第20話 【年齢別】6歳と16歳、「同じ教え方」してる奴、全員子どもを嫌いにさせてる。
「先生、6歳と16歳、どう教えればいいんですか?」
若い先生に聞かれた。
「同じことを言ってるのに、6歳には通じなくて…」って。
俺、その時、こう言った。
「同じこと言ってる時点で、間違いだ。」
「え?」
「6歳と16歳では、『わかる』が違う。
同じ言葉で伝わるわけがないだろう。」
そう、年齢が違えば、
「理解の仕方」も「身体の状態」も「モチベーション」も、
全てが違うんだ。
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ある日、見た「悲劇のレッスン」
今からもうずいぶん前になる。
あるスタジオで、6歳と16歳が同じクラスで教えられてるのを見た時の話だ。
先生が言う。
「アンドゥオール、もっと深く!」
16歳はわかる。
でも6歳はキョトンとしてる。
先生が言う。
「お腹を引き上げて!」
16歳はやる。
でも6歳はお腹を凹ませるだけ。
終わった後、6歳の子がお母さんに言った。
「バレエ、わかんない…つまんない…」
その日、その子はバレエを辞める決心をした。
先生は悪くない。
でも、6歳に「16歳の言葉」で話してた。
それだけのことが、子どもの「バレエ嫌い」を生むんだ。
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6歳と16歳の「7つの違い」
よし、じゃあ教える。
6歳と16歳の「決定的な違い」だ。
違い1:「身体の状態」
6歳:
・筋肉が未発達
・関節がゆるい
・重心が高い
・集中力が15分
16歳:
・筋肉が発達してる
・関節が安定してる
・重心が低い
・集中力が45分
同じ「アンドゥオール」でも、
6歳に「深く」はできない。
まずは「外を向く」ことから。
違い2:「言葉の理解」
6歳:
・抽象的な言葉が通じない
・「肩甲骨」はわからない
・「比喩」で理解する
16歳:
・抽象的な言葉が通じる
・「肩甲骨」もわかる
・「理由」で理解する
6歳に「背中を使え」は通じない。
代わりに「翼を広げて」と言え。
違い3:「集中力」
6歳:
・集中が続かない(15分が限界)
・飽きやすい
・遊びの中で覚える
16歳:
・集中が続く(45分以上)
・飽きにくい
・努力の中で覚える
6歳に「もっと真面目に」は通用しない。
「ゲーム」にして覚えさせろ。
違い4:「モチベーション」
6歳:
・「楽しい」が原動力
・お母さんに褒められたい
・お友達と一緒が嬉しい
16歳:
・「上手くなりたい」が原動力
・自分を高めたい
・将来を見据えてる
6歳に「将来のため」は通じない。
「今、楽しい」を提供しろ。
違い5:「身体の使い方」
6歳:
・真似が得意
・感覚で覚える
・説明より体験
16歳:
・理屈で理解できる
・言葉で覚える
・説明と体験の両方
6歳には「見せて、一緒にやれ」。
16歳には「説明して、確認させろ」。
違い6:「失敗への反応」
6歳:
・失敗を気にしない
・すぐに切り替えられる
・「できた!」が大好き
16歳:
・失敗を気にする
・引きずることがある
・「わかった!」が大好き
6歳には「できた!」をたくさん与えろ。
16歳には「わかった!」をたくさん与えろ。
違い7:「教え方のポイント」
6歳:
・具体的に
・イメージで
・遊びの中で
・褒めて伸ばす
16歳:
・理論的に
・理由を添えて
・納得させて
・認めて伸ばす
この7つ、全部違うんだ。
同じ教え方で通用するわけがない。
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年齢別・「効果的な教え方」
ここで、具体的な年齢別の教え方を教える。
4〜6歳(幼児期):「遊び」が全て
教えること:
・バレエの「楽しさ」
・身体を動かす「気持ちよさ」
・音楽に乗る「嬉しさ」
教え方:
・「ごっこ」で教えろ
・「できた!」を連発しろ
・厳しさは不要。優しさだけでいい
絶対にやるな:
・「真面目に」は禁止
・「もっと」は禁止
・「間違い」を指摘するな
この時期にバレエが「楽しい」と思えれば、
その子は長く続ける。
7〜9歳(低学年期):「体験」が鍵
教えること:
・基本の基本(ポジション、姿勢)
・身体の「使い方」の入口
・音楽との「関係」
教え方:
・「見せて、一緒にやれ」
・「感じろ」を言葉にしろ
・「できた!」を継続しろ
絶対にやるな:
・高度な技術はまだ
・厳しい指導はまだ
・競争はまだ
この時期に「できた!」の積み重ねがあれば、
その子は自信を持つ。
10〜12歳(高学年期):「理由」が通じる
教えること:
・基本の「意味」
・身体の「構造」の入口
・表現の「入口」
教え方:
・「なぜ」を説明しろ
・「こうするとどうなる」を教えろ
・「自分で考える」習慣をつけろ
絶対にやるな:
・「とにかくやれ」は禁止
・「形だけ」は禁止
・「理由なし」は禁止
この時期に「理由」を理解すれば、
その子は「考えるバレエ」を始める。
13〜15歳(中学生期):「本格」の始まり
教えること:
・技術の「本格」
・表現の「深さ」
・身体の「コントロール」
教え方:
・「理論」と「実践」の両方
・「納得」させてから動かせ
・「課題」を与えろ
絶対にやるな:
・「適当」は禁止
・「ごまかし」は許すな
・「甘え」は禁止
この時期に「本気」を経験すれば、
その子はプロの道を目指す。
16〜18歳(高校生期):「プロ」への道
教えること:
・完成度
・個性
・表現力
教え方:
・「厳しさ」と「温かさ」の両方
・「認める」と「求める」の両方
・「自立」を促せ
絶対にやるな:
・「甘やかし」は禁止
・「諦め」は許すな
・「途中で止める」は禁止
この時期に「自分の踊り」を見つければ、
その子は一生踊り続ける。
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ある日の老師、伝説の一言
俺がキーロフで教え始めた頃、
ある大先輩に「年齢別の教え方」を聞いた。
先輩、こう言った。
「6歳には『魔法使い』になれ。
16歳には『哲学者』になれ。」
「え?」
先輩は続けた。
「6歳は『魔法』を見せて、夢中にさせろ。
16歳は『哲学』を語って、考えさせろ。
6歳に哲学は通じない。
16歳に魔法は通じない。
その子の年齢に合った『言葉』で話せ。」
この言葉、今でも忘れられない。
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年齢別・「伝わる言葉」の具体例
ここで、同じ「腕を上げる」でも、
年齢によってどう言い換えるか、具体的に示す。
6歳に:「風船が空に上がっていくみたいに〜」
「手のひらに風船を乗せて、ふわふわ上がってくよ」
10歳に:「腕を上げると、背中が伸びるよ」
「背中がピンと伸びるのを感じてごらん」
16歳に:「肩甲骨を動かしながら、腕を上げて」
「上げる前に、まず背中から動かす意識を持て」
同じ「腕を上げる」でも、
言葉が違う。伝え方が違う。
これが「伝わる指導」の秘訣だ。
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結論:「年齢に合わせろ」それがプロの条件
よし、まとめるぞ。
6歳と16歳は、同じ人間じゃない。
・身体が違う
・言葉が違う
・心が違う
同じ教え方で通用するわけがない。
6歳には「遊び」を。
10歳には「体験」を。
13歳には「理由」を。
16歳には「哲学」を。
年齢に合わせて、教え方を変えろ。
それができない先生は、
「教えるプロ」とは呼べない。




