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3章5話:勇者一行は摩訶不思議な店主と出会う

5話:勇者一行は摩訶不思議な店主と出会う


カイ「……」

シノブ「……」

カイ・シノブ『『気まずい……』』

どうしよう……さっきまではリオとゲンがいたから喋れたけど2人きりとなると何を話せば良いのか……

そもそも昔からリオとゲンばかりとしか話してこなかったから…

シノブ「あの…えーと、カイは何を買ったの?」

カイ「あ、私? 私はこの最新作のお気に入りのローブを買って貰ったよ。このメーカーのローブは伸縮性抜群だから動きやすくて好きなんだ」

シノブ「へぇ…ん?そのローブ…もしかしたらうちの知り合いの人が作ってるやつかも」

カイ「え? そうなの?」

シノブ「うん。 何だったらこれから行こうとしてた魔道具屋さんの店主が作ってるやつだね。 あの人なんでも作れちゃうからな〜ローブとかも発売してたんだ」

カイ「シノブは知り合いが多いんだね! 私なんかあんまり人と話してこなかったから友達も少なくてさ…」

シノブ「うちだって別に多い訳じゃないさ。 それにカイにはリオとゲンがいるじゃん。 てか、ふと気になったけどあの2人とはどこで知り合ったの?」

カイ「そもそも私はイェワンタウンで生まれ育った訳じゃないんだ。 記憶は無いんだけどみんなが言うには5歳位の時にイェワンタウンに引っ越してきたみたい。 そしてリオは家が近かったから一緒に遊んでたんだ」

シノブ「へぇ……あれ?ゲンは?」

カイ「ゲンはイェワンタウンの人間じゃないんだ。 他所から来たらしくて親もいないし住む家もなくてイェワンタウン近くの川沿いにいたんだ。 そこを1人川遊びにいったリオがゲンを見つけて王様に頼んでイェワンタウンに住ませてあげたらしいよ。 詳しくはリオが喋らないから知らないんだけどね」

シノブ「そうだったんだ……なんかみんな色々と深い事情があるんだね。 話してくれてありがとねカイ」

カイ「どういたしまして。 じゃあ次はシノブについて教えてよ! 私シノブの事全然知らないからさ」

シノブ「うちの事か? ん〜そうだな……」

カイ「そもそもその歳で盗賊やってるってきっと何か理由があるんでしょ? 差し支えないのであれば教えて欲しいな」

シノブ「……そうだね。 うちには大役を任されてる父親がいるんだ。 毎日が忙しそうでそれでも文句1つ言わずに努力して……本当に尊敬出来る父親なんだ。 でもある日門番の言っていた黒いオーラを纏った人に襲われちゃってね…それ以来呪われちゃったのか分からないけど体調を悪くして寝込んじゃって、どんどん衰弱していっちゃって…助けてあげたいって思った時に何でも状態異常や呪いを無効化する星のペンダントの事を思い出してそれなら治るかもって…そう信じて星のペンダントを探して旅に出たんだ」

カイ「そう…だったんだ……」

シノブ「もう2週間も会ってないから大丈夫か心配でさ……」

カイ「そういう事なら私達も協力するよ! きっと事情を知ればリオとゲンも協力してくれるよ!」

シノブ「そうかな…? でも、その……父親とはちょっとみんなとは合わせられなくて……」

カイ「え、そうなの? でも私回復魔法も使えるし……」

リオ「おーい2人とも〜ってあれ? なんか話してた?」

カイ「あ、リオ。 ちょっと聞いてよシノブのね……」

シノブ「ストップ、カイ」

カイ「え? ど、どうしたのシノブ」

シノブ「……まだこの事はリオには秘密にしておきたいんだ…お願い」

カイ「うぇ? い、いや、シノブがそう言うなら良いけど……」

リオ「何コソコソ話してるんだ? 俺にも教えてくれよ」

シノブ「内緒ですぅ〜」

ゲン「お前ら待たせたな。 全員の会計が終わったから次は魔道具屋へ向かおう」

シノブ「オッケー! じゃ、ついてきてよ!」

カイ『シノブ……何でリオには秘密にしてるんだろう……』

雑貨屋で買い物を終えた勇者一行はシノブの案内で魔道具屋へと向かうのでした。


ゲン「……なんか、思ってたよりもちっちゃいな」

シノブ「薬草やポーションでしょ? それだったらココが1番! 量より質って言うだろ? ここの品はどれも1級品ばかりさ!」

リオ「へぇ〜、随分と詳しいんだな」

シノブ「昔からの知り合いだからね。 あ、でも1つだけ注意点があって…」

カイ「ここにいる人が私のローブを作ってる…!」

ゲン「よし、じゃあ入ろうか」

シノブ「ちょ、ちょっと! まだ注意点を言ってな……」

ゲンが店の扉を開けると……

店員さん?「へいらっしゃい! ……おや? よく見たらお主はア」

シノブ「あぁぁぁぁあぁぁあ!!!!! さ、さぁ! 必要なものを選んでってよ!」

声の渋さの割には見た目は若いスーツを着た男が喋るとそれを遮るようにシノブが叫ぶ

店員さん?「早速我をシカトとは……まぁ良い。 ようこそ我が魔道具専門店へ! 私はこの魔道具屋店主の稲本義秋(いなもとよしあき)もうひとつの名をアクツ・ヨルマという。気軽にヨルマと呼んでくれて構わないぞ。 どうぞご贔屓に!」

ゲン「いなもと……? ヨルマ……? 名前が2つある人なんて始めてみるな……」

確かにゲンの言う通り稲本義秋なんて言う名前の人は珍しい。

カイ「珍しい名前ですね! 外国の方ですか?」

ヨルマ「敬語は使わなくて結構。 ふむ…まぁ外国と言われれば外国だが……いや、少し違うか? まぁ、そういう事にしておこう」

なんなんだコイツ……そしてなんだこの気分は。

なんだか懐かしいような古めかしいような……そんな……

ヨルマ「おや? そこの小僧。 貴殿は珍しいペンダントを持っているな?」

リオ「ッッッ!!!!!なんで胸ポケットにしまってたのに分かったんだ!?」

ゲン「お前…何者だ? ただの店主では無いな?」

シノブ「あのね、みんな。 さっき言おうと思ってたんだけど実はこの人……」

ヨルマ「金髪ロリっ子よ! 我から話そう」

シノブ「金髪…ロリっ子……ろ、ロリ……」

ロリっ子と言われたシノブが 酷く落ち込んだ様子で俯いている。

……いや、どうみてもロリっ子やん。

ヨルマ「まず、我は元人間だ。 今は人間では無い」

リオ「なるほ…え? 人間じゃ、ない?」

俺が困惑しているとヨルマは急に真面目な顔つきでこう話し始めた。

ヨルマ「如何にも。 では貴殿らは悪魔族をご存知かな?」

カイ「知ってるよ。 モンスターにもいるよね? 有名所だとルシファーとかフォルネウスとか」

ゲン「そうだな。 なんだったら魔王も悪魔族だったよな?」

ヨルマ「左様、では本題に入ろう。 我は悪魔。それも夢を司る悪魔である」

ゲン「夢を……インキュバス?と言われるやつか……」

カイ「悪魔…全然そうは見えないや、悪魔と会ったことあるのってモンスターの悪魔だけだしモンスターの悪魔は会話も出来ないし……悪魔はみんなモンスターと同じ類だと思ってた」

ヨルマ「まぁそう思うのも無理は無い。 下等悪魔は自制心がなくモンスター同様危険であるからな。 しかし悪魔は生きる為に人間はが必須。 知能のある上位悪魔は人間との共存は必然という訳だな」

ゲン「人間が…必須……? 何かあるのか?」

ヨルマ「うむ。 上位悪魔は基本的に不老不死、睡眠不要、才気煥発でな」

カイ「ちょっと待って、上位悪魔強すぎない?」

ヨルマ「そうであろう。 だがそんな上位悪魔でも必要な物はある。 それは食事だ」

ゲン「それはわかるが何故食事に人間が……ッッッ!!!!! まさか人間を喰って……!?」

ヨルマ「だから我々が人間に手を出すわけが無いと言っておるだろう。 我々悪魔の食事は人間のふとした時に発する感情だ。 悪魔は人間に協力、人間は悪魔に感情を提供。 そうして人間と悪魔は均衡を保ってきたという訳だな」

ゲン「感情を……食べる……? その感情が無くなったりしたりはしないのか?」

ヨルマ「無くなったりはしない。 まぁ我は元人間から悪魔になった身であるから感情はたまに食べるくらいで基本の食事は普通に人間と同じ物を食すからよく分からんがな」

カイ「なるほど…詳しくは分からないけどヨルマさんは悪い人じゃなさそうだし、気にしなくていいんじゃないかな」

ヨルマ「ふむ、信頼を得られたようで何よりだ」

ゲン「カイの言う通りだな。 というか俺らは物資調達をしに来たんだったな。 ヨルマさん、薬草やポーション類はあるか?」

ゲンが本来の目的を思い出しそう店長のヨルマに問いかけると、ヨルマはニヤリと笑みを浮かべ

ヨルマ「勿論あるぞ! おい、そこの我が話し始めてすぐに理解が追いつかなくなり店の商品をいじくって遊んでいるへっぽこ勇者よ! 今持ってるそのポーションを持ってきてくれ」

リオ「ッッッ!!!!! そんな事ねぇし! それにへっぽこじゃないし!」

図星だからやめて欲しい。 というか難しい話をする方が悪いと思うんだが

シノブ「まぁまぁ、癖は強いけど悪い人じゃないから。 みんな仲良くしてあげてね」

ゲン「あぁ、それで欲しいポーションの種類なんだが……」

ヨルマ「回復ポーション、爆発ポーション、補助系ポーション等であろう? 言わなくてもわかっておるわ」

ゲン「そ、その通りだ……なんで言ってないのに分かるんだよ……」

ヨルマ「悪魔の前で隠し事は意味を持たない。 上位悪魔となると尚更な。 ほれ、へっぽこ勇者がいじくってた物だが中身に異常はない。持っていけ」

リオ「俺の事なんだと思われてるだ……」

コイツ、後でシバいてやろうかな

ヨルマ「ふっ、残念ながらお前程度の力であれば我を倒すことは出来んぞ」

リオ「んぇ!? あれ? 俺今声出てた!?」

カイ「え? いや、何も喋ってなかったよ?」

ヨルマ「だから先程から言っておるだろう。 悪魔に隠し事は意味が無いと。 悪魔は上位悪魔になる時に自然とスキル『読心術』を覚えるから考えてる事が全て分かってしまうのだよ」

なんだそのチートスキル

カイ「何そのスキル!? 初めて聞いたんだけど!?」

ヨルマ「当たり前であろう。 このスキルは悪魔と天使しか覚えない超レアスキルだからな。 人間がそうホイホイ習得出来てしまっては世界の終わりよ」

カイ「そっか……確かにそうだよね……ん? じゃあさっきから私の考えてる事も全部聞こえてたってこと?」

ヨルマ「そうだぞ? ちなみにそこにいる一切会話に入らないのも良くないかな〜等考えながらモジモジしている小娘の心も読め……」

シノブ「わぁぁぁぁああ!!!!! ちょっとヨルマ!!!!! 余計な事言わないでって!!!!!」

ヨルマ「ははははは!!!!! 久しぶりの10代小娘の羞恥の感情。 誠に美味だ!!!!!」

リオ「こいつやっぱりここで成敗した方がいいんじゃないか」

カイ「ちょっとリオ! そんな酷いこと言わないの! ……分からなくもないけど」

ヨルマ「少しからかっただけの事だ、そんなにムキになるでない。 ほれ、他に欲しいものは無いのかフード大好き男よ」

ゲン「フード、大好き……い、いや、特に思いつかないが……あ、そうだ」

考え込んだ後急にゲンが思いついた様子で

ゲン「実は俺この街で個人的に会いたい人がいてな、どうやら最近重い病気にかかり体調が悪いと聞いていてな……効くような薬が欲しかったんだ」

ヨルマ「ほう、どれどれ……む?」

ゲン「なんだ? 何かあったのか?」

ヨルマ「うむ。 我は『インサート・フューチャー』という自分に起こる未来を読める軽い未来予知能力を持っていてな。 この能力とスキル、読心術を混ぜることで他者の未来も少しだけみれるようになってな」

さっきから聞いてたけどコイツなんでもありだな

カイ「ねぇ、さっきから言ってるけどヨルマさん強すぎない?」

カイの意見に対し激しく首を縦に振る俺を横目にヨルマが話を続ける

ヨルマ「ともかくその能力でゲン、お主の未来を読んだのだが……どうやらその者は薬でどうこう出来る状態では無いらしい」

ゲン「そうなのか!? そんな事まで分かるのか!?」

ヨルマ「うむ。 そしてどうやら余命がもう数日しかないようだな」

ゲン「数日だと!? 」

ヨルマ「そう慌てる必要は無いフード男よ。 近い未来解決する出来事が起こるはずだ」

ゲン「そうなのか! どんな事が起きるんだ!?」

ヨルマ「残念ながらこの手の能力の決まり事で未来を明確に他者へ教えるのは禁忌でな。 我は教えてあげたいのだが教えるとその代償として我が命が無くなってしまうのでな」

リオ「え、じゃあ未来を変える事は出来なりしないの?」

ヨルマ「それは本人の行動次第と言った所だな。我の見れる未来はこのまま行くとどうなるかの未来だからな」

ゲン「そうなのか……」

……つまり俺達の行動によっちゃゲンの友達?を救う事が出来るって事かな?

ヨルマ「その通りだへっぽこ勇者よ」

リオ「……あの、いちいち心読むのやめてもらっていいですか?」

ヨルマ「そう言ってくれるな。 貴殿は何故だか分からんが変な光が邪魔して少し読みずらいんだからな。 っと、どうやら買い物が済んだなら早くここを立ち去るのが吉と出た。 もう夜になってしまっているし、宿屋を探した方がよいぞ」

ゲン「え、もう夜か!? 随分と長話し過ぎたみたいだな……」

カイ「確かにもうそろそろ出ないと宿屋が全部埋まっちゃうね」

ゲン「あぁ、ヨルマ色々と助かったよ。 これ全部合わせて何円だ?」

ヨルマ「お代はいい。 全部持っていきたまえ」

ゲン「え!? いやいや、今回買ったものは全部結構値段が高い……」

ヨルマ「気にするなフード小僧。 悪魔は自分の利益になる事しかしない。 今回お代を無しにしたのも将来結果的に我の儲けが上がる未来が見えたからだ。早く行った方が良いぞ?」

ゲン「そ、そうなのか……? じゃあありがたく貰っていくとするよ。 よし、お前ら早く行こう」

カイ「ありがとねヨルマさん!」

ヨルマ「はははは! 良いってことよ! またのご来店をお待ちしておるぞ!」

そうして俺達は店を出て、宿屋へ向かって……

ヨルマ「理解力の乏しいへっぽこ勇者よ! ちょっと待て」

リオ「んぇ? な、なんだよ? みんな行っちゃうんだけど」

ヨルマ「うむ。主には話しておきたいことがあってな。誰も聞いてない方が良いことなもので今宵の夜お前の元へ失礼させていただくぞ。」

リオ「今日の夜俺の所へ…?一体どうやって?」

シノブ「おーいリオ! 何やってんの〜? 早く行くよ〜」

ヨルマ「仲間共が呼んでおるぞ。はよ行ってやれい」

リオ「え?いや、だからどこで会うんだよ」

そう聞くとヨルマは万円の笑みで

ヨルマ「丑三つ時。満月が満天の空に上がりきった頃に貴殿の所へ失礼するとしよう…」

そう意味深なセリフを吐くと店内へと戻って行った

カイ「リオ? ヨルマさんと何話してたの?」

丑三つ時…… 満月が上がりきる……

リオ「……いや、なんでもないよ。 さ、宿屋に向かおうぜ!」

疑問が残りながらも俺は仲間達と宿屋へと向かった。


To Be Continued→4章6話

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