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カスはカスなりに!~絶対に負けない男たち~  作者: GANON


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16/17

アカリの家へ

『風邪引いたので今日は休む』


 午前8時。アカリからメッセージが入った。

 風邪を引いたらしい。

 バカと獣人は風邪を引かない、と言われるくらいには体が丈夫なはずなのだが。


『わかった。薬とかあるか? 医者には診てもらえそうか?』


 ボロアパートに住んでいるアカリが薬などを常備しているとは思えなかった。

 朝から深夜まで稼働する人間が体を壊すことは少なくない。

 アカリも一人前になれば朝から17時までの稼働で暮らせるようになるのだが。

 すぐに返信があった。


『ない 熱があってふらつくから家から出たくない』

『わかった。あとで行くから玄関のカギを開けておいてくれ』


 と。

 今日の稼働が一区切りしたら見舞いにでも行ってやろう。

 データチェックを終え、そしていつもの過疎店へ向かった。




 夕方17時前、ドラッグストアで買った荷物でパンパンのビニール袋を持ってアカリの住むアパートへ。

 

「おうい、大丈夫か~」


 ノックをしたが返事がなかったので勝手に部屋にあがった。当然鍵はかかって無かった。


「きたね~なぁ」


 さすがの有様に独り言もでる。

 

 かなり年季のはいったアパートの一室。

 

 その部屋は普通の6畳間だった。

 

 まずはシンクに洗っていないコップが複数。鍋も洗った形跡はないものが複数。

 

 小さな冷蔵庫に電子レンジ。それに扇風機。家具は以上。

 

 テーブルと思わしき段ボールに紙皿、割りばし。ゴミ袋いっぱいに入った缶ビールや酎ハイの空き缶。生ごみ等は最近捨てたのか見た感じはなかった。

 

 その部屋の真ん中に布団が敷かれ、アカリが寝ていた。





 窓を開き、換気する。

 俺は部屋をざっと掃除して、シンクを使えるようにした。

 高熱で息があがっているアカリの額に買ってきた冷却シートを張ってやる。


「・・・・・・にゃ?」

「大丈夫か?」

「・・・・・・マスク似合わね~にゃ」

「まあ元気そうだな。飯は食えそうか?」

「喉も痛ぇにゃ」

「ちょうどいい。おかゆを買ってきたんだ」


 買ってきたレトルトパウチの白粥を湯煎しようと思っていたが、ガスが止まっていたのでレンジで温めて、白だしをスプーン2杯いれて完成。

 俺はこれが料亭の味にも匹敵すると思っている。行ったことはないが。

 アカリはプラスプーンで掬って一口。


「う、うまいにゃ! 毎日一食これがいいにゃ」

「ならあと8食分買ってあるから毎日食べな」


 鮭粥に卵粥も買ってきてあった。あとはスポーツドリンクにパウチゼリーもいくつか。

 冷蔵庫に水分はしま―えなかった。缶の酒でいっぱいだった。冷蔵庫横において、一本を枕元に置いてやる。


(もうちょっと稼げるようにして、この家から出してやらんとな)


 風邪薬を飲んだアカリを見届けて、


「じゃあお大事にな。治ったら沖縄料理に行こう」

「・・・・・・ありがとにゃ」


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