52.奴隷購入
あれから1年経った。平民だと春に1つ年をとるので13歳だが、貴族になったので10月までは12歳である。ユアーネお義姉様と俺とレンは学園を卒業し、領都に戻って来た。
ユアーネお義姉様は11月にフアニート様と結婚する。トゥール公爵家の領地で暮らすそうである。
俺とレンは公爵邸を出て元のヤマユリ商会の領都店の2階に住んでいる。1階の商店はマリアンヌさんに任せている。王都でリタさんに任せていたヤマユリ商会の帳簿付けは俺がしている。
なぜ公爵邸に住まないかというと、俺の奴隷ハーレム計画が遂行できないからである。
俺がレンに
「帳簿付けが大変だから奴隷を買いたい」
と言うと
「信用できないから付いて行く」
と言い出した。
仕方ないので、レンと一緒に奴隷商のところに行った。
「帳簿付けができるような女の奴隷が欲しい」
と言うと
「お客さん、こんな田舎にそんな有能な奴隷はいませんよ」
とのこと。
仕方ないので今度王都に行った時に買うことにした。
しばらくレンと2人きりで過ごしたが、やはりここは根性ということで、魔道馬車で王都まで奴隷を買いに行った。当然レンも一緒である。
王都の奴隷店で、
「帳簿付けができるような女の奴隷が欲しい」
と言うと
「お客さん、どのような奴隷がご所望で?」
と言われた。さすが王都。
「若くて美人で気立てがよく頭の良い子」
と言うと、後ろでレンが黒いオーラを出しまくっている。
「お客さん、さすがに、そこまでの子はいませんよ」
「じゃどんな子がいるの?」
「子持ちでもよければ」
迷ったがレンの黒いオーラが収まりそうもない。
「子持ちはさすがに、年いっていてもいいから計算ができる女」
「計算ができるかどうかわかりませんが、読み書きができるということで何人か連れてきます」
そう言って奴隷商が連れてきたのは、1人は商人の愛人の娘、年は10歳、母親が死んで、父親の妻に奴隷に売られたとのこと。
もう1人は農家の娘8歳、王都に出てきて冒険者になったが、借金がかさんで奴隷落ちしたとのこと。
もう1人はこれも冒険者15歳、借金がかさんで奴隷落ちしたとのこと。あまり詳しいことは話さないので生まれはわからないとのこと。何となく気品があるので貴族かなと思って鑑定をかけた。そしたら男爵家の3女庶子と出た。特別有用なスキルはないみたいだが、学院を出ているみたいだ。これだとヤマユリ商会の帳簿付けを任せられる。
もう1人は宿屋の娘12歳、父親と宿屋を営んでいたが、父親が死んで奴隷落ちしたとのこと。母親は小さい時に死んでいなかったとのこと。
俺は、
「農家の娘8歳と冒険者15歳の2人を買う」
と言った。そしたらレンが
「2人は多い、1人だけ、農家の娘はいいけど、15歳の冒険者はダメ」
と言いだした。
「15歳の冒険者は商会の帳簿付けをさせる。手は出さない」
「ほんと。だったらお義姉様の前で誓って」
「わかった。誓う。農家の娘はいいのだな」
「うん、なんか同情するし。全員だめって言って娼館いかれても困るし」
レンの了解が得られたので、農家の娘8歳と冒険者15歳を買って帰った。
農家の娘の名前はエバ、15歳の冒険者はアンナ、帰りの魔道馬道の中で、俺は2人に俺の奴隷ハーレム計画を延々と語った。
レンが最初に買った元奴隷だというと2人とも驚いていた。また俺とレンがテー公爵家の養子だということ、また俺がヤマユリ商会を経営しており、さらに王都のチョウチョ商会にも深く関与していることに驚いていた。
そして、エバは養子とはいえ、貴族の愛人になれるということに喜んでいる。しかし、アンナは相変わらず、自分の生い立ちを話さない。それで、帰ってこの件はお義父様に相談することにした。
帰ってお義父様とお義姉様を交えて、アンナに詰問した。
お義父様が
「公爵家の力をもってすればアンナの出生はすぐにわかる、そうしたら実家にも影響が出る」
というと、さすがにアンナも自分の出生を話し始めた。
アンナはアレパプール男爵家の3女として生まれた。ただし、庶子だった。学園には行かせてもらった。学園では下級貴族としては成績もよくBクラスだった。
しかし、学園を卒業すると、家の借金のため裕福な商人のそれも後妻に嫁がされそうになったので、父とけんかして、家を飛び出して王都で冒険者をしていたが、慣れない生活で借金ができて奴隷落ちしたとのこと。
「家に帰りたいか」
と聞くと
「家には帰りたくない。このままハルト様の奴隷でいい、何なら奴隷ハーレム計画に参加してもいい」
と言い出した。
そうしたらレンが、
「アンナはだめ、ハルトの奴隷ハーレム計画には参加させない」
と言ったので、俺は
「アンナは奴隷ハーレム計画には参加させない。できたらヤマユリ商会の仕事をしてほしい」
と言った。
「ここに置いてもらえるなら、それでいい」
とのこと。
結局、アンナは公爵邸でヤマユリ商会の仕事をすることになった。これについては、お義父様とお義姉様の了解が得られた。
いくら奴隷とはいえ、貴族令嬢を勝手にうちで働かせるわけにもいかないので、アレパプール男爵家に話をすることになった。
お義父様の話ではアレパプール男爵家はシャタイン伯爵家の寄子なので、アレパプール男爵家だけでなくシャタイン伯爵家にも話をする必要があるとのことで、両家にこれまでの経緯を書いた手紙を送った。




