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エンド31 メイスは汚れるもの

「あっ。そういえば、メイスを買ったんだったな。練習してみるか?」


「はい」


即答された。

キャーミャは、メイスを取り出す。

声や表情からは分からないが、かなり楽しみにしていたようだ。

聖夜はそれを確認してから、周りを見回してみる。


「ん~。手頃なヤツがいると良いんだが。………ああ。あそこに、1体だけのゾンビがいるな。丁度良い。あいつと戦ってみるとしよう」


「はい」


聖夜たちは周りを警戒しつつ、ゾンビへと近づいた。

それも、あえて前から近づき、発見されやすくしている。

ゾンビは、ふらふらとしながらも聖夜に襲いかかってきた。


「ほっ!」


それをあっさり聖夜が聖剣でいなす。

すぐにゾンビが再度襲いかかってくるが、それもいなす。

何度もいなしながら、聖夜はキャーミャに話しをした。


「いいか。よく観察して、攻撃のパターンを覚えておけよ。そして、丁度良い隙を見つけたら、そこを狙ってメイスを振るうんだ」


「はい」


キャーミャは、メイスを両手で握りしめながら返事をする。

それを見ながら、聖夜は、

 ーーあぁ。握り方からダメだな。そんな上の方を持ったら遠心力があんまりつかなくて、ダメージが出ないぞ。……でも、こんなことを正直に言うわけにもいかないよなぁ。これからしばらく戦って、自分で考えさせるしかないか。

と、キャーミャのメイスの握り方を見て、しばらくは練習が必要だと考えていた。


「は」


気合いなのか何なのかよく分からない声。

そんなかけ声と共に、キャーミャはメイスを振るった。

メイスは、攻撃をいなされてよろけたゾンビの左側の腰部分に当たり、


メチョッ!

と、嫌な音を立てた。

それから、ゾンビは動かなくなる。


「ん?麻痺か?」


「はい。そのようです。おそらく左腰が麻痺して、振り向けなくなったのでしょう」


「おお。なるほど」


この世界での麻痺は、身体全体には掛からない。

当たった部分にしか効果が出ないのだ。だが、それでも当てる場所によっては全体に影響を与えることも可能なようだ。

 ーーキャーミャには足を集中的に狙わせて、敵を動けなくさせた方が良いのか?2人での連携ももっと考えた方が良いかもな。


「よし!じゃあ、もう片方も動けなくしてやれ。そして、這いつくばって低くなった頭に1発堕とせば倒せるだろう」


「はい」


キャーミャは指示に従い、ゾンビに後ろから近づいていく。

そして、右の腰へメイスをフルスイング。

ゴテュッ!と、コレもまた嫌な音を立ててメイスがめり込んだ。


ドサッ!

バランスを取れなくなったゾンビが、横へと倒れる。

そこに、容赦なくキャーミャはメイスを構えて、


グチュッ!

頭を叩き潰した。

溢れ出た血が、キャーミャに触れる。


「ああ。振り方が少し問題だな。血がついちゃいけないんだろ?」


「そうですね。できるだけ早く洗い落としたいです」


キャーミャは汚れた自分の姿を見下ろしながら言う。

このまま放置していると、数回前のループの聖夜のように死にかねない。

それは、出来れば避けておきたい。


「よし!じゃあ、次の町を目指すか!!」


「はい。ありがとうございます」


自分のためだということは理解していたようで、キャーミャが頭を下げてきた。

 ーーコイツが頭を下げるところ久々に見たな。宿屋で絡まれてるのを助けたときはここまで感謝されなかったぞ。

聖夜は少し不満を覚えつつも、感謝は素直に受け取り、町へと急いだ。


途中でゾンビを狩ってみて分かったが、1度死ぬとゾンビの殺害のカウントは0からに戻るらしい。

だが、実績のバフの効果はそのまま。

どういうことかというと、現在聖夜はゾンビ60体以上殺害の実績を達成しているのだが、1度死んでしまうと次の65体殺害まで到達するのに、そこのループ内で65体倒さなければならなくなると言うことだ。


このシステムの厄介なところは、コツコツ実績を達成することが難しいという所だ。

毎回5体ずつゾンビを倒していけば少しずつ実績を達成していって成長していく、なんて事ができない。

 ーー殺すなら1ループでがっつり殺す必要があるってことか。そう言うループを作っても良いかもな。

そのループの時の世界は、かなり悲惨な事態となるだろう。


「見えてきました」


「ああ。そうだな」


かなり危ない思考をしていると、いつの間にか町までやってきていた。

聖夜はキャーミャの様子を横目で確認する。

 ーー歩くペースも問題なし。ふらつきもなし。取り敢えず目に見えて大きな異常は起きてないな。


「じゃあ、キャーミャは先に宿屋に行って服を着替えるか?」


「そうですね。では、そうさせていただきます」


聖夜の提案に、キャーミャは頷いた。

話したとおり聖夜たちは宿を取り、そこで別れる。

それから、聖夜はギルドへ向かい、依頼の達成を報告した。


「依頼達成を確認しました。お連れ様です。こちらが今回の報酬となります」


「ああ。ありがとう。……それでなんだが、最近ボスが多いのか?昨日もボスと戦ったんだが」

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