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ノエルがいない(2)
「はいともいいえとも言ってないじゃないか。」男の隣でノエルの母親がぼやいた。
「ここにもいない。としたら、どこかに隠れているか。」と、男がいった。
「そうとは思えないですね。山にいっちゃったんでしょうかね。」クルトの息子が言った。
「ひとりで山に行っちゃいけないって、しつこく言っているのに。あの子は、どうしようもない。」ノエルの母親がそう言った。
「そうだとしても、山に行っちゃったとしたら、もう帰ってくるのではないですか。」クルトの息子が言った。
あることが、皆の頭によぎった。どこかで動けなくなっているのかもしれない。
「ほら。ひとり遊びに夢中になってしまっているかもしれないですよ。子供って、好奇心が強いところがありますし。」男はそれをかき消す
かのように言った。




