17.勉強会と領都での生活
土日は商店を開け、月から金はレベル上げ、そんな日々を過ごすうちにレンのレベルも10まで上がった。それはそれでいいのだが、引き続きお客さんが来ない。
どうせお客さんが来ないのなら土日はレンに読み書きと計算を教えることにした。そしたら、知力と器用度が高いだけあって、すぐに前世の小学校レベルのことはできるようになった。
次はこの国の歴史や地理それに法律や社会制度だが、今世の俺には、そんな知識はない。それで家庭教師を商業ギルドを通じて紹介してもらった。
教師の先生はテー公爵家の従士の娘さん。三女だそうだ。名前はマリアンヌさん。もちろん生徒は俺とレン2人、費用は土日の週2日で月金貨1枚。
マリアンヌさんはすごい美人である。さすが異世界。レンと比べると、ううん、やめておこう。レンは所詮バグ。
お金が少なくなってきたので、また商業ギルドでポーションを前回と同じ量買い取ってもらった。これで金貨24枚増えた。現在の所持金は金貨38枚になった。店の収入がなくても余裕である。
マリアンヌさんが店に来て
「店は開けたままで構わないのか」
と聞かれたので、
「どうせお客さんは来ないから」
と言ったら笑われた。
マリアンヌさんは店の商品を一通り見て、陶磁器に目が留まると、
「きれい」
と叫んだが、同時に値札の銀貨1枚という価格を見て、悩んでいる。
俺が
「高いですか」
と聞くと
「ええ」
と答えたので、
「仕方ない。これ、作るのが大変だったのだけど、売れないのなら仕方ない」
と言って値札を小銀貨5枚に書き換えた。
そしたら
「これ買います」
と言われた。お客さん第1号である。
その日は午前中はこの国の地理、午後は歴史を学んだ。
「読み書き計算はいらない」
と言ったら驚いていた。
読み書き計算についていくつか質問されたが、俺もレンも問題なく回答できた。特に俺の計算レベルはマリアンヌさん以上だと言って驚いていた。
昼に魔獣の焼き肉に糖液入りのジュースを出したら
「おいしい」
と言われた。
「これはあまりないので今日だけの特別です」
と言ったら残念がっていた。
次の日曜日は、この国の法律、午後は国王を頂点とした社会制度について学ぶことになっている。ただ、今日はマリアンヌさんだけでなく、男の人や女の人それに子供まで、マリアンヌさんの家族とのこと。
お父さんはカール様とのこと。
「準貴族への挨拶なんてわからないし」
とうろたえていたら、
「気にしなくてよい、店の商品を見せてもらう」
とのこと。
そして、やはり陶磁器に目が留まった。
なんでも昨日マリアンヌさんが陶磁器を買って帰って自慢したのが発端らしい。結局家族の人数分だけ5個、銀貨2枚と小銀貨5枚売れた。
あと、栄養剤にも興味を持ったようだが、
「病気やけがを直接直す効果はないが、疲れた時に飲むと、朝元気に起きられる。それぐらいの効果だ」
と言ったら、悩んでいたが、試しに3本買ってくれた。
あと、リバーシを見て
「これは何だ」
と言われたので
「単なるゲーム、おもちゃのようなものです」
と言ったら、カール様は興味なさそうだったが、
子供が、
「遊んでみたい」
と言ったので、遊び方を教えてあげたら、はまったみたいで、結局1つ売れた。
合計で銀貨4枚と小銀貨1枚の売り上げである。
そのまま家族でリバーシで遊び始めたので、マリアンヌさんの家族に断って、俺とレンはマリアンヌさんから法律の講義を受けた。
午前中はマリアンヌさんの家族以外はお客さんは来なかった。昼になったので、昨日と同じで焼き肉と果実水のジュースをマリアンヌさんの家族全員に振る舞った。
マリアンヌさんから
「昨日のジュースはないのか」
と聞かれたので、
「もう砂糖がないので」
と言ったら
「砂糖」
と言って絶句していた。砂糖は貴重品みたいだ。
そのような形で始まった勉強会だが思わぬ形で商品の情報が広がり、お客さんがちらほら来るようになった。ヤマユリ商会も軌道に乗り始めたわけである。
ヤマユリ商会としては、もともと商品は俺が森でとった材料を魔法で作っているので、最低家賃とマリアンヌさんの講師料の月に金貨3枚の売り上げがあれば何とかなる。
今はそれ以上、月に金貨15枚ぐらいの売り上げがある。
それに商業ギルドからは
「俺のポーションの品質がいいので引き続き納めてほしい」
と言われ、ポーションも納めているので、月に金貨24枚の収入がある。
冒険者活動については、最初は収納空間ボックスをごまかすため、薬草しか納めていなかったが、マジックバッグを買ってからは討伐した魔獣の肉や素材を納めるようになったので、俺とレンのランクもEランクになり月の収入も金貨10枚ぐらいになった。




