↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワガノワ・メソッド:キーロフ出身の漢がバレエの真実をぶった切る  作者: はまゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/23

第20話 【年齢別】6歳と16歳、「同じ教え方」してる奴、全員子どもを嫌いにさせてる。

「先生、6歳と16歳、どう教えればいいんですか?」


若い先生に聞かれた。

「同じことを言ってるのに、6歳には通じなくて…」って。


俺、その時、こう言った。


「同じこと言ってる時点で、間違いだ。」


「え?」


「6歳と16歳では、『わかる』が違う。

同じ言葉で伝わるわけがないだろう。」


そう、年齢が違えば、

「理解の仕方」も「身体の状態」も「モチベーション」も、

全てが違うんだ。


---


ある日、見た「悲劇のレッスン」


今からもうずいぶん前になる。

あるスタジオで、6歳と16歳が同じクラスで教えられてるのを見た時の話だ。


先生が言う。

「アンドゥオール、もっと深く!」


16歳はわかる。

でも6歳はキョトンとしてる。


先生が言う。

「お腹を引き上げて!」


16歳はやる。

でも6歳はお腹を凹ませるだけ。


終わった後、6歳の子がお母さんに言った。

「バレエ、わかんない…つまんない…」


その日、その子はバレエを辞める決心をした。


先生は悪くない。

でも、6歳に「16歳の言葉」で話してた。


それだけのことが、子どもの「バレエ嫌い」を生むんだ。


---


6歳と16歳の「7つの違い」


よし、じゃあ教える。

6歳と16歳の「決定的な違い」だ。


違い1:「身体の状態」


6歳:

・筋肉が未発達

・関節がゆるい

・重心が高い

・集中力が15分


16歳:

・筋肉が発達してる

・関節が安定してる

・重心が低い

・集中力が45分


同じ「アンドゥオール」でも、

6歳に「深く」はできない。

まずは「外を向く」ことから。


違い2:「言葉の理解」


6歳:

・抽象的な言葉が通じない

・「肩甲骨」はわからない

・「比喩」で理解する


16歳:

・抽象的な言葉が通じる

・「肩甲骨」もわかる

・「理由」で理解する


6歳に「背中を使え」は通じない。

代わりに「翼を広げて」と言え。


違い3:「集中力」


6歳:

・集中が続かない(15分が限界)

・飽きやすい

・遊びの中で覚える


16歳:

・集中が続く(45分以上)

・飽きにくい

・努力の中で覚える


6歳に「もっと真面目に」は通用しない。

「ゲーム」にして覚えさせろ。


違い4:「モチベーション」


6歳:

・「楽しい」が原動力

・お母さんに褒められたい

・お友達と一緒が嬉しい


16歳:

・「上手くなりたい」が原動力

・自分を高めたい

・将来を見据えてる


6歳に「将来のため」は通じない。

「今、楽しい」を提供しろ。


違い5:「身体の使い方」


6歳:

・真似が得意

・感覚で覚える

・説明より体験


16歳:

・理屈で理解できる

・言葉で覚える

・説明と体験の両方


6歳には「見せて、一緒にやれ」。

16歳には「説明して、確認させろ」。


違い6:「失敗への反応」


6歳:

・失敗を気にしない

・すぐに切り替えられる

・「できた!」が大好き


16歳:

・失敗を気にする

・引きずることがある

・「わかった!」が大好き


6歳には「できた!」をたくさん与えろ。

16歳には「わかった!」をたくさん与えろ。


違い7:「教え方のポイント」


6歳:

・具体的に

・イメージで

・遊びの中で

・褒めて伸ばす


16歳:

・理論的に

・理由を添えて

・納得させて

・認めて伸ばす


この7つ、全部違うんだ。

同じ教え方で通用するわけがない。


---


年齢別・「効果的な教え方」


ここで、具体的な年齢別の教え方を教える。


4〜6歳(幼児期):「遊び」が全て


教えること:

・バレエの「楽しさ」

・身体を動かす「気持ちよさ」

・音楽に乗る「嬉しさ」


教え方:

・「ごっこ」で教えろ

・「できた!」を連発しろ

・厳しさは不要。優しさだけでいい


絶対にやるな:

・「真面目に」は禁止

・「もっと」は禁止

・「間違い」を指摘するな


この時期にバレエが「楽しい」と思えれば、

その子は長く続ける。


7〜9歳(低学年期):「体験」が鍵


教えること:

・基本の基本(ポジション、姿勢)

・身体の「使い方」の入口

・音楽との「関係」


教え方:

・「見せて、一緒にやれ」

・「感じろ」を言葉にしろ

・「できた!」を継続しろ


絶対にやるな:

・高度な技術はまだ

・厳しい指導はまだ

・競争はまだ


この時期に「できた!」の積み重ねがあれば、

その子は自信を持つ。


10〜12歳(高学年期):「理由」が通じる


教えること:

・基本の「意味」

・身体の「構造」の入口

・表現の「入口」


教え方:

・「なぜ」を説明しろ

・「こうするとどうなる」を教えろ

・「自分で考える」習慣をつけろ


絶対にやるな:

・「とにかくやれ」は禁止

・「形だけ」は禁止

・「理由なし」は禁止


この時期に「理由」を理解すれば、

その子は「考えるバレエ」を始める。


13〜15歳(中学生期):「本格」の始まり


教えること:

・技術の「本格」

・表現の「深さ」

・身体の「コントロール」


教え方:

・「理論」と「実践」の両方

・「納得」させてから動かせ

・「課題」を与えろ


絶対にやるな:

・「適当」は禁止

・「ごまかし」は許すな

・「甘え」は禁止


この時期に「本気」を経験すれば、

その子はプロの道を目指す。


16〜18歳(高校生期):「プロ」への道


教えること:

・完成度

・個性

・表現力


教え方:

・「厳しさ」と「温かさ」の両方

・「認める」と「求める」の両方

・「自立」を促せ


絶対にやるな:

・「甘やかし」は禁止

・「諦め」は許すな

・「途中で止める」は禁止


この時期に「自分の踊り」を見つければ、

その子は一生踊り続ける。


---


ある日の老師、伝説の一言


俺がキーロフで教え始めた頃、

ある大先輩に「年齢別の教え方」を聞いた。


先輩、こう言った。


「6歳には『魔法使い』になれ。

16歳には『哲学者』になれ。」


「え?」


先輩は続けた。

「6歳は『魔法』を見せて、夢中にさせろ。

16歳は『哲学』を語って、考えさせろ。


6歳に哲学は通じない。

16歳に魔法は通じない。


その子の年齢に合った『言葉』で話せ。」


この言葉、今でも忘れられない。


---


年齢別・「伝わる言葉」の具体例


ここで、同じ「腕を上げる」でも、

年齢によってどう言い換えるか、具体的に示す。


6歳に:「風船が空に上がっていくみたいに〜」


「手のひらに風船を乗せて、ふわふわ上がってくよ」


10歳に:「腕を上げると、背中が伸びるよ」


「背中がピンと伸びるのを感じてごらん」


16歳に:「肩甲骨を動かしながら、腕を上げて」


「上げる前に、まず背中から動かす意識を持て」


同じ「腕を上げる」でも、

言葉が違う。伝え方が違う。


これが「伝わる指導」の秘訣だ。


---


結論:「年齢に合わせろ」それがプロの条件


よし、まとめるぞ。


6歳と16歳は、同じ人間じゃない。

・身体が違う

・言葉が違う

・心が違う


同じ教え方で通用するわけがない。


6歳には「遊び」を。

10歳には「体験」を。

13歳には「理由」を。

16歳には「哲学」を。


年齢に合わせて、教え方を変えろ。


それができない先生は、

「教えるプロ」とは呼べない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。