70.レ要塞会戦と王宮での報告
昨日と同様、街道をライトをつけながら時速40kmぐらいで進んだ。俺の車が先頭である。俺は索敵をかけて、敵軍がいる場合はレンに爆裂弾で敵を粉砕してもらっている。
昨日と同様、車はそのまま進むが、車内の兵士は仮眠を取るように指示した。そして、レ要塞から60kmぐらい手前で進軍を停止し、見張りの兵士以外睡眠を取るよう指示した。
次の日、未明に起床し、夜明けとともに出発した。レ要塞まで来ると、敵軍はレ要塞を包囲して布陣している。昨日の失敗を繰り返さないよう注意深く正確に索敵をかけた。
敵魔法士は分散しているようである。その魔法士の位置を細かく記録していった。今回は魔法士の位置を詳細に調べ、個別に攻撃をすることにした。
「2番車から101番車までは、正面に展開、
102番から201番は右側面に展開、
202番車から301番車は背後に展開、
302番車から401番車は左側面に展開、
402番車から500番車は俺の1番車の護衛に回るように。
そして、2番車から31番車は正面の左から100m付近を集中攻撃、
32番車から61番車は正面左から200m付近を集中攻撃」
というように細かい攻撃目標を設定した。
30分ぐらい一斉攻撃した後、再度索敵を行った。その結果、魔法士の存在が確認された場所は再度目標を設定し、一斉攻撃をした。
そうしたら敵軍が降伏すると言ってきた。マー平原会戦のことが伝わっていたのかどうかはわからないが、敵の指揮官は魔道馬車に魔法士なしでは勝てないということを知っているみたいだ。
ここまでの今回のユルノギ王国救援軍に死者はいない。負傷者は治癒魔法で治療済みである。ほとんど被害なしで5万の帝国軍を撃破している。大戦果である。
敵軍の捕縛は砦にいるユルノギ王国の軍に任せ、俺たちはすぐにアムスム王国へ帰還することにした。アムスム王国の北東に集結する帝国軍5万が心配である。
車内で交代で休憩を取りながら、次の日の朝にはアムスム王国に帰ってきた。アムスム王国に入っても魔道馬車の走行は止めずに、そのまま王都に向かった。そして、その日の夕方に王都に着いた。
王宮に行くと何故か空気が重い。どうも、俺達がユルノギ王国へ救援に出発した次の日に、北東方面に集結していた帝国軍5万がアムスム王国へ侵入したようである。
アムスム王国としては魔道馬車の集結が間に合わず、急きょ王家の魔道馬車500台を派遣したが、準備不足もあって、辺境伯軍とは合流できずに手前のトゥール公爵領で軍の集結を図っているとのこと。
辺境伯軍は領都で籠城しており、それを5万の帝国軍が包囲しているとのこと。もし領都が落ちれば、帝国軍はトゥール公爵領に殺到するだろうとのこと。
この状況悪すぎる。アムスム王国の諜報部は何をしていた。帝国軍の情報ぐらい正確につかむべきだ。
「まさか食料を奪うために戦争をしたりはしないだろう」
こんな先入観があったのかな。
俺が今回の遠征軍の成果、マー平原では帝国軍1万を殲滅、ユルノギ王国の王都では帝国軍3万と交戦し敵に甚大な被害を与えた、レ要塞では帝国軍1万と交戦しレ要塞の包囲を解くとともに残った帝国軍をすべて捕縛。
今回の遠征での死者は0名、重傷者は治療済みで原隊に復帰、魔道馬車の損失はゼロ。この報告に国王以下集まっていた重鎮が驚いている。
「確か、遠征軍は5000人で魔道馬車は500台だったよね」
「はい」
「それで5万の帝国軍を撃破したのか」
「はい」
このようにして、俺たちユルノギ王国救援軍の成果報告は終わったのであるが、救援軍の被害が皆無で、そのままでも出発できる状況であったことから帝国軍に包囲されている辺境伯の領都の救援を依頼されるのであった。




