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ワガノワ・メソッド:キーロフ出身の漢がバレエの真実をぶった切る  作者: はまゆう


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第18話 【自己分析】プロは「間違い」を「宝物」に変える。素人は「間違い」を「恥」にする。

「先生、自分で自分の間違いに気づく方法ってありますか?」


若い奴に聞かれた。

「先生に『ここ違う』って言われるまで、気づかないんです…」って。


俺、その時、こう言った。


「お前、自分の身体を『他人事』にしてないか?」


「え?」


「自分の身体なのに、自分が一番わかってない。

それ、おかしいと思わないか?」


そう、多くのダンサーは、

自分の身体のことを「一番知らない」んだ。


---


ある日、見た「気づかないダンサー」


今からもうずいぶん前になる。

あるマスタークラスで、自分が間違ってることに全く気づかないダンサーを見た時の話だ。


彼女はアラベスクをやってた。

後ろ脚が高く上がってる。

腕もきれい。

形は「完成」してる。


でもな、見てて「なんか変」。


先生が言った。

「肩、上がってますよ。」


彼女、鏡を見て言った。

「え? 上がってます? 見えないんですけど…」


彼女は「自分の肩が上がってる」ことを、

「見えない」から「事実じゃない」と思ってた。


でも、鏡に映ってないだけ。

後ろから見たら、肩は明らかに上がってた。


彼女は「見えるもの」だけを信じてた。

「感じるもの」を信じてなかったんだ。


---


なぜ「自分の間違い」に気づけないのか?


よし、じゃあ教える。

自分の間違いに気づけない「3つの理由」だ。


理由1:「見えるもの」に頼りすぎる


多くの人は「鏡」で確認する。

鏡に映ってるものが「正しい」と思ってる。


でもな、鏡に映るのは「表」だけだ。

・背中は映らない

・肩甲骨の動きは映らない

・筋肉の使い方は映らない


鏡は「一部分」しか見せてくれない。


鏡に頼りすぎると、

「見えない部分」の間違いに気づけない。


理由2:「正しい感覚」を知らない


これ、一番多い。


「正しい」状態がどういう感覚か、

知らないから、間違いに気づけない。


例えば、アラベスクの「正しい肩」の感覚:

・肩甲骨が背中に乗ってる

・首が自由に動く

・鎖骨が横に伸びてる


この感覚を知らないと、

肩が上がってても「これが普通」と思ってしまう。


「正しい感覚」を知らないと、

「間違ってる感覚」にも気づけない。


理由3:「間違いを認めたくない」


これは心理的な壁だ。


「自分は間違ってる」と認めるのは、辛い。

「自分はできてる」と思いたい。


だから、無意識に「間違い」から目をそらす。


「ちょっとくらい肩が上がってても…」

「これくらいなら大丈夫…」


でもな、その「ちょっと」の積み重ねが、

「大きな間違い」になるんだ。


---


自己分析力を上げる「3つのステップ」


よし、じゃあ教える。

自分の間違いに気づけるようになる「3つのステップ」だ。


ステップ1:「基準」を身体に刻め


最初にやること。

「正しい状態の感覚」を身体に刻め。


どうやって?


「先生の真似をしろ」


先生が正しい状態でやってる時、

その「身体の感覚」を覚えろ。


・肩がどういう位置にあるか

・背中がどういう状態か

・重心がどこにあるか


「見た目」じゃない。

「感覚」だ。


先生の身体の使い方を、自分の身体で再現しろ。

そして、その時の「感覚」を覚えろ。


これが「基準」になる。


ステップ2:「今の自分の感覚」を言葉にしろ


次にやること。

自分の今の状態を「言語化」しろ。


・「今、肩に力が入ってる」

・「今、呼吸が浅い」

・「今、重心が後ろに下がってる」


「なんとなく違う」じゃない。

「ここがこう違う」と言え。


最初は難しくても、続けてると、

だんだん細かく言えるようになる。


ステップ3:「基準」と「今」を比べろ


最後のステップ。


ステップ1で覚えた「正しい感覚(基準)」と、

ステップ2で言語化した「今の自分の感覚」を比べろ。


・基準では「肩が下がってる」のに、今は「上がってる」

・基準では「呼吸が深い」のに、今は「浅い」

・基準では「重心が前に」あるのに、今は「後ろ」


この「差」が、お前の「間違い」だ。


「基準」があるから、「間違い」がわかる。

「基準」がないから、「なんとなく」で終わる。


---


ある日の老師、伝説の一言


俺がキーロフで若手だった頃、

ある老師が自己分析について話してくれた。


「お前は『間違い』を『敵』だと思ってる。

でもな、『間違い』は『先生』なんだ。」


「え?」


老師は続けた。

「間違いに気づけたということは、

『正しさ』に一歩近づいたということだ。


間違いを『恥』だと思うな。

間違いを『宝物』だと思え。


間違いを一つ見つけるたびに、

お前は一つ賢くなってる。」


その時、間違いに対する考え方が変わった。


間違いは「恥」じゃない。

間違いは「成長の証」なんだ。


---


「自己分析」を深めるための実践法


ここで実践的な方法を教える。


方法1:「ビデオ分析」を習慣にしろ


自分の踊りを録画して、見ろ。

そして、以下のことをノートに書け。


①「良かったところ」を3つ

②「悪かったところ」を3つ

③「次回の目標」を1つ


「悪いところ」ばかり見ると、落ち込む。

「良いところ」も見つけることで、バランスが取れる。


方法2:「練習日記」をつけろ


毎日のレッスン後、5分でいい。

以下のことを書け。


①今日の身体の調子

②気づいた間違い

③その間違いの原因


書くことで、頭が整理される。

「なんとなく」が「明確」になる。


方法3:「誰かに説明してみろ」


他のダンサーに、自分の間違いを説明してみろ。


「今日、アラベスクでこんな間違いをしたんだけど…」

「原因は多分、背中が使えてなかったからだと思う…」


人に説明することで、自分の理解が深まる。


説明できない時は、理解できてない証拠だ。


---


「間違い」を「徹底解剖」する方法


ここで、間違いを「徹底解剖」する方法を教える。


間違いを見つけたら、以下の5つの質問を自分に投げかけろ。


Q1:「何が」間違ってる?


具体的に言え。

「肩が上がってる」ではなく、

「右の肩が左より3センチ高い」くらい具体的に。


Q2:「なぜ」間違ってる?


原因を探れ。

「肩が上がってる」の原因は?

・背中が使えてない

・首が固まってる

・呼吸が浅い


Q3:「いつ」間違ってる?


タイミングを特定しろ。

「動きの最初の10%の時点で」とか、

「着地の瞬間に」とか。


Q4:「どうすれば」直る?


具体的な修正方法を考えろ。

「背中を意識して」じゃない。

「肩甲骨を背骨に近づけるイメージで」とか。


Q5:「どうやって」確認する?


次回の確認方法を決めろ。

「鏡で確認する」じゃない。

「誰かに見てもらう」とか。


この5つの質問に答えられるようになれば、

お前は「自己分析の達人」だ。


---


結論:「間違い」は「気づいた時点で、もう半分直った」


よし、最後にまとめる。


間違いに気づけないのは、恥ずかしいことじゃない。

ただ「方法」を知らないだけだ。


方法はシンプルだ。


①正しい感覚を覚える(基準)

②自分の感覚を言葉にする(今)

③基準と今を比べる(差)


この3つを繰り返せ。


そして、間違いを見つけたら、

「徹底解剖」しろ。


・何が

・なぜ

・いつ

・どうすれば

・どうやって確認する


この5つを自分に問いかけろ。


間違いは「敵」じゃない。

「先生」だ。


間違いに気づいた時点で、

お前はもう「半分直ってる」。


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