第8話 休眠機体
「おやっさーん、今日も宜しくお願いしまーす」
「おう来たか」
工房の仲間たちはせわしなく動いている。
「皆どうしたんです?なんか忙しそうですけど」
おやっさんが頷く。
「ああ。月の軍司令から休眠させていたMTランサー型の整備を依頼されてな。今はそれで持ち切りだ」
「独立の影響がここにも・・・」
「入ったばかりで悪いが忙しくなる。ちゃんとついて来いよ」
「はい!」
目の回るような忙しさの中、ソラツグは仕事を覚えていった。
仕事の合間に一息ついていると、モニターに見知った顔が現れる。地球連邦総統だ。総統は告げる。
「月共同体の勝手な言い分はまったくもって受け入れられない。地球連邦は月共同体に制裁を科すことを決定した」
俺は顔をしかめる。やっぱりこうなったか。
おやっさんが近づいてくる。
「こいつは大きな戦争になるかもしれねえな。ソラツグ。地球へ帰るか?」
「危ないのは地球も一緒ですよ。こうなれば皆で火星にでも避難しませんか?」
おやっさんは笑う。
「出来ればそうしたいがな。仕事もあるし、何より住み慣れたところを離れられねえ」
「ですよね・・・」
その時、突然警報が鳴り響く。
「なんだ!?」
ソラツグ達は外に出る。遠くの搬入口から武装したMTドーベル型が現れる。
「テロリストか!?」
「まずい!お前ら、避難するんだ!」
おやっさんが叫ぶ。
俺は工房に走り、MTランサー型に乗り込む。
「ソラツグ!何やってんだ!」
「俺が時間を稼ぎます!おやっさん達は逃げてください!」
「馬鹿!」
俺はMTランサーを操作する。操作方法はゲーセンのゲームと同じだ。操作を円滑にするため思考リンクをONにする。
ソラツグは工房を見回す。治安維持のため整備中のMTランサーには武器など付いていない。
が、俺はあるものを見つける。
「ふん、月の警備兵などただの飾りだな」
侵入してきたMTドーベルの中でパイロットが呟く。
「例のロボットはまだ現れてないな。さてひと暴れするか・・・」
そこで斜め前の工房からMTランサー型が現れる。そしてローラーダッシュで近づいてくる。
「整備中のMTか?武器もないMTなどただの人形だ」
ライフルを向け発射する。
「どっせい!」
ソラツグは背後に隠した盾を前に掲げる。 この盾は時空間エネルギーを表面に張って同じ時空間エネルギーを分散する盾だ。数発程度のビームには何とか耐えれる。
「何!?」
ソラツグのMTランサーはさらに加速する。さっきまでは3分の2程度しか加速してなかったのだ。その為敵の判断が一瞬遅れる。そのまま体当たりする。
「ぐはっ!」
テロリストは衝撃に身を揺さぶられる!
敵のMTドーベルが倒れた。
俺は倒れたMTドーベルの両腕の関節を踏み抜く。
メキッ メキッ
「勝負ありだ」
周りから歓声が沸き起こる。
その後ソラツグは遅れてきた治安兵にテロリストを引き渡した。
ここまで読んでいただき有り難うございます。
評価とかしていただければやる気とか出ます。




