14話 紅の蒼い流星。
14話 紅の蒼い流星。
「ミカンパイセンともユズパイセンとも、一緒に訓練受けたことなんかほぼないし……」
レンは、そう言いながらも、視線はペンから外さない。
「でも、どっちもボクと同じで、この施設内では有名人じゃないっすか。頭一つ抜けて有能だって。……でも、そっちの……えっと、なんだっけ? ペンだっけ? ケンだっけ?」
「俺の名はペン・ケース。人は俺を紅の蒼い流星と呼ぶ。俺の名を呼ぶのは勝手だが指図は受けない。嫌いなものはメスガキ。好きなものは、巨乳で黒髪で金髪で前髪がくるんとしている八重歯が眩しいおねーさん」
「……こいつ、マジでなんなんすか?」
レンは心底うんざりしたように言った。
その問いに、ミカンはわずかに息を吐き、言葉を選ぶ。
「彼は……なんというか、非常にクセの強い男で……」
「それは、この数秒で痛いほどわかりましたよ。で? 優秀なんすか? 優秀だったら、ボクらみたいに、施設内に名前が知れ渡っているはずなんすけど。マジで、一回も、この変態の名前、聞いたことないんすけど」
レンの言葉には、苛立ちと、わずかな警戒が混じっていた。
……そこで、それまで黙って足を組み、膝に頬杖をついていたユズが、視線だけを向ける。
「アタシも聞いたことないな……」
軽く言っただけだったが、その目はわずかに細められていた。
彼女的に、ペンの存在は、正直どうでもよかった……が、
ドナが来るまでヒマだし、一緒に試験を受ける運命共同体なのだから、
一応、どんな人間かくらいは知っておこうと思い、会話に参加してきた。
ちなみにユズも前衛だが、デスサイズを使用する中距離型で、かつ、呪いなどのデバフを扱うタイプでもあるので、『拳特化完全前衛のペン』と一緒に訓練することはほぼなかった。
まったくのゼロだったわけではないが、一緒に訓練を受けた回数が極めて少なかったし、会話を交わすこともなかったので、まったく認知していなかった。
※ユズは、破壊衝動があろうがなかろうが、基本的に根っからちゃんと性格が悪く、他人をごりごりに見下しているところがあるので、無価値な雑魚と馴れ合ったりはしないどころか、ロクに名前を覚えることすらない。
ミカンが、言葉を選びながら、
「性格以外に欠点はない……というのが上の評価、かな。なんでもシューリ殿下のお墨付きらしくて……私は正直、彼の強さがよくわかっていない。戦闘面において、どこが劣っているわけでもないとは思うけれど……特別、どこか優れているとも……正直、思えない……失礼なことを言って申し訳ないが」




