エンド22 ゾンビとの初戦闘
「神の使い様!補助魔法をかけます。『アイアンシールド』!!」
キャーミャがバフをかけてくれたため、問題なく倒すことが出来た。
因みに、アイアンシールドは、防御力を上げる魔法。
どれほどの効果があるかと言えば、
「ガァァァ!!!!」
「うげっ!噛まれる!?……って、あれ?」
噛みつかれても、全く歯が刺さらないほど。
逆に、魔物の歯が欠けるくらいの防御力を発揮した。
ーー強すぎるだろ。補助系チートで無双できるか?
何てことを思いながら進んでいると、景色がだんだんと変わってきた。
「うわぁ。まさに墓場って感じだな」
「大きいですね。確か、王都などの大都市には墓場がなく、王都などで出た死体は全てこういった離れた場所の、都市間にある墓場に埋葬されるそうです」
因みに、土葬らしい。
死体を燃やさずに、そのまま墓場に埋めるのだ。
棺桶に入れると言うこともなく。
「そうして、ゾンビになる、のか?」
「そうですね。死体を埋めたらゾンビになる。これは常識です」
「じゃあ、燃やせよ。ゾンビにするなよ」
聖夜はあきれた声で言う。
ゾンビになると分かっているのに、わざわざ土に埋める理由が分からない。
だが、キャーミャは首を振った。
「そういうわけにもいきません。こういう場所にゾンビを発生させることで、盗賊などを住み着かせないようにしているので」
「ほぉ~。そんな理由があったのか。確かに、ゾンビがいると住み着きにくいよな」
「そうですね。国境沿いなどでは、侵略を受けないために墓場を大量に置いていたりもします」
意外な文化だった。
害になるんだったらやめればいいじゃん、というのは上手くいかないようだ。
ーーじゃあ、殺しすぎるのも良くないんだな。本当に、間引きって感じなのか。
「まあ、よく考えてみると俺がそんなことを考える必要はないよな。俺はここの間引きをして、金を貰うだけ。それ以上でも、それ以下でもないわけだ」
「そうですね。素晴らしいお考えです」
いちいち言ってくるお世辞が面倒。
もう少し感情がこもっていれば耐えられるのだが、無機質すぎて全く心が喜ばない。
ーーまあ、喜びはしないが、落ち着くから良いか。この感情のない声、やっぱり落ち着くなぁ~。
と、考えている家に、ゾンビが接近してきた。
「よし!俺が押さえるから、強化を頼んだ!!」
「はい。『アイアンシールド』『ソニックレック』」
キャーミャが支援魔法で聖夜のステータスを底上げしていく。
聖夜はその強化を受けながら、
ーーそう言えば、ファンタジーだとアンデットには回復魔法がよく効くって言う設定のがあったけど、この世界だとどうなんだ?
疑問に思った聖夜は、戦いながらキャーミャに聞いてみた。
ザシュザシュッ!
「ほっ!ていっ!!……なあ、キャーミャ。回復魔法でゾンビとか倒せないのか?」
「回復魔法で、ですか?……そういえば、過去の神の使い様もそういったことを言っていたと文献にありましたね。残念ながら、ゾンビに回復魔法をかけても意味はありません。どちらかと言えば、身体が修復されてしまい、より強くなってしまいます」
「そうなのか。それは残念だな。効率的に倒せるかと思ったんだが」
そんなことを言いながら、ゾンビを倒していると、
《実績『ゾンビ5体以上殺害』達成》
《攻撃力が5パーセント上昇します》
実績を達成した。
少し前のループでは兵士を虐殺したときに似たような実績を達成したが、ゾンビでも実績があるらしい。
こういう機会に強くなろうと、聖夜は次の敵へと向かっていった。
それから数十分後。
「……はぁはぁ。そろそろ、疲れてきたな」
「そのようですね。では。街へ行き、報告をしましょう」
《実績『ゾンビ35体以上殺害』達成》
《攻撃力が5パーセント上昇します》
腕に疲労を感じ始めた。
どうやら、まだ腕力に頼りすぎているらしい。
ーー暗殺者ギルドで、本当に極めたら100人倒しても疲れないって言われたからな。俺も、まだまだって事か。
「次の街との間にも、墓場はあるか?」
「あります。基本的には街の周りは墓場ですので。あまりにも減っていなければギルドにも依頼が出ているはずです」
「そうか。なら、ゾンビ倒しながらの移動で良いな」
そんな会話をしながら街へ向かう。
今回、初めての共同での戦闘だったが、意外と息が合っているような気がした。
気がしただけかも知れないが、
ーーこの感じで行ければ、セプティアの時とは大きく違う方向での戦闘方法になるな。ただ、キャーミャは武器を使ってみたいようだし、そっちの才能も見てみなければいけないが。




