125.クララの学院生活
王国歴335年6月、クララは今11歳である。7月になると12歳になる。成績がいいのでクラスはAクラスである。ただ貴族のマナーがネックになって順位は学年で5番から7番を行ったり来たりしている。貴族のマナー以外の教科は特に難しいものはない。たいていの教科はそつなくこなしている。剣術と魔術は講師の先生より強いので授業免除となっている。
真剣に学んでいるのは魔法陣と薬学である。魔法陣はお父さんがいろいろな魔道具を作っているので、私もそのような魔道具を作りたいと思って勉強している。授業ではときどきお父さんが作った魔道具の話が出てくる。講師の先生でも理解できていない部分があるそうだ。魔法陣の仕組み自体は分かるそうだが、なぜそのような魔法陣が必要なのか理解できないそうである。お父さんのことを褒められると嬉しくなってくる。
薬学についてはできれば薬師の資格を取りたいと思っている。ただ難しいのは薬草の見分け方である。見ただけではなかなか判断できないものもある。そのようなときはよく索敵を使っている。索敵だと魔力の性質が分かる。これで薬草の持つ魔力の性質を調べることが出来る。すると見た感じと薬草の魔力の性質で判別が非常に楽になる。
父からは空間魔法は秘密と言われているので、他の人は持っていないらしい。これはずるだと思うが、一度使うともう使わざるを得なかった。ポーションは必要な薬草に魔力を注いでいくのだけど、魔力量が多いので薬草の見分けさえつけばあとは簡単である。他の人は一度にたくさんのポーションが出来ないようだが、私はいくらでもできてしまう。だから薬草学の成績もいい。
学院では、生粋の貴族とはあまり合わないので友達はむしろ平民の方が多い。でも父や母を知っている貴族の令息や令嬢からはよくしてもらっている。たまに学院の帰りに、お茶をしたりすることがあるが、私の住んでいる伯爵邸は便利である。1階と2階はチョウチョ商会の2号店になっていて1階には喫茶コーナーもある。2階はホールになっているのでお茶会やパーティーもできる。これは父が考えたそうだ。ほんとにうまくできている。
うちの場合、普段の生活は貴族というよりは平民に近い。高そうな服を着ていると父も母もそわそわして落ち着かない。安そうな服を着ているとほっとしている。
宝石をつけることなどめったにない。他の貴族は宝石を買うらしいが、うちの場合、宝石は父も母も土魔法で作ってしまう。特に父の作る宝石はとても綺麗である。とてもキラキラしている。一度友人と王都の宝石商のところへ行ったことがあるが、見せてもらった宝石があまりきれいでなかったので買う気がしなかった。
私もできるのかなと思って森へ行った時に、適当に作ってみたら宝石かどうかわからないが、とてもきれいなものが出来た。友人に見せると、
「知り合いの宝石商に鑑定してもらう」
と言ったので渡した。
その後、友人から聞いた話では
「これはルビーとかサファイアとかいうらしい」
とのことだった。
「買うと1つ金貨2枚とか3枚とかするらしい」
と言われた。
友人が
「ぜひ作って」
と言うので友人とおそろいの物を適当に作ってあげたら、非常に喜ばれた。
言葉遣いも平民丸出しでも何とも言われない。
ただ食べるものだけはすごくおいしい。父は食べることにはすごく貪欲で自分からいろんな食材を探してきて料理している。
母は料理のスキルがあるので母の作った物はすごくおいしい。私も父や母に習っていろんな料理ができるようになった。しかし、シャタイン侯爵家のアデリナ様に聞くと普通貴族令嬢は料理はしないそうだ。
学院ではよく義従弟のトゥール公爵家のキニアニオ様と話をすることがある。クラスは同じAクラスである。成績は彼が1番である。さすが生粋の貴族。貴族のマナーも問題ないみたいだ。うちとは全然違う。
それからキニアニオ様からはよく以前リヒトやマーサやルナが公爵領でスパイを捕らえたり、魔獣を狩ったりしたときの話をされる。そして、マーサがどうしているかよく聞かれる。マーサは父と第2夫人のアンナさんの子なので私と違ってすごい美人である。
ルナのことについて聞いたら
「スパイを尋問するときの言葉が私と同じで引いてしまう」
と言われた。
でも一応私はキニアニオ様が毒を盛られるのを防いだのだけど、
「引いてしまう」
と言われると少し落ち込んでしまう。
あの時も思ったけど「ほんとトゥール公爵家って危機感がなさすぎる」




