27/43
シロイの村、襲撃される(3)
「おい、大丈夫か。」
投げ飛ばされた男に駆け寄っていって、村人が言った。男は気を失っていた。
村の男を投げ飛ばしたときに、ローブを着た男のフードが脱げた。彼の顔が見えるようになった。若い男だった。
「なんて力なの。」村人の女が言った。
「こいつはいったい。」ローブの男をみながら、村人のひとりが言った。普通の人間でないことを察知していた。皆怯えていた。男に近寄らないようにしていた。その様子をみて、ローブの男は静かに笑った。誰もその男に近寄れなかった。
「どうしたんだ。」と大声が聞こえた。初老の男が現れた。村長だった。男は村長のことを知っていた。