表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者とバグでない異世界人の物語  作者: @000-ooo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/114

29.お茶会

 当日は、ユリアーネ様と護衛が俺と他に2人、メイドがレンと他に2人が参加することになった。

 ユリアーネ様には前日に公爵様から、

「飲み物に毒が入れられる可能性があること、その毒を俺がメイドから奪う予定なので、ハルトの許可があるまでは飲み物に手をつけないこと。サインはレンがわざとこけて皆の注意を引くこと。」

 という指示を受けた。


 朝出かける前に俺はユリアーネ様に魔力の防具をセットした。シュベルテ伯爵家に行くと、他の参加者はほとんど来ているようだ。

 ユリアーネ様が主催者に挨拶して中に入り、俺たちは少し離れて待機である。

 俺はすぐにその場を離れ、索敵で例のメイドの位置を確認し、メイドのところに行き、場所に迷ったふりをしてメイドに近づくと、毒入りの瓶を、事前に作成した外見が同じ容器と、収納魔法ですり替えた。


 ミッションコンプリート、俺はレンのところに戻ると、小声でレンに

「こけていいよ」

と言ったら、

 レンは少し前に出て、盛大にこけた。この様子があまりにも滑稽だったので、一同に笑いが洩れた。

 シュベルテ伯爵令嬢が、

「テー公爵家にもあのようなメイドがいたのですね。ドジだし、礼儀作法もなってないようですし、それによく見ると容姿もよくないし」

と言って薄ら笑いを浮かべている。他の参加者からも笑いが漏れる。

「あまり刺激しないでくれ。うちのお嬢様、負けん気が強いのだから」

と思っていたら、お嬢様の顔色が変わった。

 なんだかんだ言ってもお嬢様はレンのことを気に入っているみたいだし、受けて立つようだ。

「王都に来る途中、オーガにも遭遇しましたし、30人の盗賊に襲われたりしましたの。それで、今回は容姿より武勇を優先してメイドを選定しましたの」

と言うと、伯爵令嬢が

「あのメイドが戦えるというの?」

と言うと

「ええ、多分シュベルデ伯爵家の騎士の方より強いと思いますわ」

と言い返した。


 結局、シュベルデ伯爵家の騎士とレンが木剣で模擬戦をすることになった。

 シュベルテ伯爵家の騎士は、モーガンという若手の騎士だった。

 俺は鑑定をかけた。そしたら、とてもレンの相手になりそうにない。

 俺はレンに

「殺すなよ」

と言った。レンは

「わかっています。手加減すればいいのですよね」

これを聞いた相手の騎士は顔を真っ赤にしている。

 始めの声とともに、モーガンは一気に間合いを詰めて切りかかってきたが、レンはそれを軽くいなしてモーガンの首に剣を突き付けた。

「これで私の勝ちですね」

そのあと

「納得いかない」

と何回かやったが、結果は同じレンの圧勝、それも一瞬でけりがつく。そしたら隊長クラスの騎士が相手になったが、これも結果は同じであった。


 これを見たユリアーネお嬢様が、

「シュベルテ伯爵家の騎士は、もう一度鍛え直した方がよさそうですね。それとメイドも一度素性調査をした方がいいのではないかしら」

と言いだした。

 場が白けてしまったのと、毒を盛られるかもしれないというお茶会が嫌だったのか、お嬢様が

「帰る」

と言い出したので俺たちは帰ってきた。

 結局お嬢様はお菓子も飲み物も一切口をつけなかった。


 公爵邸に帰ってすぐに、俺は公爵様にメイドから摺り替えた毒入り瓶を公爵様に渡した。

 鑑定でカレ茸とヒ素と海藻を組み合わせて作ったものということはわかったが、鑑定については秘密にしているので、毒については詳しくないことにした。

 公爵様は、

「王宮の薬師に鑑定を依頼する。それと、早急に闇ギルドについても国王に対応を依頼する。そこで、シーメルバル子爵家との繋がりが明らかになれば、シーメルバル子爵家も潰す。」

とおっしゃった。

 俺は闇ギルドについて、その場所や構成員などの情報を公爵様に伝えた。公爵様は、すぐに王宮に行かれた。


 次の日朝から闇ギルドの捕縛が行われ、昼にはシーメルバル子爵へも騎士団が向かい、子爵家の当主が捕まえられた。

 ただ、ベー王国の暗部の人間には逃げられたようだ。シュベルテ伯爵家のメイドも捕まったようだ。その日の夕方にシュベルテ伯爵が公爵家に謝りに来た。


 お茶会での暗殺未遂事件のこともあり、王都でのお茶会等の交流は極力控えることとなった。

 しかし、さすがに王宮での舞踏会に不参加と言うわけにはいかず、これについては公爵家当主ジグムント様と、その夫人アベリア様が参加された。ユリアーネお姉様と俺とレンは成人前ということで不参加である。

 俺は念のため、ジグムント様とアベリア様には秘密にしてもらうということで魔力の防具を装備した。


 せっかく王都に来たのに、何もしないわけにはいかないので、年明けには寄子の貴族の令息令嬢を招いてのお茶会が公爵邸で催された。

 これについてはさしたる事もなく無事終了したのだが、結構俺とレンの武勇が伝わっていたみたいで、鍛えてほしいという話が出た。

 俺としては秘密にしていることが多いので、乗り気でなかったが、公爵様から

「派閥の戦力アップにつながるのでよろしく」

と言われては仕方ないので、領都の公爵邸でしている勉強会で魔術と剣術については俺とレンが指導することになった。


 それと、このお茶会で使われた陶磁器が注目を集めた。陶磁器はまだこの世界では作られていないようで、その乳白色の色合いとそれに描かれた模様が貴族の好みにマッチしたようだ。

 ユリアーネ様が、領都のヤマユリ商会で売っていると説明した。

 当然俺が呼ばれるわけで、

「俺とレンが土魔法で作っている」

と答えた。

 最近はレンも魔力量が増えたのと土魔法のレベルが上がったので作れるようになった。レンは主に女子らしいかわいい絵柄を描いている。

「今手元にあるだけでも売ってほしい」

と言われたので、1貴族家当たり20個、金貨1枚を限度に売った。


 そして春の息吹が聞こえるころ領都に戻ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ