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転生者とバグでない異世界人の物語  作者: @000-ooo


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91/112

91.伯爵邸の居酒屋

レムが生まれて間もないのでレンは領都に残り、王都へは俺はまた1人で行った。


 王宮のパーティーで、ユリアーネお義姉様には

「レムは結局辺境伯家の嫡男と婚約した」

と言うと

「人間顔だけじゃないのだけどね。ほんとにフアニートも、もう少し見る目があったらいいのに。レムちゃん絶対すごい魔法士になると思うけど」

ユリアーネお義姉様としては未練たらたらといった感じであった。


 王宮のパーティーでは俺が艦隊を育成しようとしていることが伝わっていたみたいで、アムスム王国西部の貴族にも話しかけられたが、派閥が違うようで、その目は懐疑的であった。

「軍艦の製造は進んでいるのですか」

「うちの領地の船大工は商船しか作ったことがなかったのですが、とりあえず商船でいいからということで、10隻ほど作らせております。兵は現在訓練中です」

「商船ですか、それは何とも、それで戦えるのですかね」

「海賊を追い払えれば十分と考えています」


 王都は居心地が悪いので1月半ばには領地に戻ってきた。1隻目の船ができるのは春ごろである。それまで暇である。


「なあレン、以前新しい奴隷を購入するって話があったよな」

「でもその後、アンナを第2夫人に、リタを第3夫人にしたじゃない」

「でも俺の奴隷ハーレム計画は俺の夢だし」

「ハルトはどんなことがしたいの」

「女の子を周りに侍らせて、うまいもの食って楽しく過ごす」

「いいわ、私がしてあげる。ついでにアンナにもリタにもエバにも声かける。いいわね」

「何となく違う」

と思うが、黒いオーラに押しまくられて、結局、受け入れざるを得なかった。


 俺は伯爵邸の一角に居酒屋を作らせた。前世のナイトクラブを思い出して、前に舞台を作って、そこで、踊りやカラオケをできるようにした。

 舞台にはスポットライトを当てたり、映像を映写したりできるようにした。また、舞台の前には踊りができるようなスペースを設けた。

 そしてその後ろには、テーブルとソファーを並べそこで酒やジュースが飲めるようにした。


 今俺は両側にアンナとリタを侍らせ、エールを煽っている。レンが少し黒いオーラを出している。エバは静かに座っている。

 酒のつまみは伯爵邸のシェフに前世のつまみに似た食べ物を作らせた。給仕は伯爵邸のメイドにさせている。舞台では、伯爵邸で働く者に歌わせている。


 アンナが

「これがハルト様の奴隷ハーレム計画ですか。もっと、いやらしいものを想像していたのですが」

「俺の理想とは少し違う。まず給仕が伯爵邸のメイドでは手が出せん。これが奴隷だったら好き放題だ」

レンが

「旦那様は伯爵家当主、もっと威厳を持ってもらわないと」


そうしたら、クララが舞台に出てきて歌を歌い始めた。リヒトやマーサやルナも出てきた。俺が

「あれ、なんで子供たちが出てくるのだ」

そうしたらレンが

「クララに見つかったの。お父ちゃんとお母ちゃんだけでずるいって」

「ま、いいか。それにしてもクララは歌がうまいな」


捻じ曲げられた奴隷ハーレム計画であったが、

「これはこれでいいか」

と思うハルトであった。


 王国歴329年1月、ハルト19歳、家族と過ごす穏やかな1日。ネイメー伯爵領は今日も平和である。


 伯爵邸の一角に、居酒屋ができると、これを伯爵邸で働く職員にも使わせてほしいという要望が上がってきた。そうすると給仕がメイドでは伯爵邸の仕事が回らないということで、新たな職員を雇うことになった。

 しかし、街の人間を雇おうとすると、場所が伯爵邸ということで機密漏えいの問題が出てくる。それで、俺は奴隷メイドの購入を提案した。


 そしたら、レンとアンナ、リズから反対の意見が出た。敵は手ごわい。しかし、これは俺の奴隷ハーレム計画の遂行上どうしても譲れない一線である。そこで、

「伯爵邸で働く人間が日ごろの憂さを晴らすには好きなことを言える場でなければならない。だから奴隷でないと機密漏えいの懸念がある」

という論法で攻めた。


 これで、押し切れたかに思われた段階で、レンの一言で俺の奴隷ハーレム計画は、またも進行が止まったのであった。

「ハルトは絶対手出したらダメ。職員にもおさわり厳禁を通達すること。奴隷の購入はレン、アンナ、リズが行う。奴隷はチョウチョ商会の所有とする」

 結局これをのむしかなく。俺が了解すると、3人は勢い勇んで魔道馬車で王都へ出かけていった。


 そして10人の女性の奴隷を購入してきた。すべて農家の娘。もっさりしているし、色も黒い。何となくレンに似ている。俺は10人の奴隷メイドと機密保持の魔法契約を結んだ。


 このようにしてできた居酒屋であったが、伯爵邸で働く職員には割と好評であった。まず、仕事が終わった後に、一杯ひっかけて帰ることが出来る。

料金が割安であること。機密保持の魔法契約があるため割と自由に愚痴が言える。このような点が評価されたようである。


 俺も割と頻繁に利用している。俺が町の居酒屋なんぞ行こうものなら、顔が知られているだけあって

「御領主様」

と言って要望を聞かされたり、

「愛人にしてほしい」

と言って迫ってくる娘がいたりして、とても行けたものじゃない。しかしここではその心配がない。


 レンやアンナ、リズもここでお茶会をしたりしているようである。


 また、メイドもここで愚痴を言うために利用したりしているようである。

 普通の貴族家のメイドというと給金が非常に安いようであるが、俺は前世の記憶があるため、女性職員やメイドにも働きに見合った給料を払っている。そのため、彼女たちは田舎ではかなりの高給取りとなっているようである。

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