める。
代わりに、こう言え。
「太ももの付け根から、後ろに回してごらん」
「膝がつま先と同じ方向を向いてるか見てみよう」
「足の裏で床をギュッとしてみよう」
「回す」という言葉を使わない。
「連鎖」として教えるんだ。
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結論:アンドゥオールは「連鎖」であり「結果」である
よし、まとめるぞ。
アンドゥオールは「回す」ことじゃない。
骨盤 → 大転子 → 膝 → 足首 → 床
この5段階の連鎖の「結果」として現れるものだ。
この順番を無視して「とにかく回せ」は、
ダンサーの身体を壊すだけだ。
ワガノワが厳密な順番を求める理由。
それはな、「安全」 と 「持続可能性」 のためなんだ。
派手なアンドゥオールを短期間で作るんじゃない。
10年後、20年後も踊り続けられる身体を作る。
それがワガノワの考え方だ。
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