表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
みんな異世界に行きたい  作者: 十倉十全
10/19

10.そして名前は決まらない。

 


 取り敢えず、俺は、名前を、付けたくない。


 理由は簡単で簡潔だ。


 "めんどくさい"


 この一言に尽きる。


 これは何となくの根拠の無い予感だが、きっとここからなんか俺の求める俺チートから徐々に離れていくのかもなああああ!って思ってしまっているからというのもある。


 まあ最悪、ラノベの主人公は諦めて最早これを俺チートと呼んでいいのか.....ってレベルの俺チート(?)を目指すのもありかもしれない。


 主人公の友達Dくらいのポジションでー、どうしようかな.........どうでもいいが俺は友人Aも村人Aもモブではないと思ってる。


 んー.........裏のボス的なチート能力者は物凄くやりたいが、責任とか色々とてつもなく重そうだからぜってぇ嫌だ。

 やっぱ誰かに責任を押し付けながら自由にチートしたいし、あわよくば孤高のナントカになりたい。



 ........やばいな妄想虚言がダダ漏れている。



 ついでに、無駄な懸念かもしれないが.....ハーレムが若干面倒くさい。 フッ...俺をほっといてくれ 的な阿呆な事はやりたいけど、女子は普通に面倒な生き物だからなぁ。それに怖いし。


 やっぱハーレムはガチで好きな人は好きだろうけど、面倒くさって思う人は面倒くさって思うんだよ。

 私は普通に好きだが。


 好みは人それぞれ。押しつけは良くない。


 前世は肉体的にも精神的にも女子だったから、女子の恐ろしさが男子の考える2倍以上だという事は理解しまくっている。

 だから私は3次元アイドルより断然2次元派なのだ。


 所詮絵でしょとか言う奴はお黙りなさい。3次元だって所詮タンパク質の塊なんだよ?


 あ゛ああ゛あああ....元祖Vberに会いたい


 ..........てか今の状態でハーレムって....普通にハーレムが起きるのか?それとも逆ハーが起きるんだろうか.......

 どうなんだろうなあ、でも逆ハーはBLでしかないよなあ。まあそれでも全然ありだけど.........

 ん?もしハーレムだったら、中身女だし.............花園?まさかの?

 いや私は私()()の男子もとい女の子達がキャッキャウフフするの全然ありですけど???むしろ喜んで壁になりますが??


 わた......俺はジャンルを問わないので!


「.........ね..ん...」


 前世でそれを理解しあえて語り合えるような友人とか一人もいなかったがな。


「.......ょ...ねん」


 授業での自由にペア組んで学習的なヤツが苦痛でしか無かった。何だよ誰だよあんな学校の闇みたいな制度導入した奴。

 お陰様で愛想振りまいてクラスで浮かないようにする出生術を極めたわボケ。


「少年」


「はい!?」


 咄嗟に返事をする。思ったより大声が出て自分でもびっくりした。


「大丈夫ですか?」


 青年がひらひらと手を振っているが距離が空いているせいで手首の体操にしか見えない。


「あー....」


 すっかり現実逃避していたようだ.......恥ずかしい


「無理を言ってしまったなら申し訳ありません....適当に呼んで頂ければ」


 青年の眉尻が下がって八の字を描いていた。

 これが人間じゃないのか......世界は進歩したんだな


「どうかしましたか?」


 つい遠い目になってしまったのか、青年が伺うようにこちらを覗き込んでくる。まあ距離的にアレだが。


 ........仕方ない。念の為、念の為聞いとこう


「名前付けてってここに来た意思疎通できる全員に言ってるの?」


 否定の言葉を期待して問い掛けた。


 "人"と言わずに"意思疎通できる全員"と言うのがポイントである。

 エルフとか獣人とか魔族とか居たら、彼らが目の前の青年的な区分において人に当てはまるとは限らない。もしかしたら、よく分からん有機物が喋るかもしれないし。


 備えあれば多少憂いあるかもだが問題は...って推しキャラが言ってた。


 そして俺は吊り橋を叩き割ってから俺の監督下で創り直させた後で渡りたいタイプだ。


「いいえ、少年に頼んだのが初めてです」


 俺の無駄な思考回路による現実逃避も虚しく、一瞬で期待は破られた。

 膝をつきそうになるのを堪える。


(やっぱりかー.........)


 これは特別を喜ぶべきか否か。


 心境は圧倒的に後者だ。が、


(ずっっっっっっと思ってたけどこの青年)




 声めっちゃタイプ




 正直ガチで機械だとは思えない。素晴らしく滑らかで優しげで落ち着きのある声だ。

 老紳士とはまた別ベクトルの破壊力を搭載している。........もうやめて、俺のライフはもうゼロです。


「........なんで俺には名付けてって言ったの」

「そう、ですね.....小さいのにこんなにもはっきり話せるという事に、驚いたんです。」


 どうやらそれだけのようで、言い終えた青年は自分で言った事に納得か満足かしたのだろう。軽く頷いている。


(あー...........?)


 いや分かんねーよ。

 何でそれが理由になるのかは特に分からんが、俺が2歳児にも関わらずこんなに喋れる理由及び原因も謎だよ。

 こっちは転生物でよくあるあの、 前世の記憶を思い出したから思い出して秒で知恵熱が! もなかったんだよ。


 転生して秒で餓死しそう。 ってのはあったけどな。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ