表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワガノワ・メソッド:キーロフ出身の漢がバレエの真実をぶった切る  作者: はまゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/18

第13話 【最終結論】順番教育、これがワガノワ最強の理由だった。

「先生、なんでワガノワってそこまで順番にこだわるんですか?」


若い奴に聞かれた。

「フランス派はもっと自由なのに、なんでワガノワはあんなに細かいんですか?」って。


俺、その時、こう言った。


「その『細かさ』が、お前の未来を守ってるんだ。」


きょとんとしてた。

でもな、これ、ワガノワの最も重要な秘密なんだ。


---


ある日、見た「10年後の差」


今からもうずいぶん前になる。

キーロフで、同じ年に入団した二人のダンサーを見比べた時の話だ。


Aさん。基礎の頃から順番を徹底的に守ってきた。

Bさん。「順番なんて細かいことはいいじゃん」って感じだった。


入団当時は、どっちも大差なかった。

むしろBさんの方が、動きは派手で目立ってたくらいだ。


10年後。


Aさんはプリマになってた。

怪我もほとんどない。

毎日踊ってる。毎日輝いてる。


Bさんはどうなったか?


ケガで引退してた。


肩を壊した。膝も痛めた。

「無理しすぎた」って言ってた。


でもな、違うんだ。

無理したんじゃない。

順番を守らなかったから、身体がバラバラに壊れたんだ。


この二人の差が、「順番を守るか守らないか」だけだったってことを、

俺は決して忘れない。


---


順番教育の「3つの隠された効果」


よし、じゃあ教える。

ワガノワの順番教育が、なぜ効果的なのか。

その「隠された3つの効果」だ。


効果1:「身体が『覚える』順番」


脳科学の話を少しする。


人間の脳は、「同じ順番で同じことを繰り返す」と、

その動きを「無意識」でできるようになる。


これを「自動化」って言う。


ワガノワの順番教育は、

この「自動化」を狙ってるんだ。


例えば、第1ポール・ド・ブラ。

何百回、何千回も同じ順番でやると、

「背中から腕を動かす」ことが無意識でできるようになる。


無意識でできるようになると、

脳は「もっと高度なこと」を考えられるようになる。

・音楽の解釈

・相手との関係

・感情の表現


順番は「思考のリソースを解放する」ための装置なんだ。


効果2:「ケガをしない身体」ができる


これは医学的にも証明されてる。


同じ動きを「ランダムな順番」でやると、

身体のどこかに負担が偏る。


でも、「最適化された順番」でやると、

負担が全身に分散される。


ワガノワの順番は、

100年以上かけて「最適化」されてきた。


・どの筋肉を先に使うか

・どの関節を後に動かすか

・力をどこで受け止めるか


これが全部、「ケガをしない順番」に設計されてるんだ。


「順番が細かい」と思うかもしれない。

でも、その「細かさ」が、お前の身体を守ってる。


効果3:「早く上達する」仕組み


「順番を守るなんて面倒くさい」

「自由にやった方が早く覚えられる」


そう思ってる奴、いるだろ?


でもな、これ、逆なんだ。


順番を守ると、結果的に早く上達する。


なぜか?

「順番」が「学習のハイウェイ」を作るからだ。


例えば、新しい振り付けを覚える時。

順番を守ってきた人は、「身体のハイウェイ」ができてるから、

新しい情報をすぐに「正しい場所」に配置できる。


順番を守ってこなかった人は、

毎回「ゼロから道を作る」ことになる。


どっちが早いか、分かるだろ?


順番は「遠回り」に見えて、実は「近道」なんだ。


---


ある日の老師、伝説の一言


俺がキーロフで中堅になった頃、

ある老師に「なぜそこまで順番を守らせるんですか?」って聞いた。


老師、しばらく黙ってた。

で、こう言った。


「順番を守るってことはな、『自分を信じること』なんだ。」


「え?」


老師は続けた。

「順番を守れない奴は、自分を信じられない。

『もしかしたら、他のやり方の方がいいんじゃないか』

って、いつも迷ってる。


でも、順番を守れる奴は違う。

『この順番が正しい』と信じて、迷わずやる。


その『迷わない力』が、舞台で生きるんだ。」


その時、ハッとした。


順番教育は「身体の技術」だけじゃない。

「心の技術」も育ててたんだ。


---


「順番を守る」と「融通が利かない」は違う


ここで一つ、大事な区別をしておく。


「順番を守る」ことと「融通が利かない」ことは、

全然違う。


順番を守るというのは、

「基礎の段階では決められた順番を徹底的に叩き込む」こと。


でも、それができた上で、

「表現の段階では、その順番をあえて崩す」こともある。


「基礎では順番を守る」

「応用では順番を崩す」


この順番もまた、順番なんだ。


最初から「自由」を許すと、基礎ができない。

基礎ができないと、応用で崩すべきところも崩せない。


ワガノワの順番教育は、

「自由に踊るための、最高の土台」を作ってるんだ。


---


「順番を守らない」人が辿る3つの道


ここでハッキリさせてやる。

順番を守らない人が、最終的に辿る「3つの道」を。


道1:「伸び悩む」


最初は順調でも、あるレベルで止まる。

なぜか分からないけど、それ以上伸びない。


理由は簡単。

「身体のハイウェイ」ができてないから。

新しいことを覚えられなくなる。


道2:「ケガをする」


これは見てきた。

肩、腰、膝、足首。

どこかしら壊す。


「順番を守らない=負担が偏る」

負担が偏ると、どこかが限界を超える。


バレエは「消耗戦」だ。

負担を分散できない奴は、早く消耗する。


道3:「辞める」


一番悲しい道だ。

伸びない。ケガをする。楽しくない。


「なんで自分はダメなんだろう」って、

自分を責めて辞める。


でもな、才能の問題じゃない。

順番を守らなかっただけだ。


---


結論:順番は「ルール」じゃない。「地図」なんだ


よし、最後にまとめる。


ワガノワの順番教育。

これを「細かいルール」だと思ってるなら、

その考え、今日から捨てろ。


順番は「ルール」じゃない。

「地図」なんだ。


・ケガをしない道を示す地図

・早く上達する道を示す地図

・表現の自由を得るための地図


この地図を無視して「近道」しようとする奴は、

結局遠回りするか、道に迷って動けなくなる。


順番を守れ。

地図を信じろ。


その先に、ワガノワが約束する「自由な踊り」がある。


---


次回予告


次回は、この「地図」をさらに深掘り。

「基礎で作る3つの軸とは?」


順番教育で作られる「3つの軸」を具体的に教える。

これを読めば、ワガノワの「設計図」がもっとクリアに見える。


---


いいなと思ったら応援しろ。

順番を守れ。地図を信じろ。

それが、お前を最速で頂上に連れて行く。


-

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ