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Appendix05:P17ホテル・メサイヤ一泊め

 机の上で充電ケーブルを伸ばすドローン。


「アリア、ノ、キゲンガ、イイノハ、サイコーデース♩」


 機嫌良く鼻歌(ビープ音)を歌い(出力し)ながら先程迄の情事に思いを馳せていた。ホテル・メサイヤに来てからアリアは傭兵団所属のパイロット、というより年相応の女の子にしか見えなかった。

 チラリと横目でズームすると涎を垂らして幸せそうに寝ている。


「デハ、オニノイヌマニ(鬼の居ぬ間に)……」


 アリアの銀行口座を確認すると、またも大金が振り込まれている。これはオリハが作成した3Dモデルの売上金だ。


「モウ、オナジ、ミス、シナイヨウニ……」


 そう。エロチャットで莫大な資金を継続的に稼ぐシステムを構築したが、アリアの逆鱗に触れて危うくオリハ本体が破壊される所だった。

 故にバレてはいけない。

 それでもアリアには貢ぎたいという二律背反。


「コレナラ……」


 表向きはアリア、ローズ、マリー、カミナ、そしてパティオ(男の娘)で結成したアイドルグループの曲の売上としていた。3Dモデルが踊って歌うゲームをアリアのスマホの中から見つけたので、それをモチーフにしている。ミュージックビデオを作って公開したところ、評判もなかなか良く売上はほどほどにあった。

 これなら見つかってもキレはしない、というシミュレーション結果を元にしている。これをダミーとして入金名を混在させることでバレないようにしていた。


「シカシ……コレハ、オコリソウダナ」


 曲だけでなく、水着姿を正確にモデリングした3Dモデルも売り出していた。その売上順位だが、ローズが圧倒的一位。マリーが二位。男の娘のパティオが三位だった。カミナはパティオと僅差の四位。アリアは差をつけられての最下位だ。


「コチラハ、バレタラ、コロサレル……」


 水着の着脱可能な裏モデルももちろん販売中だ。こちらは紳士向けと称して会員制で限定発売している。紳士向けだからか、ローズ、パティオの兄妹がダントツで、マリー、カミナのダイナミックボディ組が続いている。

 アリアのモデルは何故か評価も散々だった。


『凹凸が少なくて簡単なモデル』

『アレならローズが良い』

『ローズの下位互換』

『どちらかというとマリーとカミナに挟まれてパティオを抱きしめたい』

『おい待て、早まるな。パティオにはついてるぞ』

『だがそれが良い。コスパ最高は両方ついたパティオだろ』

『あれ? アリアなんてモデルあったっけ?』


 コメントを見ながらほくそ笑んでいたが、次第にアリアを馬鹿にされているようで腹が立ってきた。


「アリア、ノ、ペタンコ、ノ、ミリョクガワカラナイナラ……」


 仮想空間上でドクロマークのついたボタンを前にした三頭身オリハ。躊躇(ちゅうちょ)なくボタンを押した。

 その瞬間、アリア達五人の3Dモデルは軍のオフィサー五人のモデルに変わってしまった。


『グエー、俺の天使達がー!』

『フィニッシュ直前にムキムキに変わっただとー!』

『性的嗜好を変えるトラップかよ?』

『おい待て、これはこれで……』


 ネットの中は阿鼻叫喚の地獄絵図だったが満足げなドローン。


「フン! モデル、ニ、ウイルス、ヲ、シコンドイテヨカッタ……サテ、ネルカ」


 すぐにLEDはオレンジ点滅に変わってしまった。



――尚、アイドル五人組のモデルもムキムキ野郎五人組に変わってしまったが、こちらは何故か長期に渡ってランキング上位に居座ることとなり、少なくない金額がアリアの口座に入金されることとなった

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