12.明日の予定
明日からゴールデンウィーク。
休みは3日(土)から6日(火)までの四日間。
予定は特に何も入れていなかったけど桜井が精霊の森に行かないか?って誘ってくれた。
「行くのはいいけど妖精の森じゃなくて精霊の森の方?」
「爺さんや婆さんの昔話を聞くなら俺よりも婆さんの地元である精霊の森の方が詳しいと思うぞ?勿論この世界での爺さん婆さんの話は精霊より俺の方が知ってるとは思うけどな。」
「なるほど。」
「それにあの森には爺さんが作った俺の家みたいなミニチュアハウスが妖精の森よりもある。」
「それ見たい!」
「あの爺さんは精霊界じゃ有名だからな。」
桜井ハウスを僕の部屋に設置した桜井は僕のおじいちゃんのことなのに何故か自慢げ。
そして妖精姿に戻ったは良いけど何故か僕の姿のまま。
「どうだ?南雲が妖精なったらこんな感じだぞ!」
「変化出来るなら姿変えたい。」
「まあそれでも良いけど爺さん婆さんが愛したこの顔だって良いもんだけどな。」
「……それは、まぁ…」
生まれ育った顔に愛着がないわけじゃない。
かっこいい顔に憧れがあるだけ。
「まあ俺も桜井翔也の顔の顔、今では結構気に入ってるしな!あの顔南雲と仲良くなる為に婆さんがあれこれ教えてくれて南雲のなりたい理想の顔にしたんだ!婆さん曰く理想の顔の人がいたらコンプレックスばりばりで興味持つだろうからね…ってさ。」
「…おばあちゃんの言う通りだよ。」
無いものねだりってやつだよ。
妖精になる予定は今の所無いけど、もし妖精になるなら最初の変化は桜井にしよう。うん。
布団の横に桜井ハウス。
金具がついていて留め具を外して開くと家が真っ二つに開いて中が見れるようになるらしい。
僕はふとん、桜井は小さなベッドに横になる。
「そういえば桜井はおばあちゃんみたいに結婚したい!って人間いるの?」
「いないな。南雲家ならともかく他の人間は魔反発が強すぎて痛いし。あの、名前なんだっけ…うま…馬……馬場さんだったかな?あの子とか特にスキンシップ多かったんだが魔反発が酷くてな…婆さんからみた爺さんみたいに魔反発がほぼなくて余程好みな女性じゃないと無理だろ。人間は寿命だって短いしな。」
「あぁ、あの隣のクラスの可愛いって言われてた子。周りはめっちゃ羨んだ目で見てたけど桜井は大変だったんだな。」
「まぁ南雲のそばが居心地良いからこの世界居るだけだし恋愛メインじゃないからそこら辺はどうでもいいけどな!それより明日の朝は南雲お手製甘い卵焼きも付けてくれ!」
「いいよ。作ろっか。あ、精霊の森に行く時お土産とかっている?おばあちゃんの知り合いとかいたら渡した方がいいよね?」
「それなら爺さんがよく買ってたどら焼きがいいと思う!爺さん、精霊の森や妖精の森に来る時いつもお土産でくれてたし!!あとは南雲特製卵焼きだな!!」
「卵焼き?そんなのでいいの?」
「卵焼きはふわふわで美味いからな!!あと南雲の料理は南雲の花魔力が少し入ってて食べると幸せなれるぞ!!」
「花魔力?ってのを入れた覚えはないけど桜井が僕の料理強請るのそれが理由?」
「多分無意識だと思うぞ。微々たる量だから南雲の体に影響は無いし南雲の料理はどれも美味いからな。」
「ふーん。なら桜井がバレンタインの時とかに女子から食べ物貰わないのは花魔力入ってないから?」
「いや、好意的な女性からの食べ物って何が入ってるか分からないからだな。初めて貰った時、興味本位で鑑定したらなんか色々入ってて…怖くてそれから一切受け取ってない。」
「あー…なるほどね。」
「だから給食とかは食べてたろ?俺も近所の和菓子屋とかは好きだし。」
「たまに顔顰めてたけど残さず食べてたね。」
「当時は初めて食べるものばかりだったから見た目から予想した味じゃない時はつい。でも梅干しは今も苦手だな。」
「はちみつ梅は食べれるのにね。」
「蜂蜜は偉大だからな!」
蜂蜜をいつも持ち歩く桜井には蜂蜜飴でも作ってあげようかな。
せっかくだしお弁当持参してピクニックみたいにしても良さそうだし。
よし!そうと決まれば早く寝ようかな。
朝は作らなきゃいけない料理がたくさんだからね。
ご覧頂きありがとうございます。
次も南雲視点。
キーワードは『卵焼き』
※本日(4/4)ごはんの文字を御飯→ご飯に修正予定です。次からはご飯にします(忘れてない限り)