エピローグ
ガシャン、ガシャン、ガシャン!!!
帝都新聞の印刷局で、けたたましい機械の音が鳴り響く。
次々と刷り上がっていく真新しい紙面には、大きな見出しが躍っていた。
『号外! アリア嬢、ノヴァリアで歓待を受ける!』
『リージェイン商会、全面バックアップを発表!』
『ノヴァリア国民の熱烈な希望を受け、アリア嬢のレコード販売決定!』
『驚きの転身! アリア嬢、ノヴァリア大学言語学科への入試受験を決意!』
毎日のように、海を越えた自由の国から、彼女の明るいニュースが帝都へと舞い込んでくる。
そこにはもう「黎明の御子」という堅苦しい肩書きはない。
ただ一人の少女が、自分の足で新しい世界を切り拓いている記録だった。
■■
場面が変わり、眩しい太陽の光が石畳を照らす。
カツン、カツン!
軽やかな音を立てて走る、可愛い白いハイヒール。
そこから伸びる健康的な白い足と、風を孕んでふわりと翻る爽やかなペールグリーンのサマードレス。
高い位置で結ばれた栗色の長いポニーテールを元気いっぱいに揺らしながら、アリアは異国の活気あふれる街中を駆け抜けていく。
ふと、彼女は立ち止まり、振り返った。
その顔には、かつてエデンで見せていたような陰りは微塵もない。太陽よりも眩しい、満面の笑みだった。
「セシル! ハルカ! 早く行こう!!」
少し後ろを歩いていた二人の青年が、呆れたように息を吐く。
「はいはい。君は本当に、水を得た魚みたいだねぇ」
ハルカが、両手に抱えた大量の荷物(アリアの買い物の戦利品)を揺らしながら、やれやれと人の良さそうな笑みを浮かべる。
「……走るとまた転ぶぞ、お前は」
セシルが、相変わらず不機嫌そうな、けれどどうしようもなく甘い声でぼやいた。
黒い軍服ではなく、異国のラフなシャツを羽織ったその紫の瞳には、前を走るアリアの姿だけが、何よりも愛おしそうに映っていた。
「早く早く!」
アリアは弾けるように笑い、再び前を向いて駆け出す。
空はどこまでも高く、澄み切った青色だった。
彼女の行く手には、数え切れないほどの新しい言葉と、自由な世界が広がっている。
もう、何にも縛られることはない。
――ここからが、アリアの歩む、本当の物語の始まり。
ついに完結!処女作のくせにすごく長くなってしまったけど、途中キャラに感情移入し過ぎて泣いたりもして…アリアが幸せになれてよかった!
ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました!
あと初めての作品で初めてのブックマークや評価を頂きまして、本当に嬉しく思っています。
作品自体は前もって出来上がっていたのですが、いざ投稿し出すと、あれ?ここおかしいぞ、あら誤字がの連続で、投稿することの難しさを感じながら投稿してました。
きっと自分では気づかない誤字脱字や、矛盾点があるんやろなとは思うんですけど、見守っていてくれて嬉しいしありがたかったです。
ムーンライトの方で、同じペンネームで活動を始めましたので、よかったら覗いてみてください。
実は、作者的にはハルカのことが大好きで大好きで堪らなかった…
なので、いつかアリアとハルカバージョンをムーンライトで書こうと思ってます。
兎にも角にも完結です!
ありがとうございました!




