86++++話 イス田中家は……
86++++話 イス田中家は……
ISA……というより『イス田中家』は、センが登場するまでずっと、『各々が興味の赴くままに知性を使うだけの存在』だった。
恐ろしく有能だが、『やりたいことをやるだけ』の身勝手集団。
『世界がどうなろうが知ったこっちゃない』というのが基本スタンス。
星桜と咲紅爛は『世界を守るため』に動いていたが、彼女たちだけでは流石に手が足りない。
強制的に命令にしようとしても、根が頑固でプライドが高いから、まったくいうことを聞かないし、へたに抑えつけようとしたら、その有能な頭脳をフルで活用して致命的な反撃をしてくる始末。
だから、これまで、『イス田中家』は『すさまじく有能だが扱いづらい変態一族』でしかなかった。
だが、センエースが明確な『方向』を提示して、一心不乱に迷いないタクトを振ったことで、その素晴らしい知性は初めて一点に収束し、世界平和のための強力な原動力になった。
『利己のためにイス田中を利用しようとする下衆な輩』に対して、イス田中家の面々は大いなる反発心を示すが、センエースの命令は全て『世界の安寧』につながることでしかないため、流石に『無理して反発しよう』とする者は少なかった(完全なゼロではない。イス田中家の中にはイカれた奴が多いから)。
結果として、歴史に刻まれるはずだった大規模災害、経済危機、テロの多くが、発生する前に削り取られた。
これが、『ほぼ単騎で動いていた星桜』との決定的な違い。
世界が変わっていく。
『この上なく尊き命の王』の必要性と偉大さを、この先、ずっと、世界は思い知る。
無能2歳児「いや、俺、関係なくね?! トウシがバグってるだけじゃねぇか!! どう考えても、王になるべきはあいつだろ! なんでもかんでも、むりやり俺の功績にしようとするクセ、どうにかしようぜ!」
★
・カルゲとの関係が深まり、センエースはISA内部でも特別顧問に近い立場として扱われ始める。
・センエースに心酔したカルゲが、センエースのワガママを根こそぎ叶えようと全力で奮闘する。
・センエースの助言を受けた各国の政策が次々と成功し、『センエースの世界的影響力』が急速に拡大する。
・各国政府の中枢、軍、情報機関が、センエースの判断を事実上の指針として扱うようになる。
「いや、あの……確かに、災害系に関しては、有益な情報を配れたという自負がなきにしもあらずなんだけど、それ以外に関しては、俺、ほぼ、なんもしてないからね? 基本、ずっと、田中家の連中がバグってただけで……俺は、ただ『こうなったらいいなぁ』っていう妄想を口にしただけで、それを実行しちゃった連中がおかしいだけだから。流石に、今回の俺に対する過剰評価はおかしいって。これに関しては、『俺が謙遜してる』とかって話じゃないって、いや、マジで! 聞いてる?! え、なんで、俺が正論を話し出したら、全員の耳が遠くなるの?! ゼノリカの連中もそうだったけど!!」




